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2019年04月29日

スプリンターに必要な2つの足とは??

 

文:谷口祐樹

 
もっと足が速くなりたい。
 
皆さん一度はそのように思った事はありませんか?
 
様々なスポーツの中で速く走れる事は確実にアドバンテージになります。
最近では陸上競技出身のコーチをスプリントコーチとして招くチームや選手が数多く出てきておりますが、各競技において必要な「速く走る」という事は言葉が同じであってもその中に含まれている「身体構造及び機能」は異なっています。
 
今回はわかりやすいようにスプリンターを例にして速く走る為に必要な下半身の構造及び機能について考えていきましょう。
 

速く走るとは??

 
確かに、スポーツの中で速く走れる事は確実にアドバンテージになります。
しかし単純に速く走れるだけではパフォーマンスに直結しないと皆さまの実感や体験としてお分かりだと思います。
 
速く走る為の要素は「ピッチ×ストライド」で表す事が出来ます。
 
誰よりも速く足が回転し、誰よりも歩幅を大きく走る事が出来ればいいわけです。
しかし、競技や状況によって求められる機能が大きく異なります。
 
サッカーの場合、求められる「速く走るとは」単純に考えるとピッチを向上させていくほうが競技にとって有利に働きます。
ドリブルやボールコントロール時に足を速く捌く必要がありますし、急激なストップ&ゴールが求められ上半身の動きも状況に応じて使い分ける必要があるからです。
 
では単純にスピードが求められるスプリンターではどうでしょうか?
 

スプリンターに必要な2つの足とは??

 
スプリンターにおいても単純にピッチ×ストライドを高めていけば良いわけではありません。
各フェーズに対して必要な身体機能が異なり、それぞれ適応するためには「2つの足」が必要となります。
 
スプリント種目は疾走速度の変化をもとにフェーズを分けると3つに分けられます。
その3つとは以下となります。
 
1、加速局面
2、最大疾走局面
3、減速局面
 
この3つの局面に対してパフォーマンスアップを検討していく必要があります。
では、それぞれ必要とされる構造及び機能を見ていきましょう。
 
スタートの加速局面は「柔らかい足」という一つ目の足の機能が必要です。
 

 
運動量の変化は、加える力が大きければ大きいほど、また力を加えている時間が長ければ長いほど大きくなります。
そのため、地面との接地時間が長く保てるような足首の背屈及び股関節伸展の可動域、さらに体幹が前傾しても姿勢を保てる体幹筋力などの身体機能が必要です。
 
次に最大疾走局面において必要な能力としては「加速で得たスピードを長く保つ能力」です。
人間は、いつまでも加速し続けることは出来ません。自分が出せるトップスピードに達すると、それ以上速度を上げることは出来なります。
 
この時の状態を物理的に説明すると、地面からの推進力は受けておらず慣性の法則により前に進み続けている状態といえます。
地面に足を着いた時のブレーキと地面を押して前方へ進む為の加速力がちょうどつりあった状態であるともいえます。
 
その際にはスピードが上がるにつれて、地面との接地時間が短くなり短い時間で大きな力を発揮するような機能が必要となってきます。
 
つまりトップスピードに近づくにつれて足首を硬めて、身体が一本の棒のようになる状態。
そして地面から反発をもらい弾性エネルギーを得る為の「硬い足」という二つ目の足が必要になってくるのです。
 

まとめ

スプリント種目という競技でさえ、走る局面において様々な身体機能及び構造が必要です。
ランナーは筋肉の硬さや関節の動きで脚の硬さを調整し、短時間での加速やトップスピードを維持しやすい状態、つまり「柔らかい足」と「硬い足」という脚の機能を有することが必要なのです。
 
みなさんが携わったり、プレーしている競技において「速く走る」とはどういう事でしょうか?
一度頭で整理してみてください。
そうすると「速く走る」為のトレーニングにおいてどういうものを選択すれば良いかが、みえてくるはずです。
 
もしお困りでしたらJARTAトレーニングサポートをご利用ください。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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