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2017年03月16日

ヘディングの時に見えているもの

「このヘディングをパスにしたいですね!!」
テレビでサッカーの試合を観ていると、解説者がこのような解説をしているのをよく耳にします。
サッカーではヘディングで相手に競り勝ったとしても、そのボールが相手に渡ってしまうとあまり意味がありませんよね?
競り勝ったのであれば「味方に繋がるパス」にするのが理想です。
 
JARTAのトレーニングで身体の質が向上してくると「味方へのパスになるヘディング」ができるようになります。

認定講師の岡元祐樹です。
 
 

【ボールを見ながら人も見る!?】

 
ボールをヘディングする時、上から落下してくるボールに対してプレーすることになるので当然目線は上になります。この時、視界から入ってくる情報が「ボールだけ」になってしまうと味方や相手の位置関係がわからなくなります。
味方や相手の位置関係がわからない状態でのヘディングは「どこにボールを飛ばせばいいか」分からなくなり、結果として相手にパスしてしまうこともあります。
ヘディングで競り勝ち、なおかつ味方の位置が分かっていればボールを飛ばす方向の選択が正しくなってきます。
そうなるとボール支配率は高まり、試合を有利に進めることができます。

 

【ヘディングが下手だった過去】

 
自分も実際にサッカーやフットサルのプレーをしている時、ヘディングがパスにならないというジレンマがありました。
ボールしか見ていないので当然です。
指導者にも「ボールをしっかり見てヘディングしろ!」と教わってきましたから。
とりあえず競り勝つことはできるのですが、ボールしか見えていないので頭に当てることしかできず、味方にパスをするという感覚自体がありませんでした。
ところがJARTAに出会い、トレーニングを重ねるにつれて、ヘディング時の視野の違いに気付きました。
ヘディングの時に視野の中に「ボールと敵・味方の位置情報」が入るようになったのです。
感覚的に言うと、ボールを見てはいるのですが、視野の下の方に人が見えている状態です。
こうなると「どの方向にボールを飛ばせば味方につながるか?」とういのがわかるようになりますよね。

 

【JARTAのトレーニングが視野にどう影響するのか?】

 
自分の経験のようにJARTAのトレーニングは視野にも影響を与えます。
具体的に言うと「周辺視野」を使えるようになるということです。
人間の見る力には「中心視野」「周辺視野」というものがあります。
中心視野は1点をクリアに見る能力(文字を読むときなど)。
周辺視野は全体をボヤッと見る能力(視野の全体像を把握する)と言われています。
サッカーでよく「視野が広い」と言われている選手は周辺視野の能力が優れていると言われています。
この周辺視野の能力を磨くために必要なことの1つに「頭の上下動を少なくする」というものが挙げられます。
動く時に頭の上下動が激しいと、周囲の状況把握が難しくなるからです。
この上下動を少なくするのに必要な能力が「大腿四頭筋の過大な出力を抑える」というものです。
大腿四頭筋は一般的にブレーキ筋といわれており、走ったりする時にこの筋力が必要以上に働いてしまうと、身体全体の上下動が大きくなってしまうという特徴があります。
脚の速い人はこの大腿四頭筋がうまく抑制できているので、走行時等の重心移動に比較的上下動が見られません。
 

【身体の使い方が視野の能力を引き出す!】

「周辺視野と大腿四頭筋」
一見関係ないように感じますが、身体の使い方というキーワードが加わることで共通点が見えてきます。
JARTAでは筋肉の収縮力に重きを置いたトレーニングだけでなく、動作時の筋の出力をコントロールするケアやトレーニングが学べます。
特に大腿四頭筋は必要ない時は「筋出力を減らす」ことが今回の視野のようにパフォーマンスアップに繋がることが多いです。
大腿四頭筋を筆頭に必要以上に筋を発揮した状態でのジャンプ動作では全身の緊張が高く重心の上下動が大きくなるだけでなく、頭部や頚部を保持する筋の緊張の高さから眼球運動やピント調整の為の筋も含めて適切にコントロールできなくなるのです。
JARTAでもお伝えしている、アブレスト能力を高めることによって過度な筋出力を抑制し、結果的に眼球運動やピント調整など必要な筋の適切な収縮力が発揮できるようになるとヘディング動作に余裕がでてくるのです。
このような視点や過程を通じて、スポーツをする方も指導する方も「視野が広がってきた」自分のような経験をしていただけたらと思います。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。