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2018年08月15日

階段を昇りながら身体のクセを知る

皆さんは階段を昇る時、膝の位置に注意を向けたことはありますか?
 
 
膝に対して真っ直ぐ出ていたり
 

 
 
内側に出ていたり
 


 
外側に出ていたり
 

 
 
内側・外側の見方だけですが、概ねこの3パターンではないかと思います。
 
 
この下肢の各関節の位置関係は個人個人で異なります。
 
 
その人の『クセ』とも言えるこの日常生活の動き。
 
 
それらをスポーツのパフォーマンスと結び付ける思考は重要です。
 
 
階段を昇るという単純な動作でも自分の身体の特徴を探ることができます。
 
 
その特徴をしっかり把握することでやるべきトレーニングやケアも見えてきます。
 
 
関東で活動するJARTA認定スポーツトレーナーの岡元祐樹です。
 
 
今回は日常生活の動作をトレーニングに結び付ける視点を、階段を昇る時の動きを例に挙げてお伝えしていきます。
 
 

【ランジ動作に似ている階段】

 
階段を昇る動作は形的にランジ動作に似ています。
 
 
どちらも股関節、膝関節を曲げた状態で床に対して体重をかけるという形をとるからです。
 

 
 
ランジ動作はスポーツ現場やリハビリ現場で、下肢の評価として幅広く取り入れられています。
 
 
特に足部の位置に対して膝が内側に入るKnee-in(ニーイン)や膝が外側に出てしまうKnee-out(ニーアウト)という現象は、膝にかかるストレスを予測する上でも重要です。
 
 
実は階段を昇るという動作にもこのKnee-inやKnee-outという現象が出てきます。
 
 
冒頭の画像で膝が内側に出るのか?外側に出るのか?という部分です。
 
 
ランジ動作が前足を床に着けた後に『しっかりと止まる』ことを要求されるのに対し、
 
 
階段を昇る動作は体重をかけながら、さらに前上方に『移動していく』という動きを要求されます。
 
 
そのような視点から考えると、階段を昇る動作もスポーツ動作の評価として使えると言えます。
 
 
無意識で階段を昇っている時に膝の位置がどうなっているのかセルフチェックをしてみるとよいでしょう。
 
 
内側に出しても大丈夫か?外側に出しても大丈夫か?
 
 
出しにくい方向はあるのか?痛みは出ないか?
 
 
そうやってこの日常生活の動作を身体との会話に利用します。
 
 

【どの方向に膝が出るのが良いのか?】

 
つま先に対してどのように膝が出るのが正しいのか?
 
 
この問いに正解はありません。
 
 
ただ、スポーツにおいてあらゆる状況に対応するためには、
 
 
どの方向にも無理なく膝が出せる方が、スポーツ選手としては有利と言えます。
 
 
逆に言うと、一定の方向にしか膝の位置を持ってこられないということは、ワンパターンの動きしかできないということを意味します。
 
 
出しにくい方向があるのであれば、その原因を考え改善することで動きの多様性を獲得できます。
 
 
そうするとストップ&ゴー・急激な方向転換・膝の怪我予防等に繋がる身体の土台ができあがってきます。
 
 
ここで注意しなければならない点があります。
 
 
それは膝の出にくい方向があった場合、膝の機能に注意が向きがちになってしまうことです。
 
 
多様性に乏しいKnee-in等の膝の位置関係は、股関節や足関節に原因があることが多いのです。
 
 
階段を昇っている時に、ワンパターンの昇り方しかできない、昇りにくい膝の向きがあるというのであれば、
 
 
股関節や足関節の硬さにも目を向け、チェックすることをオススメします。
 
 

【日常生活の動作に身体の特徴は必ず出る】

 
普段何気なく行っている動作。
 
 
それは他の誰でもない『あなた』が行っている動作です。
 
 
それ故にその動きにはそれぞれの特徴が出ており、そこに気が付くことができると新たなパフォーマンスアップのヒントが得られるはずです。
 
 
競技の練習時間というのは限られている場合が多く、時間を無理やり作ってハードトレーニングを繰り返すと、怪我や疲労により逆にパフォーマンスが低下してしまいます。
 
 
一方、日常生活の動作に少し注意を向けることで自分の身体の特徴が見え、そこから怪我の予防やパフォーマンスアップに繋がる視点を持つことができます。
 
 
競技の練習時間以外にも自身のパフォーマンスを向上させる時間を作ることができます。
 
 
限られた選手生命や練習時間をより有効に使うために、日常生活にも気を配って競技に生かしてみてはどうでしょうか。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 

JARTA公式HP
https://jarta.jp
 
 
今回は選手向けの記事内容でしたが、選手の身体のクセや硬さを改善させてあげたいトレーナーの方も多いかと思います。
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