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2018年08月04日

【トップアスリートに共通する脚とは】

スポーツのシーズンに入り様々な競技をテレビで目にする事が多くなってきました。
鍛え抜かれた肉体美で素晴らしいパフォーマンスを披露し目を見張るものがあります。
 
しかし鍛え抜かれているとはいえトップクラスのアスリートを見るとある事に気がつきます。
実は、それほど足が太くないのです。むしろ、ほっそり見える事だってあります。
 
もちろんトップアスリートなのでかなり質の高い練習を日々行い身体を鍛えているはずですが、全ての部位に筋肉がつくのではなく必要な部位にのみ筋肉がついており、不必要な部位にはまったくと言って良いほど筋肉は付いていない事に気付くはずです。
 
今回はトップアスリートに共通する脚について迫っていきたいと思います。
 
関西認定トレーナーの谷口祐樹です。


なぜあれほどまでに鍛え抜かれているのにも関わらず、ほっそりした脚でいるのか?
 
それには3つの事が要因となっているのです。
 
この事に気づき実践するとパフォーマンスUPにつながります。
 

【立位姿勢がとてもリラックスしている】

 
トップアスリートの立位姿勢をみてください。
力が抜けておりとてもリラックスして立っています。
 
一方、一般の人達は違います。
立つという行為に対しても力をいれ続けて姿勢を保持しているのです。
多くの場合、前太ももや背筋に力を入れ続けています。
 
その為、慢性的に使い続けている事で自然と脚が太くなり、過用性の腰痛や膝痛の原因となっているのです。
 
では、トップアスリートはというと可能な限り筋出力を発揮せず骨性の支持により立位姿勢を保持しているのです。
 
それを可能にするのが関節間力という力です。
 
関節間力とは骨と骨が押し付け合う力によって支柱のようになり、骨同士が支え合うためほとんど筋力を使わずに済むのです。
 
関節間力を利用するためには良肢位のアライメントである事と床反力が生じる場所に足圧中心がくるようにバランスをとる必要があります。
 
アライメント不良や、足圧中心がずれると関節間力が発生せず筋力を使って姿勢を保持する必要が生じるのです。
 
関節間力を利用できると最小限の筋出力で姿勢を保持することが可能であるため、省エネでありパフォーマンスにのみ筋力を発揮できます。
 
また、床反力を上手く生かすことが可能となり弾性エネルギーを効率良くパフォーマンスに生かす事ができ自ずとパフォーマンスUPにつながります。
 

【股関節を中心とした運動戦略である】

 
次にトップアスリートは股関節を中心とした運動戦略であるということです。
分かり易いように歩行動作を例にとって説明します。
 
歩行動作時に推進エネルギーを得る際にトップアスリートは股関節の伸展筋であるハムストリングスを優位に働かせます。
ハムストリングスは平行筋であるため収縮スピードが速いにも関わらずあまり筋肥大しない特長があります。
 
股関節を中心とした運動戦略であると、ハムストリングスと臀部が発達する為前方から見ると前ふとももがとてもすっきりした脚に見えるのです。
 
一般の人達は膝関節を中心とした運動戦略であり、主に大腿四頭筋を使用し膝を伸ばすことで推進力を得ています。
大腿四頭筋は羽状筋であり、筋肥大しやすく前方からみると足が太く見え、収縮スピードはハムストリングスに劣ります。
 
重心移動においても股関節を中心とした運動は重心の上下動は少なく、膝関節を中心とした運動は重心の上下動が大きくなり推進エネルギーにも差が生れているのです。

 
 

【脚の循環が良い】

 
最後の一つは足の血行がよく、むくみが少ない事があげられます。
 
最初に説明した関節間力の話に戻りますが、関節間力を利用し必要最低限の筋出力で立位姿勢を保持すると筋肉はリラックスした状態となります。
血管を狭窄することが少なく血液循環はとても良い状態となり老廃物が溜まりにくくなるのです。
 
しかし、下肢に力を常に入れ続けた状態では血管を狭窄する為血行不良となり老廃物が溜まり易くむくみが生じます。
 
またアライメント不良によっても血行不良となるのです。
 
試しに鼠径部に手をあててみてください。
股関節を外旋した時と内旋した時を比べてみると過度に内旋すると鼠径動脈の拍動を触診しにくくなります。
アライメントによって血管の狭窄が起こっている事を体験できると思います。
 
【アスリートの足を手に入れるにはどうすればいいのか】
 
話をまとめます。アスリートのような足を手にいれる為には
 
①関節間力を利用した立位姿勢を獲得する事
②股関節を利用した運動戦略を獲得する事
となります。
 
関節間力を利用する立位姿勢を獲得するためには重心線を脛骨直下に置く必要があります。
しかし、脛骨直下を荷重点とし立位姿勢を保持すると足部が回内し内側縦アーチがつぶれ足の剛性が保てなくなり関節間力は発生しない状態となります。
 
本来は内側縦アーチの形状は骨・靭帯・結合組織が作る構造により保たれている為足の内在筋・外在筋の活動はほとんど伴いません。
しかし、過伸張された結合組織の緊張不足を足部の内在筋と外在筋で代償する必要が生じてしまいます。
 
その為、立方骨を荷重点とし立位保持を行います。
立方骨は踵骨と隣接し足の総締めの骨とも言われ、足部を支えています。
 
立方骨は、外側縦アーチを構成する要石であるだけでなく、立方骨のポジションは外側縦アーチ、内側縦アーチ、足根骨部の横アーチにも影響を及ぼし3つの足裏のアーチ構造を保つ役割も持っています。
 
立方骨を意識し立位保持を行うと足部は回外方向に誘導され3つのアーチの構造を保つ事で足の剛性が高まり床反力を得られやすい状態となります。
 
結果として重心線が脛骨直下に納まり関節間力を利用する事が可能となります。
つまり、重心線と荷重点は異なるということです。
 
関節間力を利用した立位姿勢を確認するには足底内での重心操作を大腿部を手で触れた状態で行ってください。
大腿部の前面・後面ともに力が抜ける場所があると思います。
 
股関節を利用した運動戦略を獲得する為にはJARTAのセンタリングトレーニングである股関節スクワットをおすすめします。
 
詳しくはJARTAの認定スポーツトレーナーから指導をうけて下さい。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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