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2016年05月18日

【大腿四頭筋を鍛え過ぎると跳べなくなる】

「大腿四頭筋を鍛えるとジャンプ力が落ちるから鍛えたくないです。」
 
大阪で活動しています藤田友和です。

冒頭の言葉は男子バスケットボール選手から聞いた言葉です。
 
この選手は全国大会出場レベルのシューターです。
 
さらにはこんなことも言っていました。
 
「大腿四頭筋を鍛えるとジャンプシュートを打つ際に踏ん張ってしまうし力感が出てしまって相手にも読まれてやすくなる。」
 
「あとはどんどん太ももが疲れてくるので少しずつジャンプ力が落ちていくし脚がつりやすくなる」
 
では何故そのようなことになるのでしょうか。
 
 

<解剖学・運動学的に捉える>

 
まずは写真をみてください。
スクリーンショット 2016-05-18 18.32.05
       (画像引用:VISIBLE BODY)
大腿四頭筋の筋肉の始まりは1つは骨盤にあり他3つは大腿骨にあり、終わりは脛骨にあります。
 
また作用としては膝関節伸展と股関節屈曲になります。
 
ここで少し矛盾が生じます。
 
ジャンプをするためには股関節伸展と膝関節伸展が必要になります。
 
たしかに膝関節伸展のためには大腿四頭筋を鍛えなくてはいけませんが、同じ筋肉なのにジャンプにおいては拮抗する作用になります。
 
また骨盤に付着していることから骨盤を前傾させる作用が起こり体幹が起き上がってきません。
 
皆さんも一度ジャンプをする構えをしてみてください。
 
そこで膝だけを伸ばします。
 
これではジャンプできませんよね。
 
 

<ジャンプをするために必要なのは>

股関節の使い方が特に重要になります。
具体的には股関節伸展体幹の起き上がりが重要になります。
*(今回は腕の使い方や体幹部の使い方に関しては省きます)
 
そこでどの筋肉にフォーカスするのかというと

  • 大臀筋
  • 上部ハムストリングス
  • 内転筋

上記3つの筋肉です。
 
大臀筋と上部ハムストリングスと内転筋は股関節伸展に作用します。また骨盤後傾の作用もあるため相対的に体幹も起き上がってきます。
 
 

<実際のトレーニング方法>

スクリーンショット 2016-05-18 18.32.31
 
こちらはよく行うスクワットトレーニングですね。
ただこれでは大腿四頭筋が優位に働いてしまいます。
 
スクリーンショット 2016-05-18 18.32.52
 
こちらは臀筋と上部ハムストリングスと内転筋が優位に働きます。
 
具体的には以下に注目してください

  • 股関節と膝の関係
  • 膝の位置
  • 膝と足指の位置関係
  • ふくらはぎの筋肉の入り方
  • 臀筋の形

 
膝優位のスクワットなのか、股関節優位のスクワットなのか…
 
少し写真ではわかりにくいかもしれませんが、ほんの少し動作や意識、股関節・膝・足の関係性を変えるだけで全く効果の異なるトレーニングになります。
 
 

<最後に>

大腿四頭筋を鍛える弊害はこれだけではありません。今回は一例としてジャンプ力に影響することをお伝えさせていただきました。
大腿四頭筋を鍛えることを私は否定しているわけではありません。
しかしこのような要素も含んでいる、これでパフォーマンスが下がる選手がいるということを頭に入れながらトレーニングを処方してみてください。
 
このトレーニングをした後にこの選手から、嬉しい言葉をもらいましたので紹介させていただきます。
 
「試合の終盤でもジャンプ力が落ちることがなくなったし、足がつるのもなくなった。」
「オスグッドで痛かった痛みもかなりマシになって試合に影響がなくなった。」
 
最後までお読みいただきありがとうございました。