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2015年12月01日
知らないと損をするサッカー選手の○○の評価
サッカー選手のパフォーマンスを改善するためにはどこを評価すればいいでしょうか?
つくばを中心に活動しております、認定スポーツトレーナーの吉田です。
一般的には
- 大腿四頭筋、ハムストリングス筋力の筋力
- 大臀筋の筋力
- 股関節周囲の可動性
- 体幹のスタビリティ
などの下半身〜体幹を中心に評価することが多いと思います。
では下半身〜体幹以外にサッカーのパフォーマンスアップにつながる評価はあるのでしょうか。実は足を使うスポーツだからこそ他の部分が盲点になりやすいのです。
今回はサッカー選手を評価する際に盲点となりやすい○○の評価をお伝えします。
1サッカー選手の盲点となる○○の評価とは
サッカー選手を評価する際に盲点となるのは
「上半身の評価」です。
主にポイントとなるのは3つの部分。
- 肩甲骨
- 肋骨
- 胸椎
いわゆる肩甲胸郭関節を構成する部分の問題が非常に重要となります。
サッカーのキック動作を考えてみた時に体のどこからエネルギーが生まれるか考えてみましょう。
膝や股関節でしょうか?
もしくは腹筋や背筋群からでしょうか?
実はサッカーのキック動作時のエネルギー源として重要となるのは「脊柱の捻れ」なのです。
脊柱を分類してみると頸椎・胸椎・腰椎となり、解剖学的特徴から
頸椎と胸椎の回旋可動域が最も大きくなります。
サッカーにおける頸椎の役割としては、ボディバランスの保持や目標対象を見るなど頸椎が固定に働く要素があり必然的に胸椎の回旋が要求されやすくなります。
またキック動作時に腕の振りを要求されることも胸椎の回旋が必要になる理由の1つです。
胸椎の回旋が行えることにより捻れの力が上半身〜下半身に伝わり
強力な力を生み出します。
この際に肩甲骨と肋骨に可動性がなければ回旋の動きは止まってしまいます。
また肩甲骨・肋骨・胸椎の可動性があると力を生み出すだけではなく、バネのように衝撃を分散することが出来るのでサッカー選手に多いグローインペイン症候群や腰痛などの障害も予防することが可能です。
しかし多くのサッカー選手はこの上半身の固さが非常に目立ちます。一体なぜでしょうか?
2サッカー選手の上半身が固くなる理由
サッカー選手の上半身が固くなる原因は足を使い過ぎることにあります。
簡単な実験をしてみましょう。
以下の3つの方法でボールを蹴ってみましょう。
1膝関節を中心とした蹴り方
2股関節を中心とした蹴り方
3体幹を中心とした蹴り方(体幹は固めない)
おそらく1・2はキック動作時に上半身が固まりやすく可動域が小さくなります。
サッカーは競技特性として足を中心とした動きになりやすいのです。
足に意識が向き足の力でボールをコントロールしようとします。
人によって「足」という認識は異なります。一般的には足関節や膝関節が足であるという人が多いです。だから1や2のようなキック動作を行う人がいるのです。
しかし足はどこにつながっているでしょうか?
足がつながっているのは体幹です。
体幹と足をつないでいる筋肉はJARTAで重要視している「大腰筋」だけなのです。
大腰筋の起始部は胸椎の横突起になるので、大腰筋を使用した蹴り方は自然と上半身も連動しやすくなります。
一方、足関節や膝関節を中心とした蹴り方では徐々に上半身が不使用になり固くなってしまいます。
体の構造から考えると、3のように足だけに意識させるのではなく大腰筋・上半身を使って全身のバネを利用したキック動作が望ましいのです。
3すぐ出来るサッカー選手の上半身の評価
では具体的なサッカー選手の上半身の評価を1つだけお伝えします。
肩甲骨・肋骨・胸椎の動きを1つ1つ背臥位で確認するだけでは不十分です
サッカーという動作を考えてみましょう。
サッカーは背臥位で行うスポーツではありません。
立位の状態でドリブル・パス・シュートという動作を行います。
つまり立位で上半身の自動運動を評価する必要があるのです。
今回は簡単にその場ですぐできる評価方法をご紹介します。
写真のように腕を高く挙げて交互に振るだけです。
評価のポイントは
- 脊柱の回旋の動き(胸椎を中心とした捻りになっているか)
- 肩の挙上角度(肩甲骨・肋骨の動きがスムーズか)
- 脊椎の代償動作(腰椎の過剰な前湾など)
主観的な評価にはなりますがこれらの動きが問題なくスムーズに動いていかどうかを評価していきます。
まとめ
今回はサッカー選手の上半身の評価とその意義についてお伝えしました。
現在JARTAでは、ブンデスリーグ ポツダム所属の永里亜紗乃選手をサポートしています。
彼女の上半身の変化がパフォーマンスアップにつながるかもしれません。
今後の活躍にご期待ください。