筋力トレーニングを再考する ~筋トレのあり方とは~

文:能城 裕哉
  • 筋力トレーニングを再考する

 

現在、様々なトレーニングの理論や方法論が存在している。

 

トレー二ングと聞いて、筋力トレーニングや体幹トレーニングなどイメージされる方は多いはずである。

 

*これまでの記事にもあるように、

「筋力トレーニングをすべきか、すべきでないか。」スポーツ現場でしばしば耳にする問いがある。

 

今回は一般的に広く知られている筋力トレーニングついて再考してみる。

 

筋力トレーニング(以下筋トレ)とは、レジスタンストレーニングとも言われ、骨格筋の出力・持久力の維持、向上や筋肥大を目的とした運動の総称とされている。

 

要するに、筋トレとは筋の収縮力向上のためのトレーニングである。

 

つまり、筋トレは、筋線維の肥大や動員される運動単位の増加など筋収縮に関わる因子がトレーニングのターゲットとなる。

 

通常、どの因子へアプローチするかによりトレーニング設定を変更し、プログラムを計画・実行する。

 

例えば、最大筋力を上げるために、1RMの80%、動作を最大速度で行い、休息は数分とるなど設定し、実施されている。

 

年齢など対象に合わせ、各設定が異なり、RMのみでなく、運動速度やトレーニングの総負荷量の調整で筋力が向上するとのデータも存在する。

 

まとめると、筋トレの目的は、トレーニングを通じて、筋の収縮力を上げることにある。

 

  • トレーニングは手段であって目的ではない

 

前述にように、筋トレの目的はあくまでも、筋力の強化が目的であるが、スポーツでのトレーニングの最終的な目的は、競技パフォーマンスの向上である。

 

前述した筋力強化にフォーカスしてトレーニングを設定する場合と競技パフォーマンス向上のため、一つの手段として筋トレ実施する場合では、意味が異なる。

 

実際に、競技パフォーマンス向上のために、どのようにトレーニングを処方するのか?

 

競技パフォーマンス向上には、競技そのものの練習のほかにも、運動学習をベースとした身体操作系のトレーニングがある。

俗にいう動きのトレーニングである。

 

このトレーニングは、競技の動作分析に基づいて、必要な運動の要素を抽出したものである。

さらに、この身体操作を細分化した先に、身体操作を構成する要素として、組織の柔軟性や筋の収縮力といった身体機能が存在する。

 

筋トレは、この身体操作を構成する一つの要素である筋力を強化するトレーニングであるべきである。

 

つまり、単純に〇〇筋を鍛えるという単に、筋力向上のための筋トレなのか、身体操作の要素として、動きとの関連性を考慮した筋トレなのかによって意味が異なる。

 

筋力トレーニングVS身体操作系トレーニング。優秀なのはどっちだ!??

にあるように、それぞれの分析はトレーニング処方において必須となる。

 

1:競技パフォーマンスの分析

↑↓

2:身体操作の分析など

↑↓

3:身体機能(筋力、可動域…の分析

 

  • 全てはパフォーマンスアップのために

前述したように、筋力トレーニングは、筋収縮力という要素の強化である。

 

そのため、筋力がどのように競技パフォーマンスに影響を与え、どういった動きに必要となるかを考慮しない場合、特異性の原則にあるように、トレーニングがマイナスに作用する場合がある。

 

当然ながら、目的としたパフォーマンスを考慮したトレーニングができなければ、競技へ筋力トレーニングがどう影響するのか、メリット、デメリットを考えられない。

 

しかし、競技パフォーマンスのキーポイントを考慮し、本来の目的である高めたい競技パフォーマンスを分析した上で、筋力がどのように影響するのかを考慮していれば、筋トレ自体に問題はないはずである。

 

筋トレは、パフォーマンス向上には必要なトレーニングの1つの要素だと考える。

 

*個々の評価は前提として必須なのは言うまでもない。

 

  • 最後に

筋力トレーニングは、高めたい競技パフォーマンスを詳細に分析し、筋が動作にどのような影響を与えるか考慮した上で、実施すべきである。

 

メディカルリハビリテーションの段階から競技動作をイメージし、筋力トレーニングを処方することが、マイナス要素を最小限にし、トレーニング効果を最大化できる方法である。

 

また筋トレには、筋力向上と言う要素のみでなく、障害予防としての寄与も大きい。

 

筋トレ実施での負荷が、関節や筋、腱など筋骨格系にポジティブな効果を与えることは立証されている。

 

筋力トレーニング、身体操作系トレーニングのみにも限界があることを理解し、競技パフォーマンス向上のために、トレーニングの選択肢を広げていくことも必要である。

 

1つ1つのトレーニングが目の前の選手のパフォーマンスにどんな影響を与えるのか?

 

どんなメリットやデメリットがあるか?

 

を考え、トレーニングプログラムを計画、実施する必要がある。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

JARTA公式HP

https://jarta.jp