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2017年04月30日

足首の緩さはエクササイズ前に解決しよう!!

捻挫後のリハビリや障害予防を目的とした様々なエクササイズやトレーニングを指導する際に、そのエクササイズを実施する事によって余計に怪我をしやすくなってしまう事は皆様ご存知でしょうか?


いつもJARTA公式ブログをご覧いただきありがとうございます。
四国はうどん県で活動しております、統括部長の赤山僚輔です。
 
私はこれまで、バスケットの現場や医療機関でACLや捻挫の選手に対応する事が多く、様々な予防トレーニングやバランスエクササイズを指導してきました。
リハビリ室でのトレーニングフォームが綺麗になっても、バランス系のツールを使用したエクササイズを反復しても繰り返しの捻挫を防げなかったり、不安定に不安を感じる選手を救う事ができませんでした。
 
今考えれば当たり前なのですが、局所に機能障害が明らかに残っている状態でのトレーニングやバランスエクササイズはJARTAでお伝えしている『マイナスの学習』以外の何物でもなかったのです。
 

バランスエクササイズがマイナスの学習になる構造とは?

捻挫後の状態でいくら疼痛や腫脹がないからといって、踵の傾きがある状態でバランスエクササイズを実施するとどうなるでしょうか?

少なくとも上記のような足で私はバランスエクササイズは指導しません。
 
そのような状態では、選手はその傾きがある前提で無意識でエクササイズをするため、荷重が外側に変位したり、踵の傾きを自身で代償的に是正する為に腓骨筋の過活動な状況となってしまいます。
仮に腓骨筋の過活動も外側荷重もないように、上手く誘導、ティーチングした場合には相対的にひざ関節が足関節に対して内側に位置したり、下腿の外旋によって代償する場合が多くみられます。
 
腓骨筋の過活動や外側荷重で受傷が誘発されることは言うまでもありませんが、荷重が外側でなく腓骨筋の過活動でない状況であっても前述したような身体環境ではハイパフォーマンスが実現できないだけでなくACL損傷などの二次的な外傷の要因になってしまうのです。
 

不安定なのはバランスが悪いから!?

私もかつては、捻挫やACL術後の選手に対して片脚バランスが悪いからと様々なツールを使用しエクササイズを実施していました。
選手に対して、
「バランスが悪いよ、バランスが悪いからまたフラフラして捻挫したり膝を捻ってしまうんだよ!!」
そのように何度も指導していました。
恥ずかしい限りです。
そのように指導した選手の中で何人も再受傷しておりこの場を借りて謝りたい気分です。
ただ、だからこそ自分の指導の盲点に気づき現在のこのような視点や活動に繋がっているので本当に感謝です。
今、出会う選手には抽象的なバランス機能が原因と簡単に帰結することなく、バランス機能を低下させている要素に対して適切に評価し、施術やケアを指導しております。
 
少なくとも距骨の傾きや踵骨の傾きを改善し、意識しなくてもよいフォームでエクササイズが実施できる身体環境を整えてから実施してもらっています。
 
最初に不安定性や不安感を訴える選手でも、局所の機能を改善することにより、力が入りやすくなったり、バランスが取りやすくなる事が圧倒的に多いです。
もちろん構造的な不安定性があり、仕方なくテーピングやサポーター等の補助具を使用することは致し方ないと考えています。
 
しかしこれまでワークアウト等で指導している中でも、局所は問題なく、不安定性や症状の原因を局所以外の全体の原因と考えたり、不安定性をまだ改善すべき局所の問題を残しておきながら構造的な問題に原因を帰結するセラピストが多くおられました。
 
きっとそういった場合には選手に対して、局所の機能障害を残したまま『マイナスの学習』となるリスクを抱えながらのトレーニングやバランスエクササイズを実施しているのではないかと危惧しています。
 

上記写真は不安定性を訴える小学生のバレエ選手です。
1枚目の写真で右足の踵骨の傾きがあったのものが、上記写真では減少してるいるのがわかると思います。
今回は2回目の介入なので、1枚目の写真も改善傾向にあったのですが、施術後さらにアライメントに改善がみられました。
細かいのですが、写真でわかるように初期ではやや下腿外旋傾向にあったのも、踵骨の傾きを関係主義的に改善していく過程で2枚目には改善しています。
初回の介入後にバレエ時の不安定性はなくなっていましたが、本日はより根本的な局所の問題に対してケア方法を指導し介入終了となりました。
もちろんバランスエクササイズは指導していません。
施術、セルフケア指導後にはバレエ動作での不安定性の訴えがなくなったからです。
バレエのレッスン内容自体にたくさんバランスエクササイズの要素があるという側面もありますが。
 
彼女は足首が不安定で上手くバレエが踊れない為、8年近くしている競技を辞めようか悩んでいたそうです。
今は楽しくバレエが出来る為すごく楽しいと言ってくれました。
 
 
あえて、厳しい表現を使わせてもらいます。
 
局所の機能障害を明らかに残したままでの、バランスエクササイズは。
『バランス崩すエクササイズであり再受傷トレーニングです!!』(再受傷予防ではない)
 
是非このブログをお読みの皆様は、再受傷トレーニングをせず、選手のパフォーマンスアップに関わって頂ければと心から願っております。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
新しくなった疾患別のセミナーでは局所の評価やアプローチ方法、セルフケア方法について動画撮影可能な状態でお伝えしております。
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