NEWS(最新情報)
2019年01月13日
~球際で勝つために必要なもの~
【1対1の局面で勝てない】
サッカー前日本代表監督ハリルホジッチ監督は「デュエル」という表現を会見やインタビューで多用し、その言葉を日本サッカー界に根付かせました。
ルーズボールの競り合いだけでなく、1対1のボールの奪い合い、相手のボールを奪う、マイボールに相手が激しく来ても取られないフィジカルコンタクトの強さ。
こういったものを「デュエル」といいます。
そしてデュエルという単語を浸透させることによりフィジカルコンタクトの重要性を広めていきたいという狙いもありました。
結果的にワールドカップ直前にハリルホジッチ監督は解任されました。
その要因は、日本が目指す強化方針とのギャップがあったことも1つでしょう。
現在日本サッカー協会が打ち出している育成方針は
「Japan’s Way」
足りないものは高める努力をしつつ、
・技術力
・俊敏性
・組織力
・勤勉性
・粘り強さ
などの日本人のストロングポイントをさらに伸ばしていけるような育成を目指しています。
日本サッカー協会;http://www.jfa.jp/youth_development/outline/
このような育成方針を出していることからも、筋力的な側面を高めることだけでは世界との差は埋められないという考えがあるということです。
【フィジカルが弱い】
これまで日本人は
「フィジカルが弱い」、「球際で勝てない」とされてきました。
そしてこの「フィジカルが弱い」と「球際で勝てない」は同じように扱われてきました。
その結果「日本人はフィジカルが弱いから球際で勝てない」
このように解釈している方も多いのではないでしょうか。
※ここでいうフィジカルは筋力、パワーと定義。
当然球際で勝つためには体格、筋力も勝つ要素に含まれるでしょう。
しかし世界では小柄でも1対1の勝率が高い選手はたくさんいます。
ではその違いは何なのでしょうか。
球際、デュエルを身体的なパワーとパワーの力比べと定義してしまうと結局筋力が強い選手が勝ってしまう構図になります。
【球際で勝つための方法は1つだけではない】
そもそも球際で勝つとはボールをマイボールにすることであり、そこに至る手段はファールを犯さなければ自由です。
では筋力や体格で劣る選手がどのようにして勝つのか。
それは「ボールと相手の間に自分の体がある状態をいかに早く作ってしまえるか」
相手と横並びではなく縦関係の状況を作れることができれば相手は力を発揮しづらい状況となります。
ではどのようにしてその状況を作り出すか。
そのヒントが上半身の身体操作にあります。
【面を作る】
現在選手に指導する際、「面を相手に見せる」と言う表現を使用しています。
この面を相手に見せるとは上述したボールと相手の間に自分の体がある状態を作るための身体操作です。
「面を相手に見せる」とは言い換えると「相手に背中を見せる」ということになります。
上肢~体幹の動きの誘導により、相手と両肩が平行の関係ではなく、相手選手の脇の空間を通れるような角度に回旋させます。
この身体操作は攻撃、守備共に相手の前に入るうえで共通項を持った動きになります。
上半身操作により自身が進行方向に進むための空間を生み出し、相手の前に入る準備となります。
またこの回旋動作は回旋側の股関節を内旋、屈曲させ、殿筋/ハムストリングスといったアクセル筋の作用を最大化させる役割とも言えます。
これらの動きは上半身から下半身を連動させ、股関節の加速機能を引き出すうえでも大変重要となります。
ルール上、身体の後方からのチャージは反則となります。
トップ選手の被ファール率が高い一因として、上述のような相手に背中を見せる身体操作がうまいことも挙げられるでしょう。
これらの動きは単一的なものではなく上半身と下半身の動きが連動した状態で発揮され、そのためには現在のサッカートレーニングでは盲点となってきた上半身の身体操作性の向上が必須となります。
「デュエルに勝つ」
そのための方法は戦術が様々あるように1つだけではありません。
その選手の身体的特性や勝つための無数の可能性を引き出せるように。
サッカー上半身セミナーはこちらから
申し込み、詳細に関してはホームページをご参照ください。
https://jarta.jp/j-seminar/soccer/
JARTA公式HP
https://jarta.jp