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2018年10月21日
現場で結果を出すために~経絡と内臓の観点~
先日格闘技選手の試合帯同サポートを行った際に選手からこんな相談がありました。
「減量後のリカバリーで水を飲みすぎてしまい、動くとお腹が痛むのですが」
皆さんならどう対処していきますか?
関東で活動しております、JARTA認定スポーツトレーナーの萩潤也です。
状況を簡単に説明します、
・減量約10kg
・試合当日朝計量がありクリア
・試合は15時過ぎの予定
・12時頃に選手と合流し、アップで動いた後に上記相談あり
・左下腹部痛
という流れです。
今回私は筋骨格系のみならず内臓・経絡の概念を用いてアプローチすることで対応することができました。
その時のことをお話ししていきたいと思います。
<考えられる原因>
減量では段々と摂取する食事や水分を減らしていくため、基本的に消化器系の機能が一時的に低下している状態になりやすいです。
ですが試合までの時間で水分・食事を摂取し、減らした体重を戻すことは運動に必要なエネルギーの面や純粋な身体の質量で有利になります。
プロの試合だと基本は前日計量なので約1日リカバリーに費やすことができ、ドリンク、ゼリー、おかゆ、うどん、ご飯などといったように液体から段々固形物に変えていくことが多いです。
今回のケースは当日朝計量だったためリカバリーに費やせる時間が少なく、短時間で試合で動ける身体を作らないといけない状況でした。
そのため考えられる大きな原因は
・水分や食事により消化器系(胃・小腸・大腸)に負担がかかっていること
(ちなみに減量期は食事自体や水分量が低くなくなるため、コロコロした硬い便が大腸に残っていることが多い。)
・試合前の緊張などで交感神経優位になり、胸郭(特に横隔膜など)が硬くなっていること
であると考えられます。
JARTAのブログで谷口トレーナーが書いたブログ、
→ランニング時の脇腹痛(side stich)の原因と対処法
こちらに部位ごとや共通して重要な痛みのメカニズムと対処法が書いてありますのでぜひご参照下さい。
実際に身体を評価すると、胸郭や腹部は硬さとして現れていました。
<筋骨格系と併せて使う経絡(内臓)の概念>
私は胸郭(脊柱、肋骨、胸骨、横隔膜)と、腹部(腹膜、胃、小腸、大腸)の直接的なアプローチを行う前に、経絡の概念を用いてアプローチしました。
経絡は東洋医学の概念ですが、西洋医学にも通ずるものが非常に多く近年ではエビデンス自体も証明されつつあります。
なによりも臓器と身体(わかりやすくいうと筋膜など)の繋がりを考察・アプローチする際に有効です。
実際に大腸・小腸・胃に対する簡単な経絡調整を行い、その後緊張が緩和した状態で直接的な腹部アプローチへと移りました。
施術としての時間終了後は少しの時間自分でも行える方法、トイレに行きたくなるようならなるべく行くように伝えました。
その後に行った試合では特に症状は問題なく、動きのキレもあり見事KO勝ちをすることができました。
<手段に囚われない>
根拠があるというのは当たり前ですが大事なことです。
ですが現場レベルではそれだけで対応できない場面に遭遇することは珍しくありません。
当たり前として知っている上で、今この瞬間に目の前の選手にどうやったら対応でき結果を出すことができるか。それが現場では求められます。
今回の経絡の概念は「OMMS」としてJARTAアドバンス2にて習得することができます。
経絡を用いたアプローチ方法を学びスキルアップしたい方、ぜひお待ちしております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
JARTA公式HP
https://jarta.jp