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2018年07月18日

ハンカチ1つで身体の連動性を自動的に引き出す方法

「○○を意識する」
「○○のような感覚で」
 
競技のスキルやフィジカルトレーニングなどでは自分の身体内に意識を向けたり、または指導者が指示することがあるかと思います。
 
しかし対象がまだ小中学生であったり、身体の前提条件(mobilityやsensory)が整っていない場合では言語的な説明をしても思った通りに身体を上手く動かせないというような経験はあるのではないでしょうか。
 
関東で活動しております認定スポーツトレーナーの萩 潤也です。

上記のような場合にハンカチ1つで身体の動きを引き出すことができます。
外的な物体を動きの中心におく、つまり外的認識力を利用して身体の動きを引き出していくという考えと実際のトレーニング方法をご紹介したいと思います。
 

 

<外的認識力を利用する>

 
JARTAコンセプトの1つである統合化トレーニング理論において、パフォーマンスを構成する要素の1つに認識力というものがあります。
また、認識力は内的認識力と外的認識力の2つに分類することができます。
 

 
内的認識力
自分自身の身体の状態を認識する能力
例)脇を意識する、腰が反っている感覚、腕の重みを感じる、重心が踵よりだ
 
外的認識力
自分自身の身体以外の状態を認識する能力
例)地面の固さや凹凸、バットやラケットなどの道具の重さや重心位置、相手チームや味方チームの位置、天候、音
 
内的認識力は身体の中の状態を把握する能力ですが、はじめにお話しした通り元々関節や筋肉が硬くなっていたり、その対象がどこにあるのか理解できていない場合は認識しづらいということが起きます。
 
そのような場合に身体の内でなく外(物体など)に意識を向けさせることで、結果的に目的部位を動かさざる得ない状況を設定し、自動的に動きを引き出すことが可能になります。
 
どのようなことか実際に外的認識力を利用した股関節〜体幹部の連鎖的な動きを引き出すトレーニング方法をご紹介します。
 

<ギヤロール>

 
方法
片足裏にハンカチやカードなどを乗せ、落下させないように寝返り(仰向け↔︎うつ伏せ)を行います。
 

 
外的な物体を落とさないように寝返りするためには、結果的に股関節や体幹部の可動性・連動性がないと達成できない。という設定をしたトレーニングです。
また、手の平も床にはつけずに行うことでより中枢部の動きを引き出すことができます。
これにより「股関節を意識して」「背骨を捻るように」など言語的な支持をしなくても自動的に動きを引き出すことができます。
 
実際にやってみるとわかりますが、物体を落とさずこの動きを達成するためにはどう身体を動かせば良いのか。股関節をもっと回旋させてみよう。
上半身をもっと捻ってみよう。などといった内的認識力も自発的に引き起こさせやすいという良循環を促すことができます。
 
ぜひ一度ご自身でもトライしてみて下さい。
(乗せる物を変える、片足→両足にする、手の平はついても良いなど設定によって難易度は変えられます)
 

<終わりに>

いかがでしたでしょうか。
 
今回は外的認識力を用いることで身体の動きを引きだすことができるという話をしました。
外的認識力を用いるメリットは他にも多数あります。
自分自身の身体の状態を認識するためには外的な物体の重さや質感などを感じようとすることで注意や意識が向かせやすくなったり、比較して差異を見いだすことにより結果的に内的認識力を高めていくことができる点です。
また、ちょっとしたゲーム感覚の要素も出すことができます。
 
実際に競技場面では相手や味方の状況やボールなどの道具に対してどのように自分の身体をコントロールしていくか。ということが重要になってきます。
ぜひパフォーマンスやトレーニングにおける思考方法の1つに加えてみてください。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 

JARTA公式HP
http://jarta.jp