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2015年11月09日
仲間から同志へ〜初の合宿研修が意味するモノとは〜
2015年10月31日〜11月1日の2日間香川で行われた、JARTA2015合宿の報告をさせていただきます。
今回の合宿は認定スポーツトレーナー向けの義務研修の延長でブラッシュアップセミナーとしての位置付けで開催されました。
合宿の目的5か条
今回このような形でセミナーを開催した目的は、義務研修だけで伝えきれないJARTA認定スポーツトレーナーが今後担うべき役割と覚悟、方向性を明確化することにありました。
①:JARTAセミナーの内容を現場・臨床に繋げる視点を得ること
②:JARTA認定スポーツトレーナーが担う役割を明確に認識する
③:「手本をみせられる」身体になる、身体になり方を習得する
④:分からない事を理解し、自分が分からない事でも仲間が分かる事を理解する
⑤:終わりのない学びに歩んでいる事を認識し今後のトレーナーとしての目的・目標を明確にする
また中野より
『120%』
『思考』
『成長』
という3つのキーワードからどのように我々が歩むべきなのかという心構えが合宿の冒頭で伝えられました。
合宿内容
今回の合宿で実施した研修内容は以下の通りです。
・シェアリング(課題の抽出と克服)
・各種動作における評価ポイントと改善のための有効なワークのプレゼン
(しゃがみこみ・肩の動き・背骨のねじり)
・セミナーアップデート内容の確認
(アブレスト能力、Tレフストレッチ3つの目的、封力システム等)
・各種スポーツにおける代表的な怪我の発生機序のプレゼンと怪我の改善・パフォーマンスアップに有効なトレーニングのプレゼン
(前十字靭帯損傷、慢性腰痛、アキレス腱炎、投球障害、シンスプリント)
・応急処置BLSについて講義
・現場介入・対応について講義
・症例検討(プロボーラー・アメフト)
・治療実況中継(講師4名からプレゼン優勝チーム受講者4名へ)
慢性障害をゼロに、そして障害予防とパフォーマンスアップを繋げる思考の獲得へ
JARTAが繰り返しお伝えしている思考に『手段を選ばず』という観点があります。
選手が結果的にパフォーマンスが上がり、怪我を克服することができれば方法論はなんでもいいとお伝えしています。
『全ては選手のために』
という視点がそうさせるのです。
もちろんある一定の視点で効果的な方法論はたくさんお伝えしていますが。
しかしなんでもいいでは話にならず、選手に一貫性をもって指導にあたるには共通認識が必要です。
トレーニング方法もある方法を否定して仮にJARTAトレーニングが導入・推奨されても結果的に否定されたトレーニングをして競技力が上がっている選手に対してはネガティブな印象しか残りません。
否定からは否定しか生まれないのです。
常に選手目線でそのトレーニングがどういう観点で効果的でどういう観点ではマイナスの学習になる可能性があるのか。
運動の構造もスポーツ動作の構成要素もそのコーチの指導する観点や違うトレーナーが指導している観点など、その季節や環境・カテゴリーなど全てを包括し結果的に選手にとってベストな環境を設定してあげる必要性が我々にはあるのです。
今回の合宿では初日のナイトセミナーで地元中学のバスケ指導者が5名こられ、鋭い質問にプレゼンターは受け答えしていく過程で知識や思考の未熟さ、今後学び進めていく方向性について再確認できました。
我々が目指す指標は、指導者や選手が腑に落ちるレベルで納得して頂けるレベルです。
そのためには全てを統合化する柔軟な思考やその場での臨機応変な対応などセミナーで方法論を伝えるだけでは不十分な部分が多分にあるのです。
そのため今回は可能な限り受講者がアウトプットする場を用意させていただきました。
しかも実際の指導者の前、他のトレーナー40名以上がいる緊迫した場面で。
それはそれは緊張感のある痺れる空気感でした。
特に日本人は理解していなくても知ったかぶりをするので。
その点も考慮して腑に落ちさせる。
そのために足りない視点が今回の合宿参加者は感じられる時間であったのではないかと思っています。
もちろんそこに至るには明確なゴールもなければこれで終わりという指標もありません。
指標はあるけど、そこは終わりではない。
まさに終わりのない旅の始まりが今回の合宿であったのです。
仲間から同志へ
JARTAでは認定スポーツトレーナーをはじめ、受講された皆様との関係性を重要視しており度々仲間という表現を使います。
それは馴れ合いの仲間ではなく、時に助けあい、厳しく叱咤激励をし合い、弱点を補填し合う仲間という風に認識しています。
今回の合宿では厳しい、本当に落ち込んでしまうような場面も多々ありましたがナイトセミナーの後には楽しいゲームもしました。
全国の仲間が同じ時間を共にするのは本当に刺激的で有意義な時間となりました。
この仲間とこれからも一喜一憂して選手のために奮闘したいと心の底から感じています。
そしてその仲間から同じ志を持ち、互いの手段は違えど目の前の選手やクライアントのために全力をつくす同志に。
そのための共通認識を持つことがこの合宿の大前提となる目的でした。
次の合宿は6月にまた香川で開催予定です。
毎年開催される合宿の度にJARTAはさらに前へと進んでいきます。
その道が選手にとって幸せになる方向であると信じて。
最後までお読み頂きありがとうございました。
JARTA統括部長
赤山僚輔