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2018年09月12日
新たな時間を生み出すウォーミングアップ
「練習時間どんどん短くなっていませんか?」
今年話し合われたスポーツ庁による高校の運動部活動に関するガイドラインでは、1日の活動時間は『平日2時間』『休日3時間』という方針が示されました。
関東で活動するJARTA認定スポーツトレーナーの岡元祐樹です。
自分は高校生時代サッカー部に所属していましたが、平日の練習時間は4時間程度が普通でした。
現在、高校のサッカー部にスポーツトレーナーとして関わらせていただいているのですが、練習時間は上記の通り2時間~3時間程度になっています。
今回は、練習時間は長い方が良いのか?短い方が良いのか?という議論ではありません。
短時間でトレーニングの効果を最大化することが求められるこの流れに対応して、
ウォーミングアップも考え方を変えていく必要があるということをお話していきます。
【指導者の現役時代は長時間練習が普通だった】
練習時間が短くなっていくとしたら、当然のことながら練習内容の修正が必要になってきます。
練習内容の質や量を見直すのです。
しかしスポーツトレーナーとして色々なチーム状況を聞いていると
「ウォーミングアップについてはあまり見直しがされていないのでは?」
と考えさせられることがあります。
チーム全体の練習が始まり、まずは10分程度時間を取ってウォーミングアップを行うというチームは多いのではないでしょうか?
全体でジョギングやストレッチを行うようなスタイルのことです。
「ウォーミングアップはパフォーマンスアップ(怪我予防も含め)にとって大事ですから」
確かにその通りです。
ただ、
『たくさん練習時間があった時代の時間感覚』でウォーミングアップを行っていませんか?
練習時間が短くなった分、『現在の10分間』は『昔の10分間』より貴重になっています。
この10分間をウォーミングアップの考え方を変えることで短縮し、
新しく生まれた時間を競技力向上のために振り分けることができたとしたら、チーム力の向上も図れるのではないでしょうか。
【JARTAのプレウォーミングアップ】
JARTAでは『プレウォーミングアップ』という考え方をチーム指導の際に伝えています。
プレウォーミングアップとは、選手個々が全体練習前に行うウォーミングアップのことです。
JARTAのセミナーの中では柔軟系・動きづくり系としてそれぞれ部位や難易度を分けて習得することができます。
JARTAでお伝えしている方法でなくても構いません。
選手が練習前に自分に必要な準備を自分で行うという思考・行動が大事なのです。
高校の部活動ということに関して言えば、学校の授業で硬くなってしまいそうな
・脊柱
・股関節
は全体練習前に硬さを確認・改善しておくと良いでしょう。
※硬さの確認・改善は普段やっているストレッチ等を「普段と比べてどうか?」という視点でチェックしてみてください。
もう1点、プレウォーミングアップをお勧めする理由として
全体練習冒頭の練習の効果向上があります。
例を挙げるとするとラダートレーニングです。
ラダートレーニングは練習の冒頭で行われることが多い印象があります。
ラダートレーニングの目的の1つに
『速くて正確なステップを踏む』言い換えると『高速で身体を自由に動かせる』ようになることが挙げられます。
しかし練習の冒頭に行われることにより『ウォーミングアップの延長』になりがちな印象を受けます。
具体的に言うと、最初の数本はゆっくりダラダラやってしまうということです。
これでは上記のラダートレーニングの目的とは合致しない形になります。
プレウォーミングアップを行った状態で1本目から高速で動くことができたとしたら、
このトレーニングの効果は最大化されるはずです。
【定着は難しいがチャレンジする意味はある】
練習時間の短縮化には様々な意見があります。
ただ、長時間の練習に慣れていた筆者としてはJARTAのプレウォーミングアップの考え方は新鮮に映りました。
プレウォーミングアップが定着することにより
・練習時間にゆとりができる
・練習冒頭から負荷をかけて練習ができる
・準備の大切さを身につける
等の効果が期待できます。
練習前に何もせずにチームメイトと喋っているだけという選手も多いのではないかと思いますが、
時間を有効に使うという考え方を共有し、
選手・指導者ともに成長していければ、
スポーツや部活動をする意味も最大化するのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
JARTA公式HP
https://jarta.jp
JARTAのプレウォーミングアップはベーシックセミナー受講後から受講可能となるアドバンスⅠから紹介しています。
詳細はこちら → https://jarta.jp/j-seminar/course/