効果を倍増させるトレーニングの考え方とは

近年スポーツ業界には競技パフォーマンスアップに向けて様々なトレーニング方法がでています。

・一流アスリートが実践している

・海外で流行中の〇〇トレーニング

・画期的な新メソッド

など様々なメディアや書店などで見かけ、実践することも多いかと思います。

 

しかし、あの有名海外チームが取り入れている、あの一流選手が実践しているというトレーニングと同じことをしても思っていた効果が出てこない。

そんな経験はありませんか?

関東で活動していますJARTA認定スポーツトレーナーの萩潤也です。

 

形や方法だけを真似しても期待できる効果はある一定のものであったり、効果がでているのかわからないということもあると思います。しかしどんなトレーニングにおいても取り組み方を工夫することで今より効果を倍増させることもできるのです。

 

今回はそのために有効となる

  • 目的と課題の明確化
  • アブレスト(並立)能力という概念

の2点についてお話しをしていきたいと思います。

 

<目的と課題の明確化>

トレーナーや指導者は選手のパフォーマンスアップのためにトレーニングを提供することが仕事です。みなさんは提供しているトレーニングを何故行っているのか具体的に説明できますか?

 

はじめにお話しした通り「あの選手が実践してる、海外のチームが取り入れているから」であったり、「スポーツには体幹が重要だ」などという抽象的な理由しかあげられなければまだまだ伸びしろがあります。

 

何故体幹が重要と言われているのか。何故その選手やチームはそのトレーニングを取り入れているのか。競技パフォーマンスや心身における関係性は何なのか。

その具体的な理由を指導する側が分析できていないと形だけの効果にとどまってしまう可能性があります。

 

JARTAではパフォーマンスを以下の図のように、フィジカル・スキル・認識力がそれぞれ関わりあって構成されていると定義しています。

 

 

例えばサーフィンにおいて波の頂上で鋭いトップターンを行うオフザリップというテクニックをもっと大きなアクションで行いたいという目的があるとします。

大きなスプレー(水しぶき)がでるような鋭く力強いターンを行うために、関わっている選手はどこが課題になっているのかを分析してみます。

大まかに説明してみると、

スキル面では前段階となるボトムターンでの重力や遠心力によるスピードが足りていないのか。切り返しのタイミングや操作方法の問題なのか。

 

フィジカル面では切り返しに必要な上半身〜背骨〜骨盤の可動性やRSSC(回旋系伸張反射)が使えているか。土台となる股関節適合性の良いポジションでの安定性が図れているのか。

 

認識面では波の形や割れるスピード、ボードの傾きは把握できているか(外的認識力)。自分の身体重心や軸感覚、力感、上半身と下半身の位置関係などは把握できているか(内的認識力)。

 

などが挙げられます。目的達成のために現在どの部分が課題となっているのかを明確にし、向上のためにこのトレーニングを行う。という繋がりを捉えることで、パフォーマンスに直結するトレーニングを提供することができます。

 

<アブレスト(並立)という概念>

もう一つはアブレスト(並立)能力という概念です。

前述した図でもわかるように、パフォーマンスというのは複数の要素が組み合わさった結果です。バランス、柔軟性、スピード、パワー、認識力、持久力、意識など様々な要素をいかに同時に実現できるかということが重要となってきます。

 

上記のオフザリップの例にて土台となる股関節適合性の良いポジションが課題だと仮定し、達成のために股関節周囲の筋力トレーニングとしてランジを行うとします。

しかしただランジ動作を沢山しても一つの要素を強化したにすぎないため、実際にパフォーマンスアップが期待できる効果は薄い可能性があります。

そのため一つのトレーニングを行うにしても複数の要素を組み合わせて行くことでより競技に直結するトレーニングへと発展させて行くことができます。

ランジ動作においても、

  • 股関節の荷重感覚、基礎的な周囲筋力の獲得を図る
  • ポジションを取ったまま上半身の脱力感や自由な操作性と下半身のバランスを促す
  • 足底面にバランスディスクなどを加えて足部の安定性も同時に促す
  • 時間設定による持久力・集中力や、ランジポジションになるまでのスピードというタスクを増やす
  • 口頭で何か質疑応答や会話をしながらでも無意識レベルで動作が繰り返せるように促す
  • 大会決勝戦、残り30秒で3ポイント負けている状況などと意識のシチュエーションを設定する

 

などと習熟度によって様々な要素を同時に実現できるように課題を設定することで、同じトレーニングでも目的達成のために期待できる効果は倍増させることができます。

 

 

〈まとめ〉

トレーニングの効果を倍増させるためには、

  • 目的と課題の明確化
  • アブレスト(並立)能力という概念

が重要という2点についてお話しをさせていただきました。

 

時間は誰にでも平等に与えられていますが無限ではありません。同じ時間を使うのであればなんとなくやガムシャラに練習するだけでなく、取り組み方を工夫することが重要です。

今よりも短時間で効果的なトレーニングを行うことができれば、残りの時間をまた有効に使うことができます。

その積み重ねがライバル選手やチームと差をつけるようなパフォーマンスを身につけるポイントとなるのではないでしょうか。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

JARTA公式HP

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