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2014年05月09日
スポーツ動作に反映する腹筋トレーニングのポイント
今回は夏に向けて旬な「腹筋の鍛え方」についてです。
この夏に向けて腹筋トレーニングをしている方、そして腹筋をただひたすら鍛えることによりスポーツパフォーマンスは変わるのか疑問に感じているトレーナーさんへ質問です。
本当にその筋肉は使える筋肉でしょうか、見せかけだけの筋肉にはなっていませんか。
JARTAトレーナーの吉田です。
今年の夏も暑くなり、肌の露出が増える時期です。男性は腹筋を割ってきれいに見せたいと望んでやまないはずです。
単純に割れた腹筋をきれいに見せたいという方は、雑誌やテレビのトレーニングに励んでください。スポーツ選手も見た目を気にして、懸命に腹筋トレーニングを行いますから。
しかし、スポーツを仕事とするアスリートに本当に必要な腹筋はその鍛え方で良いでしょうか。
一般的な腹筋トレーニングの盲点
よく目にするトレーニングとしては、カールアップや体幹のツイスト動作を行う方が多いでしょう。
しかしこれらの一般的な腹筋動作の大きな盲点は、筋の収縮形態にあります。
すべて求心性収縮で起始部(第5~第7肋軟骨、剣状突起)を停止部(恥骨結合)に近づける方法がほとんどです。
なぜこの方法が多いのか考えたことはありますか。
想像してみてください。
我々人間の動作の中で腹部を求心性収縮に使用することはどれくらいあるでしょうか。またスポーツの場面で腹部を求心性収縮に意識的に使うとどうなるでしょうか。
腹部筋に対して上記のようなトレーニングが多くなってしまうと、腹直筋は大腰筋の拮抗筋 (機能的には)なので大腰筋が使えなくなってしまいます。
大腰筋が使えなくなることは、直接スポーツパフォーマンスを低下させる要因になります。
本来の腹筋の鍛え方は、多くのスポーツ動作における腹筋の役目は遠心性収縮が主です。
遠心性収縮により、体幹の回旋や伸展のブレーキを行い、そのブレーキを一気に解放することで爆発的な力を生み出します。
まさに腹部のRSSC(Rotator Stretch Shortening Cycle:回旋系伸張反射)なのです。
まとめ
今回は腹筋をスポーツ動作で反映するポイントについてお伝えしました。
具体的な腹筋の鍛え方・方法はみなさんの創造性にお任せしますが、私は原則として以下のことに注意しています。
- 遠心性収縮を行う
- 大腰筋とのバランスを壊さない
- 固めるような腹部トレーニングは行わない
ただ腹筋をひたすら鍛えるのではなく、スポーツに生かすためのポイントを考えて運動療法を組み立ててみてください。
選手の反応も格段と変化していきます。