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2014年08月18日

ゴールキーパーに必要なトレーニングは?

ゴールキーパーのトレーニングで悩んでいる方は多くないでしょうか?
ゴールキーパーはサッカーで唯一異なる事が許されたポジションです。そのため異なったメニューが必要となり悩みが多くなるのでしょう。
 
そこで今回は「ゴールキーパーに必要なトレーニング」の一例をお伝えします。
JARTAトレーナーの藤田です。
 
今回も実際にトレーナーとして関わっている選手を例にして話を進めていきたいと思います。
簡単に選手のご紹介をしたいと思います。
ゴールキーパーに必要なトレーニングとは1
現在20歳のゴールキーパーです。
イタリア研修時にトレーニング指導とコンディショニングを行ったのが、彼との初めての出会いでした。
 
日本とイタリアという実際に会って指導することができない関係ですが、様々な手段を用いてトレーニングやコンディショニングのサポートを継続しています。(方法に関してはまたの機会にお伝えします)
現在はJARTAのアドバイザーである吉田輝氏がオーナーを務めるイタリアチーム「Fiumicino Calcio a 5」でプレイしています。
まだまだ若手で伸び代がたくさんあるため今後の活躍に期待です。
 

ゴールキーパーの特徴や要素

ゴールキーパーは唯一フィールド内で手を使うことを許されたポジションです。
 
そして様々な方向や距離からシュートが打たれてきます。
そのため相手選手のわずかな動きからシュートコースなどを判断しなければなりません。またシュートコースの判断と同時にキャッチング・パンチングのように腕を使うのか脚を使うのかという判断も必要になります。
 
ここでゴールキーパーに必要な要素を少し挙げてみます。

  • 一瞬の判断能力
  • 一歩目の速さ
  • 腕の操作性
  • 脚の操作性
  • ジャンプ力
  • 切り返しの速さ
  • 全身の柔軟性
  • しゃがみ込みの速さ
  • キック力

など、すぐに思いつくだけでこれぐらいありますが、実際にはもっと多くあると思います。
 
今回はゴールキーパーの「腕の操作性」にポイントを絞ってお伝えします。
まずはこちらのトレーニングです。
ゴールキーパーに必要なトレーニングとは2
もうおなじみになりました「立甲」です。
やはり腕の操作性を高めるためには肩甲骨の可動域は非常に重要な要素です。また立甲は可動域だけではなくJARTAセミナーでもお伝えしている格定力も必要になります。
可動域が十分にあり柔軟性が高く、かつ身体が十分にゆるんでいるだけでは立甲はできません。局面に応じた筋出力が重要になります。
 
格定力に関してはJARTAベーシックセミナーでお伝えしていますので、ご興味があればベーシックセミナーにご参加ください。
JARTAベーシックセミナー
 
話がそれたので元に戻します。
肩甲骨の重要性は多くあります。

  • 肩関節(腕)に影響する
  • 肋骨(胸郭)に影響する
  • 頸椎・骨盤にも影響する

など、全身への影響があります。
これらを考えると肩甲骨の重要性は必然ではないかと思います。
 
立甲ができるようになると肩甲骨の可動性が向上するばかりではなく、肋骨の可動性も向上します。そのためゴールキーパーに重要なリーチ(腕の伸び具合)が向上しあと少しではじくことや届かなかったシュートにも届くようになります。
 
次はこちらのトレーニングです
ゴールキーパーに必要なトレーニングとは3
こちらはクレーンというトレーニングです。JARTAのアドバンス Ⅱ セミナーにて詳細はお伝えしています。
簡単に説明すると腕の操作性と体幹部の安定性が向上します。
 
腕というのは肩から先ではなく体幹部から指先までのことを指します。ですので体幹のトレーニングにもなりまた体幹と腕の連動性のトレーニングにも繋がります。
体幹部でもいわゆる腹筋群ではなくさらに深層にある大腰筋のトレーニングです。また狭い支持基底面のなかでバランスをとるという能力(要素)が必要になります。
そのためには身体が固まっていてはバランスはとれません。
 
この他にもクレーンのさらにレベルアップしたトレーニングである、「捻りクレーン」も指導しています。
このトレーニングはクレーンよりもさらに腕の操作性と体幹部の安定性・バランス能力が求められ、なおかつ体幹部の回旋も入るため脊柱の可動性も必要になります。
 
これにより脊柱の一つ一つの動きが可能になり脊柱サスペンションのように使えるようになります。
脊柱をサスペンションのように使えるようになると、障害予防やジャンプ力向上・キック力向上などのパフォーマンスアップに繋がります。
 

まとめ

今回はゴールキーパーに必要なトレーニングの一例をお伝えしました。
 
中でも腕の操作性にポイントを絞ってお伝えしましたが、一つのトレーニングでも様々な要素と関係していることがトレーニングを構成していくなかでは重要です。
腕の操作性の向上には肩甲骨の可動域のみではなく体幹などの格定力が重要だと感じていただけたのではないかと思います。
 
肩甲骨の柔軟性が向上する立甲ができただけではパフォーマンスの向上には繋がりません。そこからさらに連動性などを向上するトレーニングを取り入れる事でパフォーマンスの向上に繋がります。