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2016年01月07日
ハイパフォーマンスの必須要素「RSSC」
世間一般的に体のバネと評される伸張反射(SSC:StretchShortening Cycle)というものがあります。この能力を高めていく事がパフォーマンスアップにつながる一つの要素である事は言うまでもありません。
JARTA認定スポーツトレーナーの谷口です。
しかし、実はこれだけではパフォーアンスアップには不十分なのです。
SSCの発展系である回旋系伸張反射(RSSC:Rotator Stretch Shortening Cycle)という能力があります。(『骨盤力』手塚一志 著 より)
各種目のパフォーマンスはRSSCの運動原則に成り立っていると言っても過言ではありません。
この能力を最大限に高めていくことをJARTAでは非常に大切にしています。
伸張反射(SSC:StretchShortening Cycle)」とは
ではまずSSCとはどういったものなのかを紹介します。
SSCとは脊髄反射の一つで、骨格筋が受動的に引き伸ばされると、その筋が収縮する現象です。この収縮は、筋肉の伸展によって生ずる張力を、その筋肉の中にある筋紡錘が感受しておこるものです。
これをスポーツで取り入れる利点は
- 動きに無駄がなく運動効率が高い
- 再現性が高い
- 省エネである
- ハイスピード ハイパワーを生む
- 怪我の防止が出来る
上記のような大きく5つが利点としてあげられます。
このSSCの発展系であるRSSCは体内のそれぞれの回転軸が異なる3ヶ所が重ね合う事で末梢を螺旋状に加速される運動様式の事です。
あらゆるシチュエーションの中でハイスピード・ハイパワーが要求されるスポーツの場面では、屈曲-伸展と直線的な動きではなく股関節 肩関節が運動に参加する3次元の運動であるはずです。
下肢においてのRSSC
では、下肢においての回転軸となると
- 股関節
- 脊柱
- 仙腸関節
上記3つが中心となります。
疾走中の着地時には股関節が外旋位となり腸骨が開き、脚全体が外向きのスパイラル状にねじられる事で脊柱にも回旋が加わり、脊柱や骨盤に起始・停止を持つ筋肉に対してストレッチが加わった状態となっています。
そこから離地期に至るまでに、今度は逆に腸骨は閉じ脚全体が内向きのスパイラル状にねじり込まれると同時に脊柱にも回旋が加わる事でRSSCが誘発されます。
これが1サイクルであり、反対側と交互に同じ事を繰り返している連続運動がランニングの運動構造となっています。
また、RSSCを誘発させる為には各関節に可動性があることが重要な要素です。
脊柱の各椎体にも可動域が必要ですが、脊柱を鋭く回旋させるために特に仙腸関節の可動性が必要となります。股関節で脊柱を回旋させようとすると慣性モーメントが大きくなり
慣性モーメントが小さく鋭いRSSCを誘発する事が出来ません。
このどこか一部に制限があると他の隣接した関節で動きを補う必要があるため怪我の要因にも繋がり、また脊柱を介して上肢下肢の協調した運動連鎖が途切れてしまうためパフォーマンスアップにはつながりません。
各関節に必要な可動域がある前提でさらに、動作に近い状態で可動域を得る事が必要となってきます。
また、可動域のみではなくそれを使いこなす体の使い方が重要となってきます。
アスリートに必要な体というのは現在流行りの体幹トレーニングのような体幹を固めて末消を動かす運動様式だけではなく体幹をしなやかに使いその動力を末梢に伝える運動様式も大切である事がご理解いただけると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。