NEWS(最新情報)
2015年07月10日
グローインペインの評価ポイント
切り返し動作や、キック動作の繰り返しによって発症するといわれているグローインペインですが、
今回はソケイ部痛とともに特に多い内転筋近位部の痛みが出た場合の評価ポイントについてご紹介します。
JARTA認定講師の山岡俊也です。
内転筋近位部が硬くなる原因について1点チェックしていただきたいポイントを書いてみました。
最初に少し余談を
私の関わっている中での印象(サッカー)としては中1の選手に多い印象です。
なぜ中1に多いのでしょうか⁇
その理由で外的因子として考えられるのは、サッカーで使用するボールにおいて小学生は4号球(350~390g)を使用しますが、中学生からはプロレベルでも使用している5号球(410~450g)に移行していきます。
重さはメーカーにもよりますが最大100g程違ってきます。
この重さの違いがキック動作(特にインサイドキック)によって内転筋群近位部の負担を大きくしていくと考えられます。
さらに選手心理としては、
遠くに飛ばしたい‼︎
スピードのあるボールを蹴りたい‼︎
とサッカーをやっていたら誰もが思うところです。
ちいさな体で重くなったボールを力いっぱい飛ばそうとがんばるので余計な力みが生じ内転筋近位部の負担はさらに大きくなり痛みへとつながってきます。
しかし上記のような重さの変化はきっかけにすぎず、
小学生のころからたまに痛くなったりしていたという選手が多いようです。
内転筋を硬くさせているポイントとは
では何が問題なのか。
ここから本題です。
内転筋群を硬くしているのは身体環境の影響が大きいです。
ポイントは大腿骨内旋位(前方偏位も含まれる場合もある)であるということが1つ挙げられます。
大腿骨が内旋位にあり、下腿が外旋すると内転筋群の緊張は高くなり常に内転筋に緊張が入った状態でプレーすることになります。
さらに腹直筋などに過度な緊張・硬さがあれば恥骨が上方へ引き上げる張力が働き、内転筋の緊張度合いはより増します。
この状態でキック動作を繰り返すと負担がより増大することは間違いありません。
大腿骨が内旋位になる原因としては、前捻角の不足や臼蓋形成不全などの形態異常、股関節前面の組織の硬さなどが挙げられます。
また腹直筋の緊張の差についてはキック動作の量的なものに左右差があることや腹直筋の過活動などが挙げられます。
上記流れがあると考えると内転筋が硬いから内転筋をストレッチするだけでは中々症状は改善してきません。
しかし大腿骨を内旋位にさせている原因にアプローチしてみると内転筋群の負担が減少し痛みがとれることがあります。
そこにはアプローチだけでなく不必要に緊張を増大させてしまっている腹部の筋に対するトレーニングの再考も重要となります。
具体的なアプローチ部位としては股関節前面の組織(関節包、靭帯、筋肉)などです。
(もちろん身体環境を整えてからのトレーニングも必要ですが。)
他にも大腿骨を内旋位(前方偏位)にさせる原因はたくさんあると思います。
こういった原因の原因を追求し、そこにアプローチをすることが非常に重要であると考えています。
詳しい点につきましては、お問い合わせいただけましたら幸いです。
お問い合わせ
最後までお読みいただきありがとうございました。