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2014年03月26日
JARTAイタリア研修レポート part3 プレゼンの大切さ
イタリアでの研修報告、今回はUー18世代のトレーニング指導を経験した感想です。
トレーニングがどれだけ素晴らしいものでも、プレゼンテーション次第で良くも悪くもなってしまうということを改めて感じました。
JARTAテクニカルディレクターの山岡です。
4日目は、ミラノからローマへ移動し、ヴィーゴル(VIGOR)のUー18世代のトレーニング指導と練習の見学をしました。
ヴィーゴルの施設は人工芝のサッカーコートが2面、フットサルコートが4面、天然芝のスタジアムが離れた場所に1面あるそうです。とにかく規模がすごく大きいです。
またヴィーゴルは、サッカーだけではなく、スイミングやフィットネスなどのサポートも行なっており、各施設を併設しています。
契約した選手は、このような施設を開放され併設しているフードコートで食事が出されるそうです。
ヴィーゴルはU-18までのユースカテゴリ専門チームです。若手選手を育成し選手を他のプロチームへ送り出す仕組みを採用しています。
もちろん全員がプロ選手となれるわけではないですが、良い選手は代理人の元、他のプロチームと契約を結んで移籍していきます。日本人も1名在籍しており、注目選手の一人です。
このようなチームで、今回トレーニング指導をさせていただくこととなりました。
JARTAトレーニングをプレゼンテーション
イタリア人へのプレゼンを通して自分の課題が浮き彫りになったので、ここではその課題や苦労した点についてお伝えします。
プレゼンの相手はヴィーゴルU-18の選手たちです。
30分でJARTAスピードアップトレーニングを伝えるという内容です。どれだけ短く簡潔に説明できるかがポイントでした。
結果、JARTAトレーニングに対する反応は良かったように思います。
ただし、通訳をしていただいた吉田輝氏がトレーニングの概要を事前に説明しており、サッカー経験豊富な吉田氏なりにアレンジを利かせて通訳していただいたために良い反応に繋がったのだと思います。
ということは自分のプレゼン力ではなく、JARTAトレーニングを理解していた吉田氏のプレゼン力が大きかったということです。
自分のプレゼンはというと、
- トレーニングのひとつひとつの動きに対する具体例を、体を使いながら説明していくことが上手くできなかった。
- 通訳を介するタイミングが上手く図れていなかった。
- ただ声が大きかっただけで、いまいち心に届いていなかった。
などなど、日本人が聞いていてもわかりにくい部分は多々あったように思います。
今回ジェスチャーなどを交えて行うことを意識はしていましたが、普段からジェスチャーなどを用いてできるだけ相手に伝わりやすくしようと考えてプレゼンなどしていなかったのですごく苦労しました。
また通訳を介してのプレゼンも初めてであったため、どこで話を切っていいのかなどのタイミングが難しく苦労しました。
プレゼンが終わってからの吉田氏との話では、貴重なご意見をいただきました。
「イタリア語でsucco(果汁)が大事なんだ」
どういうことかというと、ある果物の情報を伝えるとき、イタリア人にとっては果物の姿や形はどうでもよくて、中身のジュースになる部分の味の美味しさが伝われば満足するんだということでした。
新しいトレーニングのプレゼンにおいて、回りくどい説明をするのではなく、それをすることで結果的にどんな変化があるのかというところを強調したプレゼンをするべきだと教えていただきました。
他にも言葉のわからないイタリア人でも語りかけるようにしっかり相手を見て伝えること、もっともっとジェスチャーを交えながら話すとより伝わりやすいこと、イタリア人は飽きやすいので各トレーニング間の進行はスムーズに行うこと、などの指摘を受けました。
これはイタリア人へのプレゼンだけに当てはまる指摘ではないと感じました。
これまで自分がいかに相手の解釈に任せたプレゼンをしてきたのかということを痛感したできごとでした。
プレゼンをするということに対して、これまで逃げてきたつけがイタリアで出てしまったこと、この晩、悔しさと不甲斐なさに、ずっと胸がモヤモヤしていたのを憶えています。
まとめ
プレゼンテーションの難しさを身を持って体験してきました。
ただ単にイタリアに行くということが目的になっていたら、このような経験はできていなかったと感じています。
日本では聞くことのできないニュートラルな視点での選手、指導者の声を聞くことができ、いまの自分に足りないことに対して逃げずに立ち向かって行くということの大切さに、気づかせてもらったように思います。
イタリア研修期間中は、どのように説明したらわかりやすくなるのかということをひたすら考えていたので、毎日脳がかなり疲労しました。
日本でも継続して、どのようにすれば伝わりやすいか、考えながらトレーナー活動を行っていきます。