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2015年01月22日

科学的根拠について

JARTA代表の中野はセミナー会場や指導の場で、「選手は科学的根拠など1mmも必要としていない」と話します。
 
JARTAには「すべてはパフォーマンスアップのために」というコンセプトがあり、この中には結果を出すためには手段を選ばないということが含まれています。
この真理はどういうことなのでしょうか。今回は科学的根拠についてある側面からお伝えしていきます。
 
JARTAトレーナーの岩渕です。
 
「選手は科学的根拠など1mmも必要としていない」
「結果を出すためには手段を選ばない」
 
JARTAのセミナーに参加されたことがある方や、JARTA認定スポーツトレーナーと関わりのある方は、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
これは中野が現場でリアルな経験を重ねた上での、言わば選手目線に立ったときにトレーナーとして必要な心構えです。
 
先に結論を言ってしまいますが、科学的根拠(エビデンス)を軽視している訳では決してありません。「知っていて当然。その上をいけ!」という意味です。少なくとも私はそう捉えています。
 
JARTAは主に理学療法士、作業療法士から構成されるトレーナー団体です。国家資格であるPT、OTがその分野のエビデンスを重要視するのは当然です。専門職として医療に携わる以上、知っておく責任があるからです。
では医療における科学的根拠とはなんでしょう?
 

医療科学について

「科学とは何か」に関してはあまりに壮大なテーマであるため、ある側面からお話します。
まず医療行為を支えている科学、いわゆる根拠に基づいた医療(EBM)を支えているのはほとんどは確率的情報です。確率的情報とは「Aという病気には◯◯という治療法が△△%の確率で効果的である」というものです。
 
つまり症状に対して最も効果的な(確率の高い)手法を「エビデンスがある」とか「エビデンスが高い」という表現をします。
確率的情報で構成される医療科学に絶対はなく、どれだけ高いエビデンスのある方法もイレギュラーが必ず存在します。100%や万能な方法はないってことですね。これはみなさん実体験として感じていると思います。
 
また、科学的研究は厳密に設定された一定の条件のもと実験・検証を行います。実際の現場ではこの一定の条件を再現することは限りなく困難です。
科学で証明されているものは現実に起こっていることのごくわずかです。これは科学者が言っていることです。
 
科学的根拠などないのに人は当たり前にそこに存在し、スポーツを見て勇気をもらったり感動したりしていますよね。科学は科学的には証明できないものを「科学的ではない」と表現します。しかし現実は科学的に証明できないものだらけです。
もっと言うと科学化されていないことを解明していく作業こそ科学化するということになるのです。
 
ということは、エビデンスに基づくだけでは限界があることがわかると思います。何より既存のものにとらわれていては新しいものを生み出す事ができません。
 

トレーナーとしての覚悟

つまるところ選手は切羽詰まっているのです。
・ パフォーマンスを上げたい
・ 身体にある痛みをどうにかしたい
・ 現役を続けたい
・ プロになりたい
・ 勝ちたい
1分1秒でも早く結果を求めています。そういった選手の気持ちを代弁したのが「選手は科学的根拠など1mmも必要としていない」「結果を出すためには手段を選ばない」という考え方です。
 
トレーナーとして選手を支える覚悟を持てという意味です。繰り返しますがエビデンスを軽視しているわけではありません。
知っていて当たり前だと言うことです。逆に言えばエビデンスを知らないのは話にならないということです。
 
知った上で目の前にいる選手やチームのために、手段を選ばず最善最良の方法を施し、とにかく結果を出すことにフォーカスしようということです。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
科学的根拠について