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2019年08月07日

トレーニングには2つの時間が必要

文:岡元祐樹

 
 
「言われた通りやっているけど効果がわからない」
 
トレーニングを継続していく過程でこう思ったことはありませんか?
 
そんな時は2つの時間が必要だと考えてみて下さい。
 
1つは短期的な時間、もう1つは長期的な時間のことです。
 
論理的にも自分に合っているトレーニングや効率的だと思えるトレーニングであっても、効果が出てくるには『量』をこなす必要があります。そしてただがむしゃらに量をこなすだけではなく、2つの時間を意識した作戦が重要になってきます。
 
 

短期的な時間と長期的な時間

トレーニングには2つの時間が必要です。その2つの時間とは短期的な時間と長期的な時間です。
 
それぞれ説明していきます。
 
短期的な時間とは「1日の中のトレーニング時間」です。
 
この短期的な時間は、1時間や2時間といったある程度まとまった時間のことも含みますが、1分や2分、さらに言うと数十秒といったごく短い時間も含まれます。
 
そういったごく短い時間でできるトレーニングを日常の中でどのように組み込んでいくかがパフォーマンス向上に重要になってきます。
 
トレーニングと言うと、負荷があって辛く苦しいものというイメージを持っている選手もいると思います。
 
しかしここで述べるトレーニングは短時間で可能なストレッチや身体操作練習も含みます。
 
選手がフィジカルのトレーニングをする目的は、競技での身体の動きを良くすることが中心であるはずです。課題となるトレーニング、もしくはそのトレーニングの前段階にあたるトレーニングは高頻度で行われた方が、実際の競技においてスムーズに動けるようになるはずです。
 
具体例として筆者が『立甲』を習得するまでのトレーニングを挙げます。
 
筆者はJARTAトレーニングの立甲ができるようになるまで5ヵ月という長い時間が必要でした。
 
少し専門的な用語になりますが、立甲ができるようになるためには
 

  • 肩甲骨の下制方向への可動域
  • 肩関節外旋からの肩甲骨外転下制運動

 
が必要でした。
 
この2点のトレーニングを隙間時間に行うようにしました。
特に有効に使ったのはテレビを観ている時間です。
両トレーニングともテレビを観ながらでも可能であったため、ストレスなく量を重ねることができました。
初めて立甲ができるようになったのもテレビを観ていた時です。
 
このように短い時間を利用してトレーニングを行うことは可能です。時にはトレーニングを細分化したり、前段階のトレーニングに変えたりすることで量を確保するのです。
 

 
 
次に長期的な時間についてです。
 
ここで言う長期的な時間とは『期間』という言葉が本当は適切かもしれません。すなわち効果を感じ取れるようになるまでの期間のことです。
 
この時間は人によって個人差があります。1ヶ月や2ヶ月、あるいは筆者の立甲のようにもう少し時間がかかるかもしれません。
 
そういった長期的な時間が必要であると認識して、トレーニングを継続する工夫が必要になってきます。
 
・どうすれば飽きずにトレーニングを継続できるか?
 
・どのように休養をとるのか?
 
・食事はどうすればいいのか?
 
といった長期的な継続を支える要素も必要になってきます。
この長期的な作戦が立てられないと、トレーニングは気合いと根性で積み重ねなければならなくなります。
モチベーションが低下せずに保たれれば問題ありはませんが、消耗してトレーニング自体が嫌になってしまう可能性もあります。
 
そうなるとトレーニングをする習慣は自然消滅してしまい、やってみたけど効果が無かったという判断になってしまいます。
 

 
 

作戦が必要だ

こう書き進めていくと、トレーニングは何をやるか?ということが大事ではありますが、どのような作戦を立てるか?ということも大事だとわかります。
 
どうやってトレーニング量を確保するのか?どうやって長期的にトレーニングを継続するのか?といった作戦です。
 
とにかく毎日身体を追い込むようなトレーニングをしていても、やがて疲労が蓄積し、パフォーマンスを低下させる可能性があります。
 
また長期的なゴールばかり見据えていると、今日やらなければならないことがボヤけてしまいます。
 
これはトレーニングに限らず、勉強や仕事にも当てはまる視点です。
 
悲劇なのは、選手自身がそのことに気付いていない状態に陥ることです。選手自身や指導者はそのことに留意し、作戦を臨機応変に立案する能力も鍛えなければなりません。
 
 

競技に没頭しているか?

ここまで述べてきた通り、トレーニングには2つの時間が必要です。トレーニングを行う時間と、その効果が出てくるまでの時間です。
 
トレーニングというものは、速効性や効率化を求めることも部分的には可能です。
 
しかし基本的には短期的にも長期的にも『量』を確保する必要があります。しつこいようですが、今回の記事で伝えたかったのはこの事です。
 
トレーニングによって筋力が向上したり、身体操作のコツをつかんだり、結果を出せるようになるには個人差があります。よってトレーニングは他者との比較ではなく、己との戦いになってくる側面があります。
 
そういったトレーニングを地道に継続するには、その競技にどれほど『没頭できているか?』が問われます。その競技が好きで、結果を出したいという気持ちが根底に必要です。
 
『トレーニングには2つの時間が必要』というタイトルで書き進めてきましたが、本当に大切な時間は『好きなことに没頭できる時間』かもしれません。
 
真剣に競技に向き合える時間は短いです。そんな没頭できる時間を本当に大切にしてほしいと想います。そしてそんな選手を影ながら支えたいと想っています。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 

JARTA公式HP
https://jarta.jp