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2019年11月04日

流れを変えることができる選手になる

文:岩渕翔一

あなたが努力する目的はなんでしょうか?
 
・手に入れたいものがある
・守りたい(守らなければならない)ものがある
・成し遂げなければならないものがある
 
理由は人それぞれでしょう。ただし理由やきっかけ、目的が何であれ、実現するために踏まねばならないプロセスは皆一緒です。
 
成し遂げるまで続ける
 
必要なプロセスはたった1つ。これだけです。プロセスの過程における質はもちろん重要ですが、まずはこの覚悟が必要です。では努力の手段はどうでしょう。スポーツであれば、
・チーム練習をする
・他チームと合同練習をする
・自主練習をする
・なんらかの指導を受ける
・合宿を組む
・試合をする
 
などがあるでしょうか。これらのトライアンドエラーを繰り返しながら、適宜軌道修正を行い、なるべく最短距離で選手が目標を達成できるようにサポートするのが指導者やトレーナーの役割です。
 
スポーツでは大会前などに「合宿」が組まれることが多くあります。JARTAではトレーナーの合宿を毎年行っており、今年が5回目になります。選手やチームが集中的に練習やトレーニングを行うように、トレーナー自身が自身の成長のために集まり、寝食を共にし、集中的にそれぞれの課題に向き合います。

 
上記に書いたように「努力」の手段は多くありますが、なぜわざわざ手間のかかる「合宿」を行うのでしょうか。
 
互いが切磋琢磨し、自己研鑽に励む
 
合宿の特徴は何といってもこれでしょう。一人で課題に向き合うよりも仲間がいる。競い合うのではなく切磋琢磨する。教える側と教えられる側に別れることなくそれぞれが主体的に取り組む。
 
そういった場を年に1回トレーナー自身が経験することで、自己研鑽するだけでなく、その場で感じたことを実際の現場で活かせるように。
 
今年の合宿は神戸で10月26日〜27日の2日間。3年連続となるみのたにグリーンスポーツホテルで行いました。大ホールだけではなく、グラウンド、テニスコート、山に囲まれた自然いっぱいの環境、露天風呂つきの温泉と、素晴らしい環境で行えるため毎年利用させていただいています。
 
今回の合宿は4ヶ月前からweb上にスレッドを立ち上げ多くのディスカッションや課題に取り組むといったことを行いました。これは、先に述べたように努力すること。を習慣化し、積み重ねる続けるこが自然に行えるよう落とし込むためです。

 
また、合宿に参加するにあたりトレーナーには多くのルールを提示しました。例えば、
・受け身にならずに能動的に自己学習すること
・誹謗中傷や悪口など他者批判は厳禁で、ポジティブな議論をすること
・依存しないこと。他人や環境のせいにしていては成長は望めない
 
などがあたりますが、全ては「成し遂げるまで続け続けるため」の手段として、「互いが切磋琢磨し、自己研鑽に励む」環境を整えるためのものです。

 
合宿2日間の内容は「原点回帰」をテーマに「全ては選手のために。手段に囚われない」といったJARTAコンセプトの1つでもあるここに立ち返るためや体現するために必要なプログラムを組みました。
内容はこちら
それぞれの想いを胸にまた明日に向かう/2019JARTA合宿開催報告
選手であれ、トレーナーであれ合宿をするのであれば必ず前提に置いて欲しいことがあります。それを自然に行えるようにするためにルールがあったりプログラムにも多くの仕掛けを行うのですが、それでももう一度しっかり合宿に入る前にしっかり意識してください。
 
合宿というのは普段の練習や試合とは得られるものが違います。トレーナーであれば勉強会やセミナー、講習会とは違います。試合や練習は指導する者や大会を運営するものがなければ成り立ちません。勉強会やセミナーは教える側がいなければ成り立ちません。
 
合宿というのは、参加する選手自身が。
参加するトレーナー自身が全員で作るものです。便宜上、教える側と教えられる側(伝える側と伝えられる側)に別れることはありますが、実はそこに垣根がないことが合宿の最も良いところであり難しいところでもあります。
 
能動的に主体性があるかないかはここでわかります。伝える側が当然良いものを提供しようと最大限努力することは必須です。それに対して伝えられる側はどのように反応したか。内容やその場の空気を踏まえ何を考えどう行動したのか。その場を作るのはその場にいる全員なのが合宿です。垣根がないというのはそういった意味です。
それぞれに責任がある。
それは自分自身の成長に対する責任です。
 
JARTAトレーナー合宿は今年で5回目ですが、やっとそのような空気ができてきたと今年は感じることができました。来年はさらに良いものに。参加するトレーナー全員が主体的に動くことで良い相互作用が生まれ、文字通り切磋琢磨できるようになるはずです。

 
70名ものトレーナーが参加してくれた今回の合宿。70名分の背景があり参加者の想いは人それぞれです。2日間共に過ごした中で得たものや感じたこともそれぞれでしょう。歩みを進めるスピードもそれぞれ。
企画運営を担った責任者として、様々な背景を持ったトレーナーへの働きかけという意味で課題は山積みでした。この課題に向き合い、またみなさんと成長していくためのステップアップにし、来年お会いできればと思います。
 
 
今後合宿を行う選手のみなさん。
合宿を成長する機会にしたいのならとにかく主体的であること。能動的であることです。努力する目的をもう一度しっかり振り返り、今日からの積み重ねを。
 

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