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2019年12月15日

インターロックポジションとは

文責:赤山僚輔

 
いつもJARTA公式ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
 
今回はこれまでJARTA認定スポーツトレーナーコースでも毎回お伝えしてきて、新しいコンディショニングスキルコースでも引き続き残っているコンテンツである、”インターロックポジション”についてご紹介したいと思います。
 

インターロックポジションとは

症状に対して、局所と全身の関係性を評価する方法論であり、対象者や施術者自身のポジショニングや意識の向け方まで含まれます。
選手の症状は階層的な構造を持っているため、 同じ症状でも常に同じ原因ではなく、必ず複数の原因が影響し合いながら存在します。
つまり問題を解決するためには症状に対する複数の原因の関係性を評価し、それらを基にした施術プランを構築する必要があります。
インターロックポジションはそのような複数の要素と症状の関係性を見出すために生み出された技法です。
 

 

局所のインターロックポジション

ある筋肉の硬さを取ろうとした時に、その筋肉がよりリラックスした状態をその筋肉の付着などから考察しポジショニングを行うことが局所のインターロックポジションとなります。
 
それは単に筋肉の起始と付着を近づけるということも手段としては有効ですし、皮膚や筋膜が過度な張力を発生していない状態を設定するということも重要な要素となります。
その筋肉が関節をまたがっていれば、その関節の緩みの位置に設定するということも筋肉の施術を行いやすくする局所のインターロックポジションとなります。
 

全体のインターロックポジション

前述した局所のインターロックポジションは”インターロックポジション”という言葉を知らなくても操作したり設定している方は多いと思います。
ここからがJARTAでお伝えしているオリジナルの観点になります。
たとえば右の僧帽筋を施術する時に、対象者が上向きに寝ているとします。
その際の両腕の外転角度や、下肢の外転角度、また回旋角度によって僧帽筋の硬さに変化がでることはご存知でしょうか?
腕は影響はイメージしやすいですが、下肢の状態などは意識して評価しないと見過ごしてしまいがちです。
またそのポジショニングについては解剖学的なポジションが一番緩みやすいかというとそういう例ばかりではなく、その人にとっての楽な位置とは左右差があることも十分に考えられます。
 
また腰椎の硬さがみられる事例では、膝を立てるようにポジショニングを設定するだけで僧帽筋の硬さが変化することも多々あります。
そのようにここでいう全体のインターロックポジションとは、施術対象となる部位の硬さが改善する全身のポジショニングを考慮して設定していくことにあります。
またそれをJARTAでは経絡の流れなども考慮してより施術しやすいポジショニングの設定を学んでいきます。
 

 

施術者のインターロックポジション

最後にもうひとつだけ。
局所や全体のインターロックポジションを考慮できたら施術者側のポジショニングについても設定していくことをお勧めします。
たとえばすごく力が入った状態で施術すると相手へ緊張が伝播することは実感としても知識としても整理できている方は多いと思います。
それをもう少し具体的に施術行為に対して深めていくのです。
例えば右のふくらはぎを施術するとして、施術者が右脚で踏ん張りすぎていると対象者のふくらはぎの硬さも取りにくくなるのです。
施術者がどちらに重心が乗っているかも相手に影響を及ぼすということです。
座っている時と立っている時、どちらが相手の身体、特に対象となる部位の緊張が緩まるかを随時検討することも重要なことです。
もっというと施術者自身が硬さがしつこく残っている部位は無意識的に硬さがあるわけなので対象者の硬さを取りにくくもなってしまいます。
 
以前私は胸背部の硬さが気になる選手が多い時期がありました。
この選手も硬い
あの選手も硬い
サポートするチームでも硬い選手が多い。
 
よくよく考えてみると自分自身が根強い硬さが残る部位であったのです。
自分の硬さが残存する部位は自身に対して適切にセルフケア、ストレッチがなされていない部位とも言えます。
自分自身の硬さをセルフメンテナンス出来ないということは、対象者へ硬さを取る為の有効な手法を伝えられないということにも繋がります。
 
今は、私自身は特に自分自身のセルフメンテナンスが行いにくい部位はないので、偏って硬さかが気になるクライアントが続くこともありません。
常に施術者側のインターロックポジションを留意することは自分自身の硬さに対しても向き合うことになりよりよい状態でコンディショニングをするスポーツトレーナーの準備としては非常に有用であると考えています。
まずは上記のインターロックポジションを実戦でも考慮していただき、詳細を学びたい方は新しくなったコンディショニングスキルセミナーへのご参加をお勧めいたします。

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長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
 

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