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2016年07月15日
小学生年代への介入で成果を出すために有効なこと
近年、世界レベルの大会でも10代の選手の活躍が目立つようになってきています。
また、スポーツ開始時期においても、低年齢化が進んでいると言われます。
効率的に競技スキルを上げるためにも、発育発達の時期に合わせた専門性の高いコンディショニングは早い段階から求められてきていると言えます。
認定講師の高塚です。
少年野球チームのトレーナー経験の中で、感じてきたことを書かせていただきます。
障害予防の観点からも、何らかの形でトレーナーとの関わりを求めているチームが多いのが現状ですが、専属もしくは定期的にトレーナーが関わっているチームは稀ではないでしょうか。
トレーナーから、選手・チームへの単発的なコンディショングの啓蒙活動も最近では増えていますが、一時的な取り組みで終わってしまうことが多いと感じます。
では、トレーナーがチームに頻繁に関われない場合どうすればよいいのか。
チーム練習でのコンディショニングメニューは指導者の方に情報を伝えることは有効な手段となりますが、それだけでは限界があります。
この年代で成果を出すために最も有効で欠かせないこと。
それは、選手・指導者だけでなく、「保護者の教育」です。
この年代の選手の心身の状態は、色々な意味で家庭環境に依存されます。
様々な保護者の方がいますが、選手達のために何ができるかという視点を持ちながら、一生懸命な保護者の方が多いのは確かです。
しかし、選手のためになる保護者の関わり方は、これが正解という型があるわけではありません。
選手の性格、家庭環境、指導者や保護者との関係性、チーム内での立ち位置など、多くの要素を考えた上で、関わることが重要です。
これはトレーナーも同様ですね。
選手に対する、保護者の関わり方での悪い例として
「一方的過ぎる過度な期待」、「無関心(※)」があります。
※応援していないというわけでなく一部、無関心な側面があるという意味です。
一例ですが、日常的に夜遅くまで外出をすることや、食事の時間が不規則かつ偏った食生活などの生活習慣の乱れ(スポーツ活動以外の時間)がスポーツ活動(心身の状態)に影響することを考慮できていないなど。
選手が伸び伸びと楽しく前向きにスポーツに取り組むための適切な関わり方が各家庭で、選手それぞれに合わせてあるはずです。
この年代は、一人で自発的に何かを継続することが難しいということもありますが、保護者の方が選手と一緒に1日の中で、少しでも時間を割いて、目標に向かって努力するサポートをすることに意味があります。
特別なことができなくても、話を聞くなど、興味を持っているということを何らかの形で示すだけでもいいと思います。
また、勝負の世界では必要なことですが、過度なプレッシャー、過度な緊張を感じながらプレーしている選手は注意が必要かもしれません。
息抜き、気分転換がうまくできているかどうかを把握して、対応してあげなければ、それが疲労蓄積や怪我の発生に関係してくる要素にもなりえます。
経験上、この年代で繰り返し怪我をする、怪我が治りにくいという選手はこのような部分での影響が非常に大きい印象があります。
そのために、最低限守っていただきたい生活習慣についての考え方や、保護者の方も簡単に行うことができるような心身のチェックポイントやケア、トレーニングの方法なども可能な範囲で学んでほしいのです。
今後、JARTAでも現場の指導者・保護者の方も含め、何らかの形でこれらのことは伝えていきたいと考えています。
家庭の事情でどうしても変えられない事、できないこともあると思いますので、トレーナー側の考えを、無理に押し付けないように。
納得してもらった上で、選手のために行えることを今のうちから習慣にしてもらうことが選手達の今後も続く競技生活の中でも活きてくるはずです。
- 選手・指導者だけでなく、いかにいい形で「保護者を巻き込む」か。
- トレーナーと保護者が協力して、「選手一人一人に合わせた対応を、包括的に考え、介入する」
現場だけでなく、病院やクリニック、治療院などに来られたこの年代の選手に対してもこのような視点も持ちながら問題点、改善点を探してみてください。
最後までお読み頂きありがとうございました。