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2015年09月10日

一般の方よりもアスリートの方がアプローチしやすい?

一般的な話で、アスリートの世界はハードルが高いと言われていたりしますが、果たしてそうでしょうか?病院やクリニックで経験を積まないとアスリートのトレーニングやコンディショニングはできないような言われ方をします。その点について一例を述べたいと思います。
東海地区で活動する認定スポーツトレーナーの田中紀行です。

結論から言いますと、目的の明確さと言う点においては、一般の方に比べてアスリートの方が圧倒的に関わりやすいです。
イメージして見てください。
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【腰痛で来院された一般のAさん】
セラピスト:今日はどうされました?
Aさん:実は腰が痛くて…
セラピスト:腰が痛いのですね。どのような時に痛みますか?
Aさん:腰反るととても痛いのです。なんとかしてください。
セラピスト:日常生活のどのような時に痛みますか?

と言う具合に問診を進め、評価を実施していくのが日常的であると思います。一般の方は『痛みがある』という点についての意識が高いため、その点について言及していくと逆に上手くいかないケースが多々あります。痛み以外への発想の転換がとても苦手な方が多いのが原因のひとつとなります。
つまり、上記の問診で痛みについて追求し、ベッド上等でアプローチした結果、もし痛みが取れないとAさんの発想として『痛みを取ってくれなかった』という状況になり、セルフトレーニングやコンディショニングを継続する事へのモチベーションが下がってしまうことが考えられます。
セラピストとして痛みの改善に難渋するケースは多々あると思います。痛みという要素的な一面に捉われすぎると本質を見失う可能性があるので注意が必要です。
一方、スポーツ選手の場合は目的を明確にしやすいです。
何故その痛みが困るのか?
自分のパフォーマンスにおいてその痛みはどのような弊害になっているのか?
痛みが軽くなることでパフォーマンスはどう変わるのか?
パフォーマンスが上がればどのような成績をあげられるのか?
成績が上がることで来シーズンはどんな展望が持てるのか?
と言うように痛みに執着するのではなく、その先の本質的に自分がなすべき目的にコンディショニングやトレーニングを位置付けすることができます。
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(写真:名古屋大学ラクロス部の練習中の戦術確認の場面;選手は常に目的意識を持ってプレーに取り組む)
一般の方でも発想の変換、目的意識を明確にすることが得意な方もお見えですが、スポーツ選手は常日頃から目的を持って行動しているため、その点においては一般の方よりもアプローチしやすいと言えます。
逆に言うと、スポーツ選手にアプローチする際に目的と言う点で要素的になると、信頼関係を築きにくいため注意が必要です。
スポーツには、学校の部活からプロスポーツの世界まで幅広くありますが、少しでもスポーツの世界を知る事により知識、技術や経験の幅は格段に広がると思います。
スポーツ選手と関わっていくことは、選手が日々の努力に裏付けられた結果に対して、感動を共有することができます。少しでもスポーツに興味がある方は、身近なところから行動してみてください。スポーツは本当に素晴らしいものですから…
そんな私は、JARTAの考え方はスポーツの分野だけでなく、リハビリテーションの臨床にも十分に応用できると考えています。要素的なものの考え方でなく、関係主義的にパフォーマンスや動作をフォーカスする術を学び、一緒に成長しましょう!
【東海地区の皆様にお知らせです!】
東海地区では年内にベーシックセミナーを開催する準備をしています。日々の臨床の幅を更に広げる意味でもスポーツの世界を覗いてみてください。準備でき次第告知させていただきます!
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