ランニング中に起こる脇腹痛<side stitch>の原因と対処法

 

気持ちよく走っている最中また、レースに出ている時に急激に襲ってくる脇腹の痛み

この痛みこそ無ければ・・・と思うことありますか?

 

今回はランニング中における脇腹痛に対する原因とその対処法をお伝えします。

 

関西認定スポーツトレーナーの谷口祐樹です。

脇腹への差し込む痛みを総称して『side stitch』と呼ばれており、

その症状原因は何パターンかに分かれています。

その対処法が分かれば適切に対応する事ができ、またすべての痛みにあるひとつの部位が関係している事が見えてきます。

 

まずは

1、痛みが生じる部位に対する原因と対策

2、レースなど普段と状況が違う場面におこる原因について説明します。

 

【痛む部位は4種類に分けることが出来る】

 

1、上腹部中央の痛み

この部位は胃が関係する痛みが多く、食後などランニングで胃が揺れる事で痛みが生じます。

その為、運動前1~2時間は食事摂取量を控え消化に良いものを選び胃の負担を軽減する必要があります。

 

2、下腹部の痛み

この部位には大腸が存在し左下腹部などは大腸のもっとも肛門側であり便秘や下痢など便意を感じる際に痛みを生じる部位となる為便通を整える事も課題となってきます。

 

上記2点は食事などあらかじめ運動前に気をつける事で対処できside stitchの70%は食後一時間以内に運動を開始した時に生じるとされています。

 

今回お伝えしたいのは、食事は軽めにすませ胃の負担が出来るだけかからないような状況にあるにもかかわらず、生じる痛みに対してです。

 

その痛みに対して原因を追究し対処することができればトレーナーとして強みにもなります。

その残りの部位の2点が以下となります。

 

3、左脇腹の痛み

左脇腹には横隔膜と膜組織で結合されている脾臓と大腸の脾湾曲部と呼ばれる部分があります。

脾臓の働きとしては血液を一時的に貯蔵しているスポンジのような臓器であり、運動すると脾臓中の血液が一斉に体内に送り出されて一時的な虚血となり、脇腹の痛みとして感じることがあります。

また、大腸にガスや便が溜まっている事で刺激となり突然痛みが出たりします。

 

4、右脇腹の痛み

右脇腹には肝臓という大きな臓器があります。ランニング中に重い肝臓が大きく揺れることで膜組織でつながりのある横隔膜が引っ張られ痛みが生じます。

 

【キーワードは横隔膜】

 

上記4箇所の痛む部位の原因に対して説明を行ってきましたが、ここでキーワードになるのが横隔膜です。すべての部位が横隔膜と隣接し横隔膜の影響を受けています。

 

何らかの影響で横隔膜の伸張性が乏しくまた硬くなることで痛みが生じているのです。横隔膜をゆるめ柔軟性を有することが痛みの軽減または対処に繫がってきます。

 

では、なぜ横隔膜が硬くなるのか?

この原因に対しても考えてみたいと思います。

 

1、心理的要因

レースに出場する際には、やはりいつもよりも身体が緊張状態となります。

身体が緊張状態となると自律神経的観点から胸椎に硬さが生じ胸椎が硬くなる事で肋骨が硬くなり相対的に胸郭そのものの動きが乏しくなってしまいます。

 

その結果、胸郭の動きが出にくい事で横隔膜が硬くなる原因になってしまいます。

また肝臓は交感神経の支配を受けているため心理的要因によりストレスを感じる事で肝臓自体が硬くなることもあり、その影響も横隔膜は受けることになってしまいます。

 

2、身体的要因

身体的には2つ考えられる事があります。

レースやインターバルトレーニングなど、スピードを出せば出すほど臓器は揺れるため普段よりも横隔膜が伸張される事により痛みが生じる可能性があります。

また、スピードの高い練習を行った後などもリカバリーが不十分であり普段のスピードでも痛みが生じる事も考えられます。

 

最後に体幹トレーニングを過度に行う事による弊害です。

体幹トレーニングのなかでも一般的なシットアップやプランクなどのスタビライゼーショントレーニングを行い身体を固めるトレーニングばかりおこなうと、腹直筋・横隔膜・肋骨の柔軟性が乏しくなり結果として胸郭の動きの制限につながり脇腹痛<side stitch>が生じやすい要素が揃ってしまう事になるのです。

 

【横隔膜を緩め働きやすい状態にするワーク】

 

脇腹痛(side stitch)を改善するには横隔膜がポイントになるのはご理解いただけたとおもいます。

そこで今回は2つ横隔膜を緩め働きやすい状態にするワークをお伝えしたいと思います。

横隔膜が緩まる事で筋連結がある大腰筋も結果として働きやすい状態となりハイパフォーマンスにつながります。

 

1、肋骨ほぐし

同側の手掌で肋骨の硬いところ探し、手を当て内側へ押し込んだ状態で上肢の円運動を行い肋骨をほぐし柔らかさをだしていきます。

また、内側に押し込んだ状態で保持し深呼吸を行う事も有効です。

肋骨の柔軟性が向上することで横隔膜を間接的に緩める事ができます。

また、肋骨の動きが改善すると緩衝能力も向上し怪我を大幅に減らすことが出来ます。

 

 

2、腹式呼吸+最大吸気後さらに腹圧をかけお腹を突き出す

 

横隔膜を働かせる呼吸といえば腹式呼吸です。

しかし、横隔膜自体がすでに硬くなっている事が多いのでまずは、呼気に合わせて指を肋骨の内側にいれて横隔膜を直接ほぐしていきます。

 

また、呼吸時には横隔膜の動きをイメージしながらおこなうと横隔膜を緩めるのに非常に有効です。

横隔膜は呼気時には上方向に動きお腹は凹んでいきます。

吸気時には横隔膜は下に押し下げられお腹は膨らんでいきます。

最大吸気後、横隔膜を押し下げた状態で呼吸を止め、努力的にさらに腹圧をかけお腹を膨らませることより内側からの力で腹直筋や腹膜を伸張させる事が可能となり、さらに横隔膜に対して刺激を与える事ができ体幹の筋の柔軟性向上が期待できます。

 

【まとめ】

ランニング中におこる脇腹痛(side stitch)の原因と改善方法についてお伝えしました。

脇腹痛(side stitch)の原因は横隔膜であり、様々な理由により硬くなる事が理解できたと思います。

今回お伝えした2つのワークをトレーニング前や普段のコンディショニングとしてセルフトレーニングとして行っていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました

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