JARTA海外研修に参加する意味はあるのか?

3月15日から3月22日にかけて、JARTA認定スポーツトレーナーたちを連れてイタリアまでトレーナー研修に行ってきました。今回は研修の総括です。

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JARTA代表の中野です。

JARTAの海外研修では、サッカーセリエAのインテルミラノ、SSラツィオといった一流チームのユースを訪れます。

また指導体験ということで、ユースに特化して何人もセリエA選手を輩出しているようなチーム、現地で戦っている日本人留学生選手などにJARTAトレーニングを指導する機会を設けています。

 

なぜ、わざわざ高い研修費を使ってまでイタリアまで研修に行くのか。

今回はその理由と、研修に対する私の想いをお話します。

 

システムの違いと前提の違い

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この点は以前インテルユースのレポートでも記載しました。まだご覧になっていない方は、まずそちらをご覧ください。

参照) セリエA インテルミラノの育成システムについて

 

今回訪れたようなセリエAのチームをトップに抱えるようなユースチームと、日本の多くのスポーツチームは、まず前提条件が異なります。

 

前提条件というのは、

「成功」の基準が異なる

つまり、少数だけでもスターを生み出すことができればユースチームの価値は保たれるという基準です。

土台となる「環境」が異なる

資金力、人材(選手)数、スタッフ数がかなり充実しています。

この2点です。

 

つまり、これらの前提条件の中で「良いシステム」とされているものを、日本など前提条件が異なる中で盲目的に追従、採用してよいものかということに問題意識を持っていただきたかったのです。

 

この点に関しては文面だけ読むことで可能かも知れませんが、やはり現地でそれらを目の当たりにすることは非常に重要です。

無条件に追従してしまうほど、その規模の違いに圧倒されるのです。

 

要素主義と関係主義

西洋的な考え方の代表例が、「要素主義」と言われるものです。

例えば、パフォーマンスを構成する要素を細分化し、それぞれの要素を個別で鍛えることで結果的に全体が向上することを意図します。

とても単純でわかりやすいので、日本でも「常識」となっています。

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対してJARTAでは、要素主義に対して関係主義を重視しております。関係主義とは、要素と要素の関係性や影響にもしっかりと着目する考え方のことです。

トレーニングにおいて、その要素が変化したときに他の要素はその影響でどのように変化するかなどまで考える必要性を説いています。

要素主義が部分を細かくみるのに対して、関係主義では全体の現象をしっかりと捉えることができます。

 

イタリアで目の当たりにするサッカーのトレーニングは多くが要素主義に基づいたものとなっています。

そのような環境下で、関係主義を用いたトレーニングを提供することによる意義を感じてもらいたかったのです。

すごいレベルのチーム、選手に対して、「もうやることがない」とならずに、さらに向上させることができる視点、考え方を実践する場となります。

 

ちなみに、度重なるやりとりの結果、インテルやラツィオのユースでは少しずつこの考え方が浸透し始めています。

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伝えることの難しさ

海外研修では、ユースレベルの選手たち、日本人留学生選手たちにトレーニング指導を実践する機会を持つことができます。

指導とは言っても、当然選手たちにトレーニングの目的や必要性、サッカーとのつながりを説明してやる気になってもらわないことには良いトレーニングになりません。

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ここで必要になるのが、たびたび言っておりますがプレゼン能力です。

 

伝える必要のあることだけを端的に、わかりやすく、相手のハートと頭の芯に響くように伝えることが求められます。日本では曖昧にできてしまっていたところも、イタリア人には通じません。

わかりやすく選手からなめられてしまいますので、指導する際にそのような悩みや不安がある方には活路となる経験になると思います。

 

またイタリアの美しいフィールドで、選手たちに指導できる体験はとても気持ちが良く心に残ると思います。

 

本気になること

JARTAの海外研修は、正直厳しいです。本気の方でないと、とても耐えられません。

なぜなら、本気でやっている選手やスタッフたちが相手だからです。

 

私や現地スタッフの吉田輝も含め、JARTA側もいつも以上に本気で望みます。

選手たちのために、選手やスタッフ以上に努力ができるトレーナーでないと、研修には参加していただけません。

語学など特別な準備は不要ですが、トレーナーとして重要と考える部分に関しては、相当の努力を求めたいのです。

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イタリアでの研修は、トレーナーとしてだけでなく人生において糧となるような経験が目白押しです。しかし当然ですがそれらはゴールではありません。

そこで得た経験を、その後の人生でどのように活かすかで研修の価値が全く変わってしまいます。

イタリアから帰国して、その後どう行動してゆくか。特にその部分を重視してもらいたいと思っています。

 

普通では絶対に体験できない環境と経験の連続ですが、その経験が自信過剰になるような方向性に陥るのではとてももったいないです。

より謙虚に、でも自信も秘めていて頼りがいのある雰囲気を持ったトレーナーになるきっかけにしてもらいたいと願っております。

 

今回研修に参加したトレーナーの生の声を聞くと大変さと充実した感じを理解していただけると思います。

インタビューを撮影しましたので、ぜひご覧ください。

藤田友和

山岡俊也

櫻田亜里沙

最後に

後半は厳しい話になってしまいましたが、イタリアは、ほんとに素敵な国です。

建物や文化など、古いものを大切にする姿勢が貫かれていて、街並や細かい雑貨までが本当に美しいです。

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また、食べ物もとても美味しく、現地スタッフの吉田輝の案内で観光ガイドには載っていないお店に行くこともできます。

 

全てが通常の海外旅行や研修では経験できないプログラムです。

半年ごと、毎回少人数しか参加できませんが、ぜひ一度は参加してみてください。

 

JARTA代表
中野 崇