リスペクトを次世代にも

文:岡元祐樹

 

 

「他者をリスペクトする」

 

チームメイト、対戦相手、審判などに敬意をもって接する。これはスポーツ界のみならず、一般社会でも大切と言われている心構えだと思います。

 

しかし、スポーツの現場では時折リスペクトを欠いた言動を行う選手やチームを見かけることがあります。

 

「教わっているはずなのになぜこのようなことが起きるのか?」

 

それはリスペクトへの理解が不十分だからかもしれません。

 

リスペクトは他者に与えるだけのものではなく自分自身にもメリットがあるものなのです。

 

なぜ他者をリスペクトすることが大事なのか?

 

筆者が選手やチームに教えられ、そしてJARTAで学んだ『他者をリスペクトすることの意味』を共有したいと思います。

 

 

リスペクトがもたらすメリット

 

リスペクト(respect)とは辞書的には「尊敬・敬意・それを表すこと」という意味で使われます。

 

『リスペクト精神』とも言われるこの姿勢や態度について、我々は世代を問わず教わってきたはずです。

 

筆者が部活動に励んでいた高校生時代には「リスペクト」という言葉はあまり一般的ではなかったと記憶しています。

 

しかし「相手を侮ってはいけない」「審判の判定に文句を言わない」など、言葉は違いますが本質的には同じことを教わっています。

 

ここで、逆説的ではありますが『他者へのリスペクトを欠いた状態』を想像してみましょう。

 

他者へのリスペクトがなくなると、それは態度や言動に現れます。選手が対戦相手のプレーや、審判の判定に文句を言うような場面は皆さんも想像できるはずです。

 

一見、戦う姿勢が全面に出た結果の言動に見えるかもしれませんが、そこには明らかなデメリットがあります。

 

それは『不確定要素にフォーカスしてしまう状態』に陥りやすくなることです。

 

不確定要素というのは、自分ではコントロールできない物事のことを指します。

 

対戦相手はこちらの思うように動いてはくれませんし、審判も自分の思うような判定ばかりしてくれる訳ではありません。

 

その不確定要素に不満を持つことは、結果が伴わなかった際の自分自身への言い訳に繋がります。

 

「相手が卑怯だった」

 

「審判がちゃんとジャッジしてくれなかった」

 

「雨でグラウンドが悪かった」

 

このように自分以外に結果の要因を見出そうとしてしまいます。

 

この状態では、唯一コントロールできる自分自身の『改善点や伸び代』に気付きづらい状態になります。

 

言い換えると選手としての成長が止まるということです。

 

他者へのリスペクトは自分自身に向き合い、成長していくための1つの手段だと言えます。

 

そこまで理解して実践しないと、そのリスペクトは形だけのものになってしまいます。

 

つまり『リスペクトすること』が目的になってしまい、そこから得られるものを見失ってしまうということです。

 

 

リスペクトの大切さを次の世代へ

 

先日、とあるサッカー大会に選手として出場しました。

 

久しぶりのサッカーの試合を楽しみにしていたのですが、そこで『リスペクトを欠いたチーム』と対戦することがありました。

 

そのチームの選手達は敵味方に限らず敬意の感じられない言葉を使い、審判の判定に対して大声で抗議するチームでした。

 

こうなるとスポーツは楽しさがなくなります。勝とうが負けようが心にモヤモヤしたものが残ります。

 

試合後、なぜかジュニア世代の指導のことが脳裏に浮かびました。

 

「子供達がこの試合を観たらどう思うかな?」

 

「こういったチームの選手が子供達を指導することになったらどうなるのかな?」

 

家族連れで試合会場に来ている選手が多かったため、このようなことを思ったのかもしれません。

 

他者へのリスペクトは前述のように自分自身を成長させる上で重要な要素です。

 

加えて、様々な年代やレベルでスポーツを楽しむための土台にもなり得ることに気づきました。

 

スポーツは楽しむことにも重きを置かないと地味で辛い練習に耐えられなかったり、長続きしなくなったりします。

 

次世代が楽しみながら成長していくために、また競技者として長くスポーツを続けるためにも、指導者はリスペクトすることの意味をもう一度認識し、実践する必要があります。

 

特別なスキルは必要ありません。

 

 

他者を尊重し自己研鑽を

 

他者をリスペクトすることは大切です。

 

ただなんとなくそう言われているから大切にするのではなく、自身の成長と次の世代の成長を意識した実践でないと意味がなくなります。

 

筆者はリスペクトの精神についてJARTAで学びましたが、今回選手の立場になった機会にそれをさらに深く認識することができました。

 

スポーツが幅広い年代に愛され、継続されるためには、土台として他者へのリスペクトが必要であると強く感じました。

 

スポーツをする人が、気持ち良くスポーツを継続できるように。

 

また日本のスポーツ界が、他者を尊重し自己研鑽を積む方向に今後も強く進んでいくように願いを込めて。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

JARTA公式HP

https://jarta.jp