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2017年12月21日
低重心トレーニングはすべきではない!?「高重心」VS「低重心」論争に終止符を。
「重心は高い方が良い」
「重心を低くする必要はない」
「低重心のトレーニングはすべきではない」
最近上記のような声を指導者やトレーナーなどから聞くようになりました。
確かに、低重心よりも高重心の方が高速移動や方向転換には適しています。
しかし、低重心の方がハイパフォーマンスを生む場合もあるのです。
低重心がハイパフォーマンスを生むことを理解していただくには、まずは高重心がなぜ良いのかという前提条件を書いた以下の記事をご覧ください
→「腰を落とせ」は、間違いだ
https://ameblo.jp/bodysync/entry-12327029318.html
→「腰を落とせは、間違いだ」は間違いか?
https://ameblo.jp/bodysync/entry-12327872117.html
基本的には高重心であるほうがメリットの多いことを理解していただいた上で、今回は、重心の高さによって発揮するパフォーマンスが異なることを関東で活動する認定スポーツトレーナーの福原良太がお伝えしてきます。
【低重心と高重心は局面によって使い分けが必要】
まず、さきほど紹介した記事にも書いてある”高重心のメリット”をおさらいします。
・動き出しが早くなる
・ボールや相手への反応が早くなる
・次の動きに移りやすい
上記のメリットからも、動き出しの早さや切り替えしの多いサッカーやラグビーなどの欧米発祥競技は基本的に高重心の状態が適しているのがわかります。
「では、低重心は絶対に獲得しない方がいいのか」というと、これはケースによる部分があります。
“ケースによる部分”というのが曖昧なので、もう少し解説していきます。
たとえば、サッカーなどのコンタクトプレー。
高重心であれば、相手のコンタクトに対しても反応が早くなるため、コンタクトの力をそのまま100%受け止めるのではなく、いなしやすくなります。
とはいえ、姿勢や周囲の状況によっては、いなす環境ではないケースもあるでしょう。
このケースでは、姿勢の安定する低重心の方が適しているのです。
ラグビーのスクラムも同じことが言えます。
スクラムで相手チームに押し込まれているときは、動きやすい高重心よりも、これ以上後ろに下がらないために一度低重心になる必要も出てくるでしょう。
(ちなみに、モールやラックの際には、スクラムよりも動きが伴いますので、次の動きに移りやすいよう高重心も重要になります。)
以上のことより、さきほどお話しした“ケースによる部分”を静と動を用いて具体的な言葉に変えると、
・”静”が求められるときは”低重心”
・”動”が求められるときは”高重心”
が必要になると言い換えることもできます。
重心の高さを局面に応じて変えていくことは、JARTAで提唱しているハイパフォーマンスゾーンにもつながります。
格定力について詳しく知りたいという方は以下の記事がとても分かりやすいです。
→フィギュア選手の競技結果を左右するJARTAのコンセプトとは?
http://jarta.jp/training/3007/
【低重心と高重心の切り替えも重要】
「重心の高さは一定にした方がいいのか」
これも、最近聞かれる声です。
・高重心のときは、高重心のままで身をこなした方がよいか
・低重心のときは、低重心のままで身をこなした方がよいか
結論から言うと、サッカーやラグビーなどの欧米発祥の競技では高重心で身をこなせるならそれが理想です。
低重心で身をこなす必要のある場面では、その次の動きに移れるよう、低重心から高重心への切り替えを瞬間的にできる必要があります。
低重心から高重心への切り替えは、ポルトガル代表のクリスチアーノ・ロナウド選手もプレー中に見せる身のこなしです。
【まとめ】
日本人の場合、基本的に低重心の選手が多いため、高重心での身のこなしを習得する必要があります(これは、代表の中野崇が先ほどご紹介した記事でも解説しています)。
さらにこの記事では、高重心での身のこなしを習得した先に、高重心と低重心を局面に応じて変えられる身体状況が求められるとお伝えしていきました。
・まずは高重心での身のこなしを習得する
・次に高重心と低重心を局面に応じて変化させられる
ここまでできるようになっているとき、選手は「コンタクトプレーで負けてしまう。どうしたらいいのか・・・」という悩みから解決されているはずです。
JARTA公式HP
http://jarta.jp