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2020年10月04日

武士道の精神がパフォーマンスを最大限に引き出す

文:影山大造

 
2020年3月、新型コロナウイルスが世界中に感染拡大した為
東京オリンピック・パラリンピックの延期が決まりました。
 
それから半年、今、選手やコーチなど
オリンピックに関わる方達は
どんな思いで過ごしているのでしょうか?
 
今回のオリンピックは
これまで以上に選手の準備が難しくなります。
 
そこで私達トレーナーも、アスリートが最善の準備をするために
必要な要素を再考してみるべきではないでしょうか。
 
私は、その要素の一つに
【武士道の精神】があると考えています。
 
以前より、日本には
【武士道の精神】というものが存在します。
 
しかし、現代においては、
この【武士道の精神】を取り入れている事例は
少ないでしょう。
 
そこで、日本がすでに兼ね備えている【武士道の精神】を
スポーツにおいても取り入れて実践する事で、
現代でも【武士道の精神】をパフォーマンスアップさせるための
要素として、活用する事が出来るのではないでしょうか。
 
 

 そもそも【武士道の精神】とは何なのか

 
私が言う【武士道の精神】とは、
新渡戸稲造が記した著書「武士道」で書かれている
「義」・「勇」・「仁」・「礼」・「誠」・「名誉」・「忠義」
の7つの徳を指しています。
 
 
この7つの徳、一般的には
「義」・・・道理に従って決断する力
「勇」・・・どんな状況でも恐れず立ち向かっていく強い心
「仁」・・・愛や寛容、そして他者を思いやる心
「礼」・・・相手を尊重し、思いやる心
「誠」・・・自分の言った事を成し遂げる信念の強さ
「名誉」・・・個人の誇り
「忠義」・・・主君に対しての忠誠心
と言われています。
 
この【武士道の精神】である7つの徳を
スポーツに活かすためには、普段の生活から
意識する事が重要になります。
 
それでは具体的に、どのように取り入れるかと言うと
「義」
普段から、利害や損得で行動するのではなく、
また他の影響を受けずに、自分で考えて正しい行いをする事で
自立した人間になります。
 
そうすることで、競技においても、周囲に影響されることなく、
自分で考えて行動できる自立した選手になります。
 
「勇」
肉体的だけでなく精神的にも訓練することで
どんな状況でも常に動じない心でいられる様になります。
 
そうすることで、競技においても常に平常心を保てるようになり、
どんな状況でも常に動じない選手になります。
 
「仁」
普段から周囲の人に対して感謝の気持ちを持つことで
人に優しくなることができ、思いやりの精神を持てる様になります。
 
そうすることで、競技においてもチームメイトや監督・コーチなど
周囲の人に対して感謝の気持ちを持つことが出来るので、
いつも心が穏やかで気持ちのコントロールが出来る選手になります。
 
「礼」
家族や親しい友人など、相手へのリスペクトを忘れずに、
相手の意見を尊重する心を持ちます。
 
そうすることで、競技においても
チームメイトへのリスペクト・尊重する心を持つことができ、
練習の雰囲気はもちろん、より良い意見交換が出来るので
練習の質が上がり、結果的にチームワークも向上します。
 
そして試合においては、相手に対しても気持ちよく
正々堂々と勝負が出来ます。
 
「誠」
日常生活においても、自分で小さな目標を立て
成功・達成する経験を積み重ねることで自身につながります。
 
そうすることで、競技においても自分で立てた目標を成功・達成を
繰り返すことができ、競技に対して選手の自身につながります。
 
「名誉」
常日頃から、自分がどんな人間でありたいのかを考えて、
それに沿った行動・生き方をします。
 
そうすることで、競技においても自分がどうなりたいのかの考えを
しっかり持つことができ、練習はもちろん、練習外でも
それに沿った行動・生き方を自発的に行うようになります。
 
