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2014年07月17日
身体づくりより動きづくり
今回は、日本人選手が世界で活躍するためのヒントになる考え方であり、ジュニア選手など育成年代に関わるトレーナーには是非知っていただきたい内容をお話させていただきます。
JARTAトレーナーの岩渕です。
先日までW杯で盛り上がっていたサッカーはもちろん、世界で戦う日本人選手を評価する際によく耳にする言葉があります。
「日本人選手はフィジカルが弱い」
今回のW杯、日本代表は1分2敗の勝ち点1でグループステージ敗退となってしまいました。
評論家や世論はコンディショニングに失敗したのではとか、監督の采配に関する指摘や、個人の能力の問題と色々な声が聞かれます。
これらの指摘の中で「日本人はフィジカルが弱い」というのは、ずっと言われ続けていることです。
こういった指摘の中、「肉体改造」や「身体づくり」といった言葉が先行し、身体を大きくしようとそのためのトレーニングが広く行われるようになりました。
W杯を例にすれば、身体の大きさという点で日本人は明らかに1回り小さいことが一目瞭然でした。
そんな日本人が「身体づくり」で世界と戦えるのでしょうか?日本人がいわゆる筋トレで「見かけ上」海外の選手と同じような体格になることで、世界で勝てるのでしょうか?
答えはいうまでもないと思います。これまでの数々のスポーツでの結果が物語っていますね。
それではどのような意識がトレーニングには必要なのか。日本人が世界で活躍するためのトレーニングのキーワードは「身体づくりではなく動きづくり」です。
身体というのはパフォーマンスを構成する一要素でしかありません。
目的とする動き、より速い動き、意図したように動く、どんな状況でも安定した動き。
このように動きにフォーカスしたトレーニングを行うことで身体は自然にそのような身体になっていきます。つまり、動きづくりにフォーカスしたトレーニングを行うことで身体づくは結果的にできているのです。
いわゆるゴールデンエイジといわれるジュニア世代では神経系の発達が最も強く、スポーツ界では非常に重要視されています。
また、第二次成長にあたるジュニアユース世代では筋骨格系が急速に発達するため身体づくりによる故障のリスクが非常に高いです。
この時期から動きづくりにフォーカスしたトレーニングを徹底的に行うことで故障も防ぐことができますし、海外選手のフィジカルにも負けない動きができるようになるのではないでしょうか。
さらに一般的にピークを過ぎたとされる年齢の選手が身体づくりにフォーカスすると若いときの身体を追い求めてしまい思うようにいかないというジレンマに陥ってしまいます。
しかし動きづくりにフォーカスをあてることで、ベテラン選手だからこそ持つ貴重な経験を活かした、今ある自分に必要な動きを追求するようになります。
若い時の状態を追い求めるのではなくその年齢や経験値に合った動きを追求することで、選手として成長し続けることに目を向けることができるようになるのではないでしょうか。
身体づくりではなく動きづくり、日本人アスリートが世界で活躍するためのキーワードです。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。