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2017年03月19日
良いフォームのスクワットやランジで膝は守れない!!
膝の障害予防や膝の手術後のリハビリテーションにおいてスクワットやランジのトレーニング指導に関わったことのある方は多いと思います。
良いフォームでトレーニングを実施しているクライアントが必ずしも再受傷を避けられたり、復帰後のパフォーマンスレベルが高いとは限らないと感じたことはありませんか?
四国のうどん県でスポーツトレーナーとして活動しております、統括部長の赤山僚輔です。
これは私自身の苦い経験です。
競技レベルも高くリハビリに対しても真面目で教科書的なトレーニングを正しく実施できており、勉強会などの手本に使っていたような選手に限って思ったようにパフォーマンスが発揮できないことがありました。
またそういった選手に限って膝の痛みが残存したり他部位の障害で何度も来院することを数多く経験しました。
そのように至る原因はもちろん多種多様あり、メンタルの問題や患者-セラピスト間の関係性の問題などもあります。
しかし機能的な部分に目を向けた際に「良いフォームへの指導」に潜む弊害と「局所の詳細な評価」という視点でこのような選手に関わっている際には足りない部分が数多くあったのです。
その問題は大きく分けて以下の2つになります。
- 常に良いフォームでスポーツなんてしていない!!
- 局所の捉え方がまだまだ漠然とした全体であった。
常に良いフォームでスポーツなんてしていない!!
まず一つ目の観点ですが、実際のスポーツ動作では教科書的なスクワットやランジポジションでストップ・着地・ターンする場面が圧倒的に少なかったのです。
中途半場な姿勢で止まったり、ちょっと状態が捻れている状態での着地や股関節が深く曲がっていない状況でのターン動作など。
リハビリで実施していない状況でのストップ・着地・ターンが多くそれは多くの対人スポーツにおいて同様のことが考えられました。
その全ての動作を再現するようにありとあらゆる状況でのストップ・着地・ターン動作をリハビリの中で反復することは現実的に不可能であり、それは「多方向にランジをする」といったことでは解決しなかったのです。
股関節の使う角度や上体の傾きなど、スポーツ動作を想定しながら実施すると無限に指導しなければならない状況があるからです。
「良いフォームへの指導」は逆に言うと良くないフォームでは止まれない身体を作ってしまっていたのです。
またその良いフォームが本人にとって無理があるポジションであればあるほど、過度に意識したフォームであり、不必要に緊張した筋のコンディションが実際のプレイ場面で邪魔することすらあります。
例えば膝が内側に入らないように意識して膝を真ん中に止めて置く時にはやや外転外旋方向へ意識も筋発揮もなされます。
そういった余計な意識の影響で膝が外に倒れるように実際の場面で受傷したり、外則荷重の影響で捻挫をしてしまう選手をかつて経験することがありました。
局所の捉え方がまだまだ漠然とした全体であった。
次に二つ目の観点ですが。
局所に問題なく例えば膝に負担がかかる原因が股関節にある。
そのように考え股関節の使い方を改善しても、膝の詳細な評価を実施する中で気づいたいなかった膝の問題が残っている事がありました。
局所に痛みがないから問題ないと思っていても、その局所もある意味全体であり、痛みがなくても問題が見つけられる程度の詳細な局所の局所の評価ができていなかったのです。
関節の適合性、筋の緩み具合、筋膜や皮膚の滑走性、腱の柔軟性や筋・腱間の滑走性、半月板の動きや膝蓋下脂肪体の動き、通過する経絡の問題、神経、血管含めた局所の循環上体、滑液包の柔軟性などなど。
(アプリteamLabBodyより引用)
痛みがなく問題ないと思っていても機能的な問題を多く残したまま復帰させている事が多々あったのです。
また、そういった局所の問題が動作の代償やトレーニングフォームへ悪影響を及ぼしている事に気づかずにティーチングのみでフォーム指導を行ってしまっていたのです。
結果的に良いフォームになる為の身体環境作りとどういった動きにも対応できる汎用性を考える。
これは本当に難しい事ですが、この方向性に我々が考えなければいつまでたっても「意識しないと良いフォームができない」という側面と「良いフォームができているのにプレイで痛みが残ったり、パフォーマンスがあがらない」といった課題が克服できないのです。
その為にもまずは、良いフォームでのトレーニングが必ずしも選手を救うわけでなく、良いフォームでの指導すらもしかすると「マイナスの学習」になる可能性がある。
そういった観点を持って頂きたい、私自身の苦い経験からそのように心から感じております。
詳細な評価とフォーム指導の落とし穴も考慮したコンディショニング・トレーニング指導について疾患別セミナーで今後お伝えしていきます。
疾患別セミナー
ご興味がある方は是非ご確認ください。
長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。