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2017年08月09日

トレーニングは「手段」であり「目的」ではない!

トレーナーの仕事は選手のパフォーマンスアップのためにトレーニングを提供することです。
 
当たり前のことだと思いますが、皆さんは今提供しているトレーニングが本当に競技のパフォーマンスアップに繋がっていると言えますか?
 
選手から「このトレーニングが実際の競技にどう活かされるのですか?」という質問に対して言葉を濁してしまうといった経験はありませんか?

JARTA認定スポーツトレーナーの萩潤也です。
 

 

<目的と手段の混同>

 
現在トレーニング方法に関しては○○トレーニング・○○メソッド等というものが溢れかえっています。様々なトレーニング方法を学び、これは有効なトレーニングだと感じたものを選手へ提供していくこともあると思います。
 
しかし、いつしか「そのトレーニングを上手くできるようになること」自体が目的となってしまい、パフォーマンスとの関係性が明確ではない状態になってしまいがちです。
 
そのため冒頭で書いた「このトレーニングが実際の競技にどう活かされるのですか?」という質問に対して明確な答えが出せないという状況に陥ってしまいます。
 
その原因は本来の目的と手段が混同してしまっているためです。
 
トレーナーがこのような状態のままトレーニングを提供してしまうことで、選手にとってマイナスの学習となってしまう可能性もあります。
 
一度整理して考えてみましょう。
 
スポーツ競技の本来の目的は何でしょうか?
 
 
 
それはもちろん勝つことです。
 
 
 
そしてトレーニングとは勝つために必要な要素を補うためのものです。
 
この競技本来の勝つという目的⇔達成するための手段としてのトレーニングという関係性が繋がっていることが必須となります。
 
ではどのようにすれば目的と手段の混同を避けパフォーマンスに繋がるトレーニングを提供することができるのか、その思考方法をご紹介したいと思います。
 
 
 
 

<やるべきこと抽出プロセス>

 

 
至ってシンプルですがこれだけです。
 
「A選手の動き」がどうかという分析はリハビリ職やトレーナーの方は評価として普段から行なっているため比較的可能かと思います。
 
問題は「その競技で要求される動き」がどれだけ分析できているかどうかになります。おすすめはその競技のトッププレイヤーの動きを見ることですが、その際には選手のプレースタイルを考慮することが必要です。
 
また、目標としているトッププレーヤーを事前に聴取し、分析することができると選手からの反応も良くなる場合が多いです。
 
分析する際には大きく3つのポイントがあります。
 
 
 
①目的:その動作はどのような目的のために行われるのか。
②運動構造:その動作はどのようなフェーズで遂行され、どのような現象によって行われるのか。(例 ピッチングのワインドアップ→コッキング→リリース→フォロースルー)
③構成要素:その動作を遂行するためにはどのような身体機能が必要なのか。
 
 
 
この3点を捉えることで「その競技で要求される動き」という分析がみえてくると思います。
 
その後は上記の式にあてはめてみることで、A選手がこの動作のパフォーマンスを上げるためにやるべきことを抽出することができます。
 
その手段がトレーニングとなるのです。
 
このように思考することができていれば、競技パフォーマンスとトレーニングの繋がりが明確に説明することができるはずです。
 
繋がりが明確であれば選手や監督・コーチも納得することができ、提供したトレーニングを真剣に取り組んでもらえ、結果にも繋がってくると思います。

 

<まとめ>

・トレーニングは手段であり目的ではない
・混同を避けるためには競技と選手を分析し、繋がりを明確にすること
 
次回の記事では今回ご紹介の思考方法を元に、実際の競技の具体的な動作を例にしてご紹介したいと思います。
 
最後までお読み頂きありがとうございました。
 
 

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