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2015年12月28日

トレーニング難易度を変えてアブレスト能力を高める

選手にトレーニングを提供する際に、目的とするパフォーマンスの達成度を判断して難易度を決定するとおもいますが、皆さんはどのように考えてみえますか?
JARTA認定スポーツトレーナーの田中紀行です。

本日は、私が多く関わるバレエダンサーの基礎の動きを指標として、トレーニング難易度とアブレスト能力についてお話ししたいと思います。基本的な内容ですが、整理しておくと役立つと思います。
 
バレエダンサーのレッスンは、バーを用いた基礎レッスンを毎日必ず行います。90分のレッスンを行うとするとその半分ぐらいはバーレッスンに時間を費やします。バレエの基礎レッスンは、フィギュアスケートや体操の選手等もトレーニングとして取り入れる程、身体の基礎的な土台として重要視されています。
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(海外におけるバレエダンサーのレッスン風景)
 
バレエダンサーは身体機能を用いて最大限身体を表現するため、基礎の動きが不十分であるとパフォーマンスが落ちるばかりでなく、怪我を招いてしまいます。そのため、基礎の動きも非常に細かく細分化されています。
 
その中でも身体機能の土台となるプリエと言う動きについてお話しします。プリエは片脚または両脚の膝を曲げる動きで、ほとんどすべてのパフォーマンスに含まれるとても大切な動きです。JARTAの動きではインナークワットに非常に似ています。
 
では、レッスンで最も基本になるプリエのポジションを見てみましょう。
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(第2ポジションのプリエ)
このポジションは、第2ポジションと言い左右の足の間を1足から1足半分横に開いています。支持基底面も広いためバランスが取り易く、可動域、筋出力、重心の変化、身体の使い方、スピード、リロード等にフォーカスしてトレーニングするのに非常に適しています。つまり最も難易度は低い動作です。
 
この第2ポジションから両脚の膝とつま先を真横に向けて、踵が互いに触れ合うようにして立つのが第1ポジションと言います。
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(第1ポジションのプリエ)
 
第1ポジションは支持基底面を狭くした分、バランスがとりにくいため常にバランスに配慮してトレーニングを行う必要があります。
つまり、バランスと可動域、バランスと身体の使い方と言った『同時に実現できる力』アブレスト能力を発揮する必要があります。
 
さらに第5ポジションとなると両脚の膝とつま先を真横に向けて、前の足の踵が後ろの脚のつま先に触れるように重ねています。
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(第5ポジションのプリエ)
 
第5ポジションは、支持基底面の狭さだけでなく、股関節の捉えや重心コントロールも要求されるため、このポジションでもプリエ動作は、まさに『同時に実現できる力』を最も必要とするトレーニングとなります。
 
このようにバレエにおいては、プリエという基礎トレーニング一つにしても、様々なポジションにて実施することにより、アブレスト能力を高める方法となり得ています。さらに質の問題がクリアできれば量を負荷すると言った段階を経て、パフォーマンスを上げる手順となっていきます。
 
これらの考え方は、すべての場面や様々な競技においても汎用性があり、整理しやすいと思いますので、是非取り入れてみてください。
 
お読みいただきありがとうございました。