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2018年01月04日

フィジカルに対する視点を広げよ

試合の勝敗を分けたのはフィジカルの差だ。
日本人はフィジカルが弱い。
メディアなどでも良く聞かれる言葉でだと思いますが、あなたにとってスポーツに必要な「フィジカル」とはどういうものですか?
関東で活動していますJARTA認定スポーツトレーナーの萩潤也です。


スポーツにおけるフィジカルとは一般的に体格(身長・体重)や筋肉に関わることを指していることが多いと思います。
例えば
・パワーが強い
・スピードが速い
・当たり負けない
・バランスが良い
・見た目が筋骨隆々 など。
しかし競技によってルールや求められる動作が違うため、フィジカルという言葉のみでは抽象度が大きく一概にも定義することは難しいです。
ですが求められるものが競技によって違うにも関わらず、一般的にフィジカルトレーニングといえば身体を鍛える・大きくする・追い込むというイメージのもと行われていることが多いのではないでしょうか。
更にいつしかトレーニング自体が「フィジカルを強くすること」へ転換してしまっては本末転倒です。
そうならないためにはトレーニングを行う前に、「チーム・選手が何故フィジカルを鍛えるのか?」という目的を明確にしておく必要があります。
 

<フィジカルを鍛える目的>

当たり前の事ですがスポーツ競技であれば試合で勝つためです。
そのために、
・球速をアップしたい
・相手に当たられても負けないようにしたい
・着地でブレないように安定したい
・バテない身体を作りたい
など競技動作のパフォーマンスアップが必要になってきます。
そこでどのようなフィジカルが求められるのかは、競技動作自体を分析する必要があります。
以前に具体的な競技動作の分析方法についての記事を書きましたので、こちらも一度ご覧になってみて下さい。
サーフィン「テイクオフ」から考える動作分析の思考方法
競技動作・チームや選手の分析をしていれば、目的達成のためにどのようなフィジカルが必要であるのかということが見えてくるはずです。
 

<フィジカルには質がある>

一つ考えなければならないのは鍛えることができない先天的な体格差(骨格等)が影響する場面です。例えばコンタクトスポーツにおける競合い・当たりなど。
もし体格差がある状態の選手A・Bが同じトレーニングをしていたらなかなか追い抜くことが難しく、たとえ現在のレベルでは通用したとしてもハイレベルなステージに上がれば上がるほど通用しない場面が訪れます。
しかしフィジカルの強さというのは量的な体重や筋肉量だけではないはずです。もう少し視点を広げて見てください。
実際に各競技のトップ選手達を見てみると分かりますが、必ずしも体格に恵まれていなくても素晴らしいプレーで観客を魅了する選手は沢山います。
そこには質的な身体操作能力というものが含まれているからです。
先ほどの競合い・当たりの場面で考えてみますと、必ずしも毎回パワーで勝たなければ試合に負けてしまうということではないはずです。
明らかに自分の方が優位な状況であればパワー勝負をしても良いですし、劣っているのなら相手にパワーを発揮させない身のこなしや、その力を逆に利用することで勝利への活路を見出すことができます。
このように相手や状況によって自身の身体を変化・選択できるようなフィジカルの質を高めることで、体格差があったとしても試合に勝つことができる可能性はグンと広がります。

<終わりに>

前述した通り競技によってルールやスキルなどが違うため、求められるフィジカルも当然違います。
また、競技のレベルが上がるほどに従来の量的なトレーニングだけでは通用しなくなる場面が訪れます。
今よりも高いレベルになるためには視点を広げ、
・何故フィジカルを鍛えるのか?
・どのようなフィジカルが必要なのか?
・そのためにはどのようなトレーニングをしなければならないのか?
ここをしっかりと考えてみて下さい。
質的な身体操作能力においても後天的にトレーニングで伸ばすことができるため、3ヶ月後・半年後・1年後などこれからのパフォーマンスアップに繋がるはずです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
 

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