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2020年12月19日
囚われないという捉え方
文:赤山僚輔
『手段に囚われない』
これはJARTAが創設当初から、一貫してお伝えしている考え方になります。
今回は改めてこの”囚われない”という捉え方について共有したいと想います。
皆様は生きていく中で、ひとつやふたつは譲れない、”こだわり”のようなものがあるのではないでしょうか?
『自分に嘘はつかない』
『ビールはキリン』
『物を粗末に扱わない』
などなど。
上記は赤山のこだわりですが。
何かにこだわることと、何かに囚われることは一見よく似ていますが実態は全然異なります。
囚われるという漢字は人の周りが囲われてしまっています。
まさに八方塞がりといった感じでしょうか。
無意識に生きていると、自分が気づかぬうちに多くのことに囚われていることに気づくことができません。
〇〇はこうじゃないといけない。
▲▲はこうあるべきだ。
ここにはジェンダーの問題も内包しています。
女の子が〇〇のスポーツをするなんて・・・。
男の子がピンク色を選ぶなんて・・・。
全世界的にもジェンダーレスの思考が拡がり、我々が多くの既成概念やバイアスによって囚われていたことにも気づき、囚われていた思考からの解放が急激に進みつつあります。
ではスポーツトレーナーやセラピストとして、何かに囚われていることはないでしょうか?
それはトレーニング方法かもしれませんし、治療手技かもしれません。
〇〇のトレーニングをしているのだからこうなるはずだ。
▲▲の治療方法で治るはずだ。
我々は得てして、新たな知識や情報を入手すると、それがあたかも真っ当な解答であるかのように目の前の事象に当てはめてしまいそうになります。
〇〇はこうに違いない。
何かに囚われているというのはまさにこのような状態のことを指します。
ひとつのトレーニング方法や治療方法を追求し、探求し、精度を上げていくことは当たり前に重要なことです。
しかし、そのひとつの分野を追求して学び深めていくことと、目の前にクライアントに対してそれを無理やりに当てはめてパフォーマンスの向上や不調の改善を目指していくのは問題解決の思考が少し異なります。
残念ながら、ひとつの手法で10人を救うことはできても100人を救うことは難しいです。
もちろん大勢の中から100人の効果が得られる人をピックアップすることは可能でしょう。
しかし100人しかいない目の前のチームにおいて、一つの手法で全員が解決することは難しい。
そのように考えています。
これはトレーニング方法も治療方法も同様です。
あるトレーニングをすると100人のフィジカルの数値としては100%向上するかもしれません。
しかし100人ともに本人が望むパフォーマンス向上の方向性に進化しているかというとそうとは限らないのです。
何かを探求する際に徹底的に拘り、貪欲に深めていくことは重要ですが、気づけばそれにこだわりすぎて、もしかしたら他に解決策があるかもしれないのにそれに対して盲目になっている。
そんなことも多いような気がしています。
そしてそれはJARTAでお伝えしているトレーニングやコンディショニング方法についても同様な視点でJARTAの手法だけに囚われて欲しくない。
このようにも考えています。
アスリートの不調を解決し、パフォーマンスを向上させる最適解は選択肢としてはスポーツトレーナー側に用意する必要性があります。
しかしその選択肢の中で、その時々での最適解は現象としての結果含めてアスリートが教えてくれます。
この際にスポーツトレーナー側が何かの選択肢に固執するように囚われていると、盲目的に選択肢を狭めてしまい、結果的にアスリートの成長を阻害したり、不調が解決しないといった結果となるのです。
文章で読むと、そんなことはない。
自分は目の前のクライアントの為に最善の選択肢を用意している。
そう思う方も多いでしょう。
では目の前のクライアントの不調は全て解決していますか?
全てのアスリートが満足のいくパフォーマンスアップを遂げていますか?
その進化のスピードはアスリートが描く目標に対して間に合うペースですか?
囚われてなんかいない。
このようにこちら側の主観で捉えることは簡単です。
囚われているかどうかを指し図るのは目の前の選手の結果であり、その現象が全てです。
もしうまくいかない事例が目の前にあるとしたら、自分が何かに囚われていないか。
今一度振り返って考えて見てもらいたいと想います。
そして何に囚われているかに気づけるきっかけにJARTAの各種セミナーがなれれば幸いです。
自分自身もかつて気づけなかった囚われていた視点を知ることで、現在進行形で変化し続けています。
囚われていた自分を捉えるだけで、前への進み方が変わってきます。
是非この機会に振り返って見てください。
きっと明日会う選手が自分が何に囚われていたかを教えてくれるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。