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2014年12月12日

アスリートにとっての頭の位置

アスリートのプレー中の動作を見ているときに、頭の位置に注目したことはありますか。
 
JARTAトレーナーの枝次です。
 
先日アスリートの動きについて考える機会があったので、動画、写真を見ていました。
そこで一流アスリートはプレー中「頭の位置は水平である」ということに気が付きました。
 
頭の位置1
 

頭が水平であるメリット

頭が水平に保たれることで、目の高さ、耳の高さは一定になります。
アスリートにとってバランス感覚は重要な能力です。バランス能力は「静止または動的動作における姿勢維持の能力」と定義されています。
 
またバランス能力とは、平衡機能、バランス感覚などと同義で姿勢の安定を保つ能力であり、筋収縮を巧みにコントロールする能力であるとしています。1)
 
姿勢維持の能力として機能するひとつに平衡感覚があります。
平衡感覚は、運動している時や重力に対して傾いた状態にある時にそれを察知する働きをしています。
 
人の身体の平衡感覚は前庭感覚、深部感覚、皮膚感覚、視覚が作用するといわれています。
アスリートはプレーしている動作、姿勢すべてにおいて平衡感覚を働かせています。平衡感覚を働かせることで、いま自分の身体がどの程度傾いているかを判断し次の動きに活かします。
 
一流アスリートは頭を水平に保ちバランス能力が維持され、プレー中も安定した身体の使い方が可能になります。
頭の位置2
 

頭を水平に保つ条件

頭を水平に保つためには、頚部と頭蓋骨の間の筋肉がゆるんでいることが条件です。
 
頭蓋骨と頚部をつなぐ筋肉に後頭下筋群があります。
後頭下筋群とは
1.大後頭直筋
2.小後頭直筋
3.上頭斜筋
4.下頭斜筋
の4つの筋肉です。
 
後頭下筋群は頭部の伸展、回旋、側屈の作用があり、この作用が様々な姿勢をしたときに目線を水平に保つための調整をしています。そこで、後頭下筋群が固くなっていると頭は水平に保ちにくくなります。
JARTA講習会では、頸椎調整のテクニックを紹介しています。
参照) JARTAベーシックセミナー
 

まとめ

一流アスリートはプレー中、頭を水平に保っています。
サッカー、ラクロス、バスケットボールと接触プレーが多いスポーツでも、頭を水平に保つことが重要になります。
 
頭を水平に保つためのポイントは、後頭下筋群がゆるんで機能することです。
アスリートの動きを見るときに、頭の位置に注目することで、選手のパフォーマンスアップに繋がる活路が見つかればと思います。
 
最後までお読みいただきありがとうございます。
 
【文献】
1) 内藤久士(1991)高齢者のバランス能力 体育の科学41,9,719-724