「忠義」
自分が考える道徳上守るべき道筋・礼儀に対して、正しい行動をする事=「義」を、
自分の心の中心に置く=「忠」ことで、普段から「忠義」を尽くします。
 
忠義とは他人に対する道理だけではなく、自分自身への「忠義」でもあります。
 
そうすることで、競技においても自身の考える6つの徳に対して
忠義を尽くす(忠実に)行動をするようになります。
 
このように、各項目について一度考えてみることで、
選手のパフォーマンスアップにつなげることが出来ると考えています。
 
私がこのような考えに至った背景には、
私自身の過去の体験があります。
 
というのも、私は【セラピスト】 兼 【経営者】でもありますが、
この10年で飛躍的に成長できたと感じています。
 
その理由として、業務中はもちろん、
業務以外での意識を変えたからです。
 
具体的には、まず私は自身の会社に
理念、ミッション(使命)、ビジョン、そしてクレド(行動指針)を作りました。
 
最初に理念に取り組んだのですが、理念を決めたことで、
具体的にどのような事をするのかのミッション(使命)が決まり、
そして理念を実現するために、今後どのようなプロセス経ていけばよいかの
ビジョンが自然と決まっていきました。
 
そして、理念の実現には勤務時間はもちろんですが、
業務以外の時間のあり方も、どうあるべきかを考える様になりました。
 
その結果、普段の行動の在り方をクレド(行動指針)に集約させたのです。
 
この様に、会社や自分がどうなりたいかの方向性を理念として明確に掲げることで、
理念実現のために自分がどうあるべきなのかがわかり、
理念に沿った行動・生き方をするようになったのです。
 
その結果、限りなくマイナスの要素が削ぎ落され
目的に対してのプラスの要素を積み重ねることで
会社だけでなく個人としても飛躍的に成長できたのです。
 
私の場合は、武士道で言う【名誉】が理念、それ以外の5徳がクレド、
これらに対しての正しい行動が【忠義】と同様ではと考えています。
 
競技においても、自分がどうなりたいかが決まると
それに沿った行動指針が決まり、後は正しく行動すること
と置き換えることが出来るのではないでしょうか?
 

 
また、【武士道の精神】は、潜在的に私達に存在するものでもあります。
 
というのも、新渡戸稲造がドイツに滞在していた時のエピソードですが、
海外の学者に「日本には宗教教育がないのか?」と聞かれて
「ありません」と答えた時に驚愕されたという話があります。
 
これは、海外の方からすると宗教教育がない中で、
道徳教育が成り立つことが考えられない事だったからです。
 
私たちの根底にある道徳とは、
学校で習ったものではなく、古くから大事にしている考え方が
今も自然と受け継がれているものなのです。
 
それは、神道・仏教・儒教・朱子学などの総合的なものになります。
 
そして、そこから形成され受け継がれたものの1つに
【武士道の精神】があるのです。
 
私達には、すでに道徳観の一つでもある
【武士道の精神】そのものが備わっているのです。
 
ということは、潜在的にある【武士道の精神】を、
明確にスポーツに置き換えることで、選手たちのパフォーマンスが
最大限に引き出すことが出来るのではないでしょうか?
 
また、【武士道の精神】を明確にすることで、行動指針ができ、
どんな状況下でも進むべき方向が定まっているので、
最善の準備が出来ると考えられるはずです。
 
ということで、今回はいつもと少し違う視点で
『武士道の精神がパフォーマンスを最大限に引き出す!』
という内容でした。
 
是非、選手だけでなくあなた自身も【武士道の精神】を
今日から活用してみて下さい!!

 
JARTAでは、代表中野をはじめ、講師陣は
【武士道の精神】を特に大事にしています。
 
特に、代表中野は、武士道の根底にある「上に立つ者の義務」として
7つの徳をもってJARTA認定トレーナーを束ねて
業界の発展のために導いてくれています。
 
そんな熱い代表に集う講師陣もまた
侍(サムライ)ばかりです。
 
そして、内なる熱い思いを持った講師陣にも
是非、皆さん会いに来てください。

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