教え過ぎの弊害

「サポートしている選手やチームに自分の持っている物をすべて伝える」

 

 

指導者として当然の姿勢に思えるかもしれませんが、実はそのことが選手の成長を妨げることになるかもしれません。

関東で活動するJARTA認定スポーツトレーナー岡元祐樹です。

 

 

今回は高校サッカー部サポートでの自分の悩みと、それを解決するための取り組みについてお話しようと思います。

 

 

自分は月に数回、高校サッカー部のサポートに行きトレーニング指導を行っています。

 

 

その現場での悩みに『パフォーマンスのばらつき』があります。

 

 

同じ期間、同じ練習を行ったのにも関わらず、個人個人でパフォーマンスに差が出てしまうのです。

 

 

パフォーマンスが向上している選手もいるが、思ったように向上していかない選手もいる。

 

 

個人差が出るのはしょうがないことですが、努力している選手にはその分効果が出てほしいと思うのが指導者側の想いでもあります。

 

 

指導者であれば同じような悩みを持っている人は多いのではないでしょうか?

 

 

このパフォーマンスのばらつきの原因には、身体機能(柔軟性、筋力、体性感覚の感度 等)、精神状態(チームでの立場、プレッシャー 等)、生活環境(睡眠時間、食習慣、勉強時間 等)といった様々なものが考えられます。

 

 

今回はその中でも「トレーニングについて考える余地を残す」という視点で自分のトレーニングの伝え方を紹介します。

 

 

【高校の先生も悩んでいる】

「最近の子は言われたことはできるけど、自分で考えて動くことが苦手」

 

 

サポートしている高校サッカー部の先生方はよくこういったことを話されます。

 

 

これをトレーニングに置き換えてみると

 

 

「最近の選手は言われたトレーニングはできるけど、自分でトレーニングを考えたり選択したりすることが苦手」

 

 

となります。

 

 

その場で指導者に教わったトレーニングがしっかり行えるというのは大事なことです。

 

 

 

 

しかしそのトレーニングを自分の物にして継続していくという視点から見ると、トレーニングの意味、継続期間、行う頻度、行う場所、難易度の変更等は選手自身も考え選択する必要があります。

 

 

指導者側としては選手が理解・納得してトレーニングに励めるようになるべくわかりやすく丁寧に説明したいのが心情です。

 

 

しかしその情報量の多さや反論のしにくさにより、選手の考える余地を奪ってしまっている可能性があるのではないでしょうか。

 

 

選手側からすると「言われたとおりにやっていればいいや」という思考に陥る危険性があります。

 

 

そのままにしておくと指示を出されないと動けない選手になってしまい、自分を律して行動することが難しくなります。

 

 

その結果、自分自身でパフォーマンスを向上していくという行動がとりづらくなります。

 

 

前提条件として選手達は現代の情報化社会の中に生きています。

 

 

高校生でもスマートフォンやパソコンを持っており、すぐに情報や正解を見ることができる環境にいます。

 

 

それは自分で考える機会が少なくなっているとも言うことができます。

 

 

【考えるきっかけを作る】

このように考えると、選手に考えるきっかけを作るということもトレーニングの構成に必要になってきます。

 

 

自分はトレーニング時の声掛けによって考えるきっかけを組み込んでいきます。

 

 

自分が行っている声掛けですが、トレーニングの実施方法やポイントに関しては説明しますが、「なぜこのトレーニングを選択したか?」についてはすぐに言わないようにしています。

 

 

トレーニングの合間に「なぜこのトレーニングをやるの?」と全体に問いかけます。

 

 

最初は「わかりません」が大半です。自信も無いので声も小さいです。

 

 

しかし続けていくと「○○のためですか?」や「○○が鍛えられるからですか?」と返答が少しずつ具体的になっていきます。

 

 

正解を求めるのではなく、自分の頭で考えて声に出すことを求めます。

 

 

そのやり取りから少しずつ指導者側の考えを伝えていきます。

 

 

【まとめ】

トレーニングについて自分の知識を全て伝える。そのことが選手から考える余地をなくし、パフォーマンスが向上しづらくなっている可能性についてお話してきました。

 

 

もちろんトレーニングに関して出てくるであろう疑問に論理的に答えることができ、選手に説明できる能力は必須です。

 

 

その上で選手に考えるきっかけを作れるような声かけも有効だと言えます。

 

 

一見、真面目にトレーニングに取り組んでいるように見えて、言われたことをやっているだけの選手は少なからずいます。

 

 

そういった選手にこちらから質問を投げかけ、自分で考えるきっかけを作ってみてはどうでしょうか。

 

 

今回のような問題に直面しているスポーツ指導者の方は多いのではないかと感じています。

 

 

自分の取り組みが唯一の正解ではないと思いますが、同じ悩みを持った方の考えるきっかけになれば幸いです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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