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2020年07月05日

1人より2人の方が成長できる3つの理由

文:平山鷹也

 
インターネットが普及して無数のトレーニングが簡単に手に入るようになっているが、見よう見まねでトレーニングを行うことは思った以上に難しい。
 
そこでチーム練習以外の時間を使ってパーソナルトレーニングを行う選手たちも増えてきている。
 
しかし自分がお金と時間を使って得た情報を教えることに抵抗があり、チームメイトに共有できていない選手も少なくない。
 
 
そこで今回はそのような選手たちに向けて、トレーニングを最速で身につけ、自分のプレーに結びつけるための方法を紹介する。
 
結論から言うと、「自分が学んだことを出し惜しみせずにチームメイトに共有する」ことである。
 
 
1人でトレーニングをすることで失っているチャンスと弊害について3つの観点から考えてみる。
 
 
1つ目は、アウトプットすることによって学びが深まるという視点から。
 
ラーニングピラミッドという言葉をご存じだろうか。
これは、学んだことが実際にどれくらい自分のものになっているかを学習形式によって分類したものである。

 
最も低いものは「講義を受ける」で5%、そして最も高いものは「他の人に教える」で90%である。
 
この理由はいくつか考えられるが、一つは他者に教えるためには自分だけの理解では不十分で、もう一段階理解を深める必要があるからだろう。
 
そして他者へ教えることは最大のアウトプットであり、自分の記憶にも定着しやすい。
 
例えばJARTAトレーニングの1つでもある、コモドドラゴン。
https://www.instagram.com/p/B9jOJgnhSkJ/?igshid=15ttmx4u7hnld&fbclid=IwAR3wq80m1X4nqMQUFyZYSEnnxfCQJgHtggq_peZgfIWJqsFYlqwgbClZNeA
 
チームへのトレーニングとして用いることもあるが、選手によってすぐに動きを理解できる選手と、なかなかうまくできない選手が必ずいる。
 
そんなときに選手同士でここはこんな感じでやると上手くいくよ、
こんな意識だと上手くいくよ、
といった声かけが自然と出るチームはチーム全体の上達速度も速い。
 
そういった空気を作ることもトレーナーや指導者の役割ではあるが、選手同士でもぜひ意識してみてほしい。
 
 
 
 
2つ目は、教え合うということのメリットについて。
 
教え合うことで選手間でのコミュニケーションが生まれる。
 
あなたも、ポジションやチーム内での立ち位置、友達としての仲の良さなどによって、よく話す相手とあまり話さない相手がいるのではないだろうか。
 
チームスポーツであれば、選手間のコミュニケーションも勝利に関わる大切な要素である。
 
学年やポジションなど関係なくコミュニケーションをとれるようなチームは強い。
 
それがトレーニング、つまり自分たちが上手くなることにフォーカスした会話ならなおさらだ。
 
さらに別の視点では、自分以外の考え方に触れられる機会が増えるとも言える。
 
例えば、自分がコモドドラゴンをするときは背骨の動きを意識すると上手くいったが、他の選手は手をできるだけ遠くに出すようにしたら上手くいったと考えているかもしれない。
 
それらに正解はなく、1つのトレーニングに対して様々な見方ができる方が自分のパフォーマンスとの関係性を考えやすくなる。
 
 
 
そして最後に、知識もプレーも出し惜しみ癖をつけないという話をしたい。
 
これは科学的な話ではなく、私の体感の話になる。
 
例えば自分が知っている知識を誰かに話すとき、いつも少しだけ出し惜しみをしている選手は、いざというときも自分の全力のプレーを出し切れないことがあるように感じる。
 
逆にいつでも自分の知識も技術も出し惜しみなく伝えられる選手は、いざというときでも自分の最高のプレーを出し切っているように思う。
 
いつも自分の知っている範囲や、できるプレーの限界まで出し切ることができる選手は自分の限界に挑戦していることになる。
 
それはつまり、常に自分がどこまで知っているのか、できるのか、
どこから先がわからないのか、できないのかが明確になりやすいということだ。
 
だからこそ、今向き合うべき課題もわかりやすく、どんどん成長していける。
 
 
 
様々な観点から「自分が学んだことをチームメイトに共有する」ということのメリットについて考えてみた。
 
自分が時間やお金をかけて学んだことをチームメイトに共有することに抵抗がある選手もいるかもしれない。
 
しかし実は、教えることで得られるメリットは非常に大きい。
 
自分のために、そしてチームの勝利のためにぜひ切磋琢磨していってほしい。
 
 
 
全ては、パフォーマンスアップのために。
 

JARTA公式HP
https://jarta.jp