セリエA インテルミラノの育成システムについて

昨年、JARTA海外トレーナー研修制度の構築のためイタリア、ドイツに渡り、サッカーチームを中心に視察してきましたので、報告を兼ねてお伝えします。

セリエA インテルミラノの育成システムについて1

 

JARTA代表の中野です。

昨年9月末から10月初旬にイタリアとドイツに渡りました。その目的は認定スポーツトレーナー向けの研修制度を構築するためです。

 

渡欧中にはイタリアサッカーセリエAのインテルのユースの施設見学、フィジカルコーチやGM、トップマネージャーらと直接いろいろ話をしました。

たくさんの苦い経験もしながら、得たものも大きかったので欧米のトレーニング事情も含めて考察していきたいと思います。

 

今回から5回に分けて、私が感じたこと、考えたことをお伝えしていきたいと思います。

 

施設・環境について

訪れたのは、U-15などユースカテゴリーです。トップチームでは日本代表の長友選手が活躍しているチームです。

 

施設はかなり素晴らしく、医療室には超音波などの物療機器が揃い、当然トレーニングマシーンも充実です。緑に囲まれた、広大な施設でした。

若年層からの育成を重視し、しっかりとお金をかけているのがわかりました。

 

所属する選手の国籍はすでに多様であり、世界中からその世代で優秀な選手が集まっていました(残念ながら日本人は一人もいません)。

そして、その各世代の中から最終的にインテルのトップチームに上がれるのは1人か2人だそうです。

 

フィジカル面のシステムについて

ケガや痛みがある場合、チームドクターの診察を受け、その指示の下で治療(ほとんどが物療か簡単なマッサージ)やトレーニングが決定されます。

ここでのフィジカルトレーナーの役割は、トレーニングの種類や回数、頻度の管理といったものです。多くが全体練習の前にコンディショニングとして行い、その後全体練習が始まります。

インテルユースのトップマネージャーから見た日本人選手の特徴2
こちらの写真は、医務室で受診の順番を待っている選手たちです。
ACL損傷が多いということだったので、治療やケガについて、いろいろ質問してみました。

Q:なぜケガ(ここではACL損傷)が多いと考えているのか。

A:ユース年代は、非常に身体が変わりやすく、具体的な原因はわからないし調べていない。

Q:どうすれば予防できると考えているのか。

A:筋力アップやストレッチが重要。

Q:痛みが続く選手にはどう対応しているのか。

A:トレーニング期に入っても痛みが出てくる選手に関しては、メディカルに戻して、もう一度ドクターに診断を受ける。物療などの治療を受ける。

Q:例えば腰痛の選手に対するコンディショニングはどのようにやっているのか?

A:バックマッスルのストレッチ、腹筋群・背筋群の強化。

このようなやりとりをさせていただきました。

しっかり身体のことを勉強されている方でしたら、いろいろ感じるところはあるかと思います。

 

このあたりについて、もっと詳しく知りたい方は、認定スポーツトレーナー資格を取得すると海外研修参加資格が得られますので、海外研修に参加する機会があれば直接聞いてみてください。

通訳も入ってくれますし、実際のトレーニング実施風景も見学させてもらえます。

 

まとめ

今回見学した中で感じたことは、痛みがある時、包括的に身体を診るという考えはほとんど存在していません

膝が痛ければ、膝周辺の状態をチェックし、物療やマッサージを行います。そしてその後のトレーニング期には、膝周辺のストレッチや筋トレを行わせます。

いわゆる「西洋医学、西洋的な身体観と西洋的トレーニング」の最先端です。

 

ご存知のように、これらはスポーツ分野において日本でもほぼ同じようなシステムで行われています。

そして彼らは、このシステムで長い間結果を出してきていますし、欧米式のシステムとしては本当に高いレベルで精密に構築されています。

 

これは否定できない事実です。

 

筋力トレーニング1つとっても、非常に綿密に構成されており、実施状況も随時管理されています。

しかし、私はこれらにはまだ欠けているものがあると考えています。

そしてそれこそが、スポーツで日本が世界で勝てる鍵になると思っています。

 

JARTA認定スポーツトレーナーには、そのあたりもしっかり理解していただき、実際にその解決策(トレーニング方法も含めて)を提案しています。

 

サッカーに関わらず、ほとんどの競技で世界的には勝てない状況に陥っている日本が、果たして彼らと同じメディカル・トレーニングシステムを盲目的に追いかけていてよいのでしょうか?

もっと他に、日本人が世界で勝つ為にすべきことはないのでしょうか。

 

次回は、「インテルユースのトップマネージャーのアドバイスから考える、日本が進むべき方向性について」をお伝えします。