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2016年11月14日

活動報告 / 高松商業高校男子サッカー部 

いつもJARTA公式ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回はJARTA統括部長の赤山が地元うどん県に帰省して以来トレーニングサポートを継続してきた高松商業高校男子サッカー部が全国サッカー選手権大会出場を決めましたので、これまでの取り組みも含めて簡単に報告させて頂きます。
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今回は第4シードで大会に臨み、大一番の準決勝の第1シード香川西戦には大学入試でスタメン2名が不在のなか、準決勝・決勝戦共に0対0でPK戦という厳しい戦いを制しチームは11年ぶりの大会制覇を成し遂げることができました。
以下関連記事(四国新聞ニュースより引用)
http://www.shikoku-np.co.jp/sports/local/20161113000107
チームにはメディカルスタッフの理学療法士が在籍しており、赤山は月に3回〜4回のトレーニングサポートがメインの関わりとなっておりました。
また学校から近くに赤山がGM務めるフィットネス複合施設の「リブレボディ」がある為、今回決勝に出場した選手の多くは日々のコンディショニングで施設を利用しているという状況でした。

新チームになってから選手に伝え続けたこと

現3年生が2年生の時からサポートが始まりました。
監督の中長期的な強化の依頼もあり、最初の半年はハードなトレーニングができるための《身体環境作り》を徹底しました。
さほど厳しいトレーニングはせず、股関節や背骨の柔軟性を向上させるようなワークをひたすら継続しました。
その上で怪我が減り動きが良くなり始めた頃に新チームへと移行となったのが約1年前です。
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(写真は約1年前の様子、まだまだ硬さが残る選手達です。)
 
私自身ここ数年強く感じていることですが、本当の意味で身体に向き合い、パフォーマンスアップに向けての鍛錬を継続する為には《成功体験が必要だ》と思っております。
彼らにとっての成功体験は動きがよくなった、走るのが速くなったということも主観的にも客観的にも重要ですが、もっと重要な成功体験は《勝利》なのです。
新チームになってから彼らには、
「まじめにケアやワークをして身体に向き合っていれば怪我が減るのも動きがよくなるのも当然。でも動きがよくなっても勝つとは限らない。怪我が減っても動きが良くなっても勝たなければ意味がないし、勝つともっと楽しいぞ!!」
そう伝えてきました。
もちろん勝利至上主義ではありませんが、身体に真剣に向き合う先にある《勝つ為に必要な要素》を考え向き合ってもらうことがこの1年間の目的でありました。
 

彼らにとっての勝つための3つの要素とは?

新チームになるまでの関わり始めて約半年で新チームになる頃には当初多かった鼠蹊部の痛みや腰痛、膝の痛みで練習ができないような選手はかなり減ってきました。
(現在は60名程度の中で慢性障害で練習を欠場する選手はおらず、今大会でもレギュラー陣にパフォーマンスに影響する怪我や痛みは発生していませんでした)
そこで彼らには普通の基準を上げることと成功体験をしてもらえるように勝つ為に重要な事があると下記の事を伝え続けました。
第一の要素は
ハードなトレーニングを継続しても怪我をしにくくなる身体を維持すること。
これが最低限の彼らに伝えた要素でありそれが実現するために必要な股関節や脊柱・肩甲骨の柔軟性をいくつかの指標を設けて毎回のトレーニング前にチェックしました。
日々のウォーミングアップで上記がチェックできるようにすることでチーム全体として身体が硬いとまずい、怪我をするということはまだまだ硬くて上手く身体が使えてないからなのだ。
そのようにかなり高い指標での柔軟性の必要性を意識付けすることができました。
第二の要素として
身体の使い方がよければトレーニング後にはさらに股関節や背骨の動きがよくなる!!
週に1回のトレーニング時間にはハードなトレーニングの最後の最後で股関節や背骨の柔軟性がなければ実施することが難しいゲーム形式でのワークを実施してきました。
そのゲームに勝つにはハードなトレーニング時に余計な身体の硬さが出現しないように最大限に意識しなければなりません。
またJARTAでお伝えしているアロース(筋や関節の動きを呼び起こすようなJARTAの概念)のようにトレーニング間に身体をほぐすように自然となります。
そうすることで試合終盤でも良い動きができるようになりますし、長い練習になればなるほど故障をしてしまうという負の連鎖から脱する事ができます。
第三の要素は
勝つためにはチームの共通認識として高い集中力と切り替えの早さが重要である!!
怪我をしなくて動きが良くなっても勝つとは限らず勝利にはその先にはある集中力やチーム全体の共通認識や切り替えが重要であることは極々一般的であると思います。
多くのチームにおいて指導者やキャプテンが色々な手法でそれを実現できるように工夫されていると思います。
私がトレーナーとして上記観点でできることは、やはりトレーニングの指導でありその際の意識付けでした。
身体の柔軟性や連動性がなければ実施することが不可能で高い集中力がなければ成し遂げることができないトレーニングを毎回のトレーニングの時間に設け実施しました。
60人近くの選手全員が成し遂げることができなければ成功ではないというように設定することで自分だけできればいいという視点はなくなります。
またトレーニングの準備が遅ければ試合の重要な場面で切り替えが遅く命取りになるとトレーニングの状況設定と試合やサッカーとの状況とを重ね合わせるように伝え続けました。
トレーニング時の意識だけでなくその前後の意識も勝敗を決する場面では非常に重要だということを言い続けたのです。
 

勝つ要素を揃える為に継続した日々のコンディショニング

彼らが継続しているウォーミングアップやトレーニングはJARTAセミナーでお伝えしているPWU(プレウォーミングアップ)やウォーミングアップ、トレーニングになっています。
チームとしてはそういったウォーミングアップ、トレーニングを実践しつつ施設に継続的に来ている選手はより繊細な部分までコンディショニングをしていました。
継続的に身体に向かい合うPWUやトレーニングを継続している彼らにとって日々のコンディショニング自体がパフォーマンスアップに向けての取り組みとなっていたのです。
「肩甲骨をもっと使いやすくするにはどうすればいいですか?」
上記コメントは決勝二日前にある選手が施設にて私に質問した内容です。
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(質問した彼の現在の肩甲骨です)
その際には股関節と背骨と肩甲骨が連動・分離できるようなワークを提示し、指導しました。
身体環境が変わることでパフォーマンスが向上することを実感している彼らにとって準決勝から決勝までの1週間あればまだまだ伸びしろを伸ばすことができる。
そのように確信しておりそれを日々継続してくれているのです。
ちなみに彼は決勝の後も一人だけ施設にコンディショニングに訪れており、意識の高さに感心させられました。
 
まだまだ荒削りで全国大会で勝利するには足りない要素が山のようにありますが、彼らの伸び代をあと一ヶ月半一緒にトレーニングできることに喜びを感じます。
 
 
サポートしているチームだけでなく多くの選手にとって怪我なく自分の伸び代を感じながら真剣に勝利を目指して日々の鍛錬を継続してもらたいと心の底から感じています。
 
このような記事が一人でも多くの選手にとって刺激になればと思い報告させていただきました。
実際の内容や詳細についてのご質問は下記までご連絡いただければ可能な範囲でお答え致します。
赤山僚輔
r.akayama@jarta.jp
最後までお読み頂きありがとうございました。