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2014年10月13日
アルテリーヴォ和歌山・永井雄一郎選手サポート報告 『セルフケアの重要性』
今回は、現在担当している永井雄一郎選手(サッカー関西リーグ1部アルテリーヴォ和歌山所属)への具体的なサポート例を通して、パーソナルトレーナーとしての重要なポイントをお伝えします。
JARTAトレーナーの岩渕です。
以前サポート報告でもお伝えしたように私は現在、プロサッカー選手の永井雄一郎選手のパーソナルトレーナーを担当しています。
前回の記事をご覧になっていない方はまずそちらをご覧ください。
参照) アルテリーヴォ和歌山・永井雄一郎選手のサポート報告
永井選手はここ数年コンスタントに試合に出場することが出来ず、思うような結果を残せないシーズンを過ごしていました。
そこで目標の1つに
「コンスタントに出場すること」
を重要課題として上げていました。
この点に関しては、今期行われた公式戦23試合中20試合出場できました。欠場したのは私が関わる以前の5月の2試合と、私が関わってからは3連戦の2試合目に休養目的で休んだ1試合のみです。
永井選手曰く「10年くらい記憶にない」という延長戦を含めた120分フル出場できたことや、プロになって初めての連戦を乗り切ることが出来たのは大きな収穫でした。
さて、サポートをしていく上で二人の間の取り決めとして、試合後は必ず
- 試合結果
- 出場時間
- 試合後の身体の状態
- 練習でも身体の異変を感じた際の状態
これらの報告は必ずしてもらうようにしています。
私が永井選手のコンディショニングを行うのは月2〜3回ですので、普段のセルフケアの質は非常に重要になってきます。
チームトレーナーではなく、パーソナルで選手に関わる際に必ず留意しなければいけないのは試合中や練習中のトラブルに、トレーナー自身が即座に対応できないという点です。
この点はネガティブに捉えられがちですがそんなことはありません。
なぜネガティブな要素にならないのか?
まず大前提として選手のパフォーマンスを構成する要素の一つに身体があります。身体のケアというのはコンディショニングやトレーニングと同じく選手自身が行うことでパフォーマンスにいい影響を及ぼします。
なぜなら身体のケアに必要な選手自身の能力として、
- 選手自身が自分の身体の問題点を分析する力
- 分析した問題点に対して対応する方法を知っていること
この2点が必須になります。
これは「パフォーマンスを上げるにはどうすればいいのか?」という観点と全く同じ要素と考える事ができます。
つまり選手自身のセルフケア能力を高めるというのは、パフォーマンス向上に必要な要素を高めるということがお分かりいただけるのではないかと思います。
選手のセルフケア能力を高める取り組みの実際
永井選手からの試合後や練習で起きた問題の報告
(問題だけでなくポジティブな要素も含めて)
↓
報告を受けてこれまで伝えたセルフケアの指導や新しいセルフケア法の動画を送ることで対応。
↓
やってみた感触の報告を受ける。
↓
そのままケアの継続、もしくは別の方法の提案など。
おおまかにはこういったサイクルで行います。
また、実際のコンディショニングの際にもセルフでの対応方法は多く伝えています。
この取り組みには次のような狙いがあります。
- 選手がより適切に身体の状態を報告出来るようになることで自身の身体に対する内観力を高める
- 状態に応じたセルフケアを指導することで引き出しを増やしていく
- 内観力を高めることで選手自身が適切なセルフケアを選択し身体に対する対応力を高めていく
何よりこのような取り組みは、試合中におけるパフォーマンスの修正やトラブルに対する調整力を高めることにつながります。
永井選手の話を聞いていると試合中の対応力は明らかに高まっています。
コンスタントに試合出場できているのは永井選手が向上心を失わず成長し進化し続けていることが要因です。
今季の公式戦は終了しましたが、来季に向けてのトレーニングはすでに始まっています。後の永井選手の活躍を是非ご期待ください。