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2016年07月23日
【怪我を予防するために必要なトレーナーの思考】
選手達やトレーナーの皆様は怪我を防ぐために様々な事をしていると思います。
防ぐことができる怪我もあれば偶然にアクシデントとして怪我をしてしまうこともあります。
しかしトレーナーとしては可能な限りこの「偶然」というものが起きないように努力する必要があります。
その偶然をなくすためにはあらゆることを想定して準備する必要があります。
そこで今回は試合当日編として、トレーナーが実施できることをお伝えします。
大阪で活動しています、藤田友和です。
【怪我の分類】
ここでは簡単に怪我の分類に関して記載します。
「怪我」は大きく分けて急性(捻挫など)か慢性(オスグッドや腰痛など)に分類できます。またそこからさらに、コンタクトスポーツ(ラグビーやサッカーなど)かノンコンタクトスポーツ(テニスやバレーボールなど)の相手選手と接触があるかないかでも分類できます。
慢性的な怪我に関しては、
- 柔軟性の欠如
- 筋力の左右差や拮抗筋の筋力差
- 身体の使い方が悪い
- オーバーユース etc
少しですが上記のようなことが考えられると思います。
これらは普段からのケア不足による原因が多いと感じます。
急性の怪我に関しては、
- 相手との接触
- 雨で滑った
- 転倒
- ボールなどの物との接触
- 相手に指や足を踏まれる etc
これらは偶然のことなので仕方がないと思われる傾向にあるのではないでしょうか。
しかし本当に偶然や運が悪かったというだけで片付けてしまってもいいのでしょうか。
【試合当日にできること】
もちろん試合当日までにやるべきことはたくさんありますが、今回は試合当日にトレーナーができることを下記に記載していきます。
- 試合会場にはチームの誰よりも早く入り、会場の環境の確認(屋内であれば床、屋外であれば土や芝生)
試合会場の状態やセッティングを確認するため。また屋内であれば床の環境の確認、屋外であれば土や芝生の状態の確認のため。前日の雨の影響や梅雨の時期などで環境が大きく左右されるため。
- 天気、気温、湿度を確認する(試合会場の)
熱中症予防やウォーミングアップの内容、回数を考慮するため。また、試合会場の環境の把握にも繋がる。
- AEDや救急搬送の確認
試合当日にあってはならないのは生死に関わることです。それを防ぐためにはAEDの場所や救急搬送の導線確認は必須です。
- 選手全員とのコミュニケーション
選手全員とのコミュニケーションをとることで選手一人一人の状態が簡単に確認できます。表情や顔色、声の大きさである程度の状態は把握できます。
- ウォーミングアップの確認
動きのキレやテンションの高さ、雰囲気を確認することでウォーミングアップの内容を少し変更したり、回数を増やすことが可能になります。
- 試合前ミーティングでの言動
試合に対する意識や気持ちの持ち方を確認できるため、トレーナーからの声かけも適切に変更できる。言動は選手のみではなく指導者の内容にも耳を傾ける必要があります。特に言動ではマイナスの要素を言ってしまうとそれが現実に起こることが多いのです。
- クーリングダウンの実施
ここがないがしろになりがちです。普段の練習では当たり前のように実施していても、試合になるとクーリングダウンをおろそかにしているチームや選手が多いように感じます。
試合では練習と違い無理をしてしまう選手(練習以上の力を出そうとする)や、プレッシャーなどがかかるため普段以上に心身ともに疲労がたまります。ここでしっかりとクーリングダウンを実施することで、怪我の予防やリカバリーが上手くことに繋がります。
【まとめ】
今回は試合当日に実施できることをお伝えしました。
これだけでも意識して実施することで怪我のリスクは大きく下がります。
可能であれば指導者やキャプテン、マネージャーとも情報を共有できればさらに良いと思います。
あくまで試合当日の話であり試合までの準備もかなり重要になります。
試合帯同をする場合は少しこれらの要素を頭に入れていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。