投手のメンタリティの原点

文:岩渕 翔一

スポーツをするにあたってメンタルの重要性はいうまでもありません。例えば投手で言えば、ボール半個分インコースに投げれるのか投げれないのかたったそれだけがプロで活躍するか否かが決まる。そんな話も聞きます。

 

木曜日から日曜日まで九州に仕事に行っておりました。

JARTA代表の中野がサポートしている3人のプロ野球選手自主トレの同行から始まり、
金曜日は熊本でJARTA workout(内容は「胸郭の運動機能評価と呼吸コンディショニング)、日曜日は福岡で投手用トレーニングセミナーを開催しました。

それぞれたくさんの方にご参加いただき有意義な時間を過ごせました(写真全然撮ってないのですみません)。

 

土曜の夜に福岡でKOBESという会社の代表取締役をされている元プロ野球選手の小林亮寛氏とJARTAのトレーナー数名で食事に行きました。

小林氏は「ベースボールとフィットネスをデザインする」というキャッチフレーズの元、多くの野球選手の指導やイベントの企画運営をされています。
経歴も凄く面白くて日本のプロ野球からアメリカ独立リーグ、四国アイランドリーグ、台湾のプロ野球やメキシカンリーグなどかなりグローバルに活躍されていました。

今後の展望や野球界への想いなど色々情報交換をしたのですが、私が知らなかった投手のメンタリティの原点であるとも言える話を今回はさせていただきます。

 

 

野球とクリケットの繋がり

野球の原点とも言われることのあるクリケット。野球の起源に関しては諸説ありますが、野球とクリケットが深い関係があることはほぼ間違いありません。

クリケットのルールや詳細はここでは省きますが、ボウラー(投手)がウィケット(3本の棒)を目掛けて投げたボールをバットマン(打者)がアウトにならないようにブロックしたり打ったりします。
投手はウィケットにボールを当てれば打者をアウトにすることができるので、打者はそれを邪魔するわけです。これが野球の原点とも言われるクリケットと投手と打者の対戦の中身です。

 

 

野球における攻守

野球は、バットを持って打つ側が攻撃で、グローブを持って守る側が守備だと誰もが当たり前に思っています。ですので、投手は「守る側」だという認識が間違いなく無意識にあります。

しかし、野球の原点であるクリケットでは、武器(ボール)を持っているのは投手で、ウィケットに向かってボールを狙って投げる(攻撃する)。対して打者はそれを邪魔する(ウィケットを守る)守衛のような存在です。
投手は守る側ではなく、攻撃する側で、打者はウィケットにボールが当たらないようにする守備側だということです。

投手は守るのではなく攻撃する。
これはなかなか大きな事実ではないでしょうか?

 

打たれないように投げる、点を取られないように投げる、打ち取る。
そうではなく、投手が打者を攻撃しているという意識を持つだけでピッチングが大きく変わる。そんな気がしませんか?

 

自分自身が攻撃する側だと思えば、

・ストライクを取りにいく
・ボールを置きにいく

このような感覚はむしろなかなか持ちにくいのではないでしょうか。

 

野球は投手主導のスポーツです。投手がボールを投げなければプレーは始まりません。そして打者はそれに対して「タイミングを合わせる」ことから始動します。

当たり前のようにバットを持っている側が攻撃で、グローブを持っている側が守備だと私自身も疑いもしませんでした。選手としてプレーしている時はもちろんそうですし、トレーナーとして活動している今までもそうでした。

 

しかし、野球の原点や歴史を振り返った際、「投手は攻撃する側である」という有力な説があります。これは、守ることを無意識に意識していたであろう投手のメンタリティを劇的に変えるきっかけになる可能性を感じました。

 

一度、思い直してみてください。武器(ボール)を持っているのは自分だと。目の前に立っている打者は自分を攻撃する者ではなく、邪魔してくるだけの存在だと。

 

 

攻撃こそ投手のメンタリティの原点です。

 

 

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