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2021年03月06日
成長痛だから仕方ないって誰が決めた!?
文:赤山僚輔
突然ですが、この写真の膝は赤山の膝です。
私は左右ともにオスグッド・シュラッター病で中学時代に悩み、その後遺症としての変形が今も残ります。
今は痛みこそありませんが、硬い場所では正座ができないなど弊害が残ります。
赤山が成長痛で悩んでいたのは25年以上前です。
しかし時代が1990年代から2020年代になっても、まだまだ成長痛で困りスポーツパフォーマンスに影響を及ぼしている選手がおられます。
四半世紀を過ぎてもなお、根本的に解決できていない成長痛に対してもうそろそろエンドロールを用意しよう。
それが今回のブログの内容になります。
成長痛とは急激な骨の成長に伴い、強い牽引力が筋付着部に発生し強い痛みや炎症、そして変形を伴うものを指します。
膝だけでなく、踵などにもよく発生します。
膝であればジャンプ系の競技、かかとであればスパイク競技などで多い印象を受けます。
先に今回の結論をお伝えすると。
“成長痛だから仕方がない”
この捉え方、概念こそが問題を長期化、慢性化、重症化する事例を増やしていると感じてます。
医療機関でも、自費の治療院でも対応する際には、スポーツパフォーマンスに明らかな弊害が発生してから来館されることが圧倒的に多いです。
炎症が強ければ安静期間も必要になり、完全復帰までの期間も長期化してしまいます。
症状が長期化すればするほどに“成長痛だから仕方がない”という捉え方が本人の中でも定形化され、それ自体が慢性化する要因にもなる。
といった悪循環になってしまいます。
よくこのような事例に対して予防が必要で、〇〇の怪我をしないようにストレッチをしようとか。
筋力を強化したりバランス良く身体が使えるようになど。
予防的に取り組める事柄はもちろん多くあり、それを実践して、ある一定の効果や結果がでている先行事例もあります。
予防的な取り組み自体が全て悪いわけではないですが、怪我や障害を発生させないように何かの取り組みを行うというのは、ただでさえ時間がないと指導者が嘆くスポーツ現場においては継続可能な実践法としては適合しない場合もあるのです。
そんな中でも子供たちの周囲にいる、両親や指導者が成長痛とは避けられるモノであり、その前兆がある。
その前兆のレベルで適切な対処方法を本人が認識することで、成長痛を防ぐだけでなく競技に思いっきり向き合えるので結果的にパフォーマンスアップに繋がる。
このように認識するだけでも多くの成長痛で悩む選手たちをゼロにしていくきっかけになると考えています。
きっと全国のスポーツ整形や、治療院に初期症状で来館してくれれば、早期に改善するだけでなく根本的な原因を示唆して本人が継続可能な手法を共有してくださると思います。
まずは成長痛だからと放っておくことで半年や1年以上も痛みと付き合いながらプレイをしなければならない。
そのような状況を想像して回避できるような示唆を周囲の大人ができることが大きな一歩であると考えています。
よく考えるとわかることですが、13歳前後の第二次成長期に成長スパートと呼ばれる1年間に男子は約10〜12㎝、女子は約8㎝も身長が伸びるのです。
もちろんこの時期にオスグッド病も増えるのですが、バスケ部に30人以上いる赤山の中学時代、練習を休んで横で筋トレを何ヶ月もしているのは私1人でした。
全部員の中で赤山が著しく身長が伸びていたわけでもありません。
この時点で、急激な身長の伸びと成長痛だから仕方ないという概念が繋がり、定説になることに違和感を感じる方は多いはずです。
しかし結果論から考察すると、多くの大人、指導者、医療従事者が、“成長痛だから仕方がない”と片付けてしまっていたと思わざるを得ません。
ちなみに赤山はこの時期のことを思い出すと消炎鎮痛の塗り薬の匂いと汗臭くなったサポーターのことを思い出します。
ちなみにオスグッド病で困った中学時代から10年後、オスグッドの酷かった左足の反対側である右足のアキレス腱を断裂しています。
そんな話はまた次回以降に。
今、私は幸運なことにそのような時期(第二次成長期)の前の選手に会うことが日常的にあります。
その時期に会うことで選手にできることを伝え、ご両親に成長痛が最小限に留めることが可能であることを示唆することができます。
関わっている小中学生で長期間競技離脱する選手はいません。
もちろん解決策として具体的なアプローチ方法やセルフケア方法を整理してブラッシュアップしていくことは重要です。
しかし”仕方がない”と片付けてしまうと、解決策を探求する足が止まってしまうのです。
まずは成長痛だから仕方がない、ということはない。
ということを発信しながら引き続き具体的な手法についてはオンラインセミナーなどでもお伝えしていければと思います。
今月は講義と実践編ということで2回に分けてオスグッド・シュラッター病の捉え方と対策について予定しています。
ご興味がある方は是非下記より詳細をご参照ください。
そして一緒にこの四半世紀変わっていない捉え方や概念にエンドロールを準備しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
JARTA公式HP
https://jarta.jp