「チーム」は「生き物」だから

文:真木伸一

 

トレーナーとして選手と関わり、選手を良い方向へ導く。

始めた動機は人によって様々ですが、スポーツに関わるトレーナーの全ての目的は、ここに集約されると思います。

 

そのために多くの準備をして、学び、実践する。

つまり、選手やチームを「良い方向へ」導くために学んでいるわけです。

 

多くのことを学び、知識を得た。

トレーニングを知り、還元できる自信もある。

トレーナーとして自分が得た知識は、多くのトレーナーと比べても引けをとらない。

そんな自負があるとして、あなたはチームにおいて有益な人間となりえますか。

 

 

資格の有無にかかわらず、「スポーツトレーナー」としての活動は、

  • ・パーソナルトレーナー(基本的に個人対個人でコンディショニング指導にあたる)
  • ・チームトレーナー(チームに属して所属選手の外傷管理、コンディショニング、障害予防にあたる)

という2種類の関わりに大別されると思います。

 

当然といえば当然ですが、1と2では求められる能力が根本的に異なります。

 

今回は、その「違い」についてスポーツ現場での活動を志すなら知っておきたい大切なことを一つ、お伝えしたいと思います。

 

パーソナルトレーナーに必要とされる能力は、前提となるトレーニング・栄養・休養に関する情報収集能力(知識)、指導能力、プレゼン能力のというように、目の前の選手を変えていくことに即必要なことが多いと言えます。

 

他方、パーソナルトレーナーとして磨いたこれらの能力を持って現場に帯同するチームトレーナーとしての役割を果たそうとすると、求められる結果を残せない事態に陥ります。

 

そこには、『チーム』である、という決定的な違いがあるからです。

 

『チーム』は「達成すべき」「共通の目的」を持った複数の人が集まり、成り立っています。

 

つまり、その中で求められる能力は、組織の中で与えられた役割を「まっとうする」能力です。

 

そして、与えられた役割をまっとうするために必要な概念が、「Management」です。

 

・現在チームが置かれている状況
・スタッフ、選手の数
・競技レベル
・後方支援組織(病院や医師)
・物品の充実度
・予算の有無
・OB会の関わり、父兄の参画

などなど、数え上げればきりがない前提条件の中で意志決定し、方向性を示唆せねばなりません。

 

現場に入ったら、その現場の状況に応じて最適な環境を創造し、選手、スタッフが円滑に目標に向かえるよう、サポートするのがトレーナーの役割となります。

 

パーソナルトレーナーに必要とされていた細かい知識やプレゼン能力は、身につけておくべき当然の能力ですが、それ以上に、現場を回す「マネジメント力」が大きな比重を占めるわけです。

 

スポーツ現場における「トレーナー」に求められる能力は、本当に多岐に渡ります。

 

リハビリテーション、外傷予防から、テーピング、救急処置、ドーピングコントロール、コンディション管理など、これら全てのことに「責任」を持たねばなりません。

 

トレーニングに対する知識、栄養に関する知識、テーピングの技術、こういった目の前のことに対する知識のみをおさえていても、現場で有益なスタッフにはなり得ません。

 

 

時には雑用を、時には水汲みを、時には発注業務を、全力でこなさねばなりません。

 

 

これらは全て、「チーム」という「生き物」が有機的に循環していくために必要なことです。

 

こうしたマネジメント能力は、いざ明日から現場に出るとなった時、教科書を開いて載っているものではありません。

 

ですが、どこにいても身につけていくことができる能力でもあります。

つまり、自らの意識次第で変えていける能力ということができます。

今いる組織で、必要とされる働きができていますか。

今いる組織で、「変えの効かない」人材になれていますか。

 

『チーム』という組織で「生きていく」なら、「求められる役割」に自ら気づき、「まっとうできる」下地を養いましょう。

 

JARTAでは、選手にとって有益な人材を育成するのみならず、スポーツチームにおけるトレーナーのあるべき姿もお伝えしていきます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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