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2015年10月09日

専門的な動きを評価する前に選手の●●を観察していますか

あらゆるスポーツにおいて専門的な動きや運動の基本である走りを評価するのは一般的ですが、その更に基礎となる動きをしっかりと観察していますか?
東海地区で活動する認定スポーツトレーナーの田中紀行です。
タイトルの●●は、ずばり歩きです!
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あなたは、選手が何気なく歩いている姿をしっかりと観察できていますか?

歩きと走りの根本的な違いを考えると、歩きは必ず地面に足底が接地している時間があり、走りは両足が空中に浮いている時間があるというところです。
空中に浮いている時間があるということは、基本的な身体のコントロールが難しくなります。走りは、一定の流れの中で一定の動作を繰り返す連続運動であり、空中に浮く時間があるという事は、地面に足を設置するタイミングと重力に反して地面をける効力をしっかりとコントロールする必要があります。
つまり、走りの運動要素を正しく行うには、かなりの意識的な努力を必要とします。
逆に歩きは、競歩のように競技レベルのものは別ですが、よほど意識を高く持たなければ、普段のくせやその日の調子が表面化しやすいです。
少し余談ですが、競歩の選手は時速14㎞程までパフォーマンスを高めて、更にそのスピードで50㎞ものフルマラソン以上の長距離を歩ききる事ができます。あくまで想像ですが、歩行のパフォーマンスを極限まで高めることで身体の可能性をより広げることができるかもしれません。
話しは戻りまして、単純にその日の選手の歩きが重ければ、高いパフォーマンスを発揮することは難しいと言えます。歩きが重く感じるときは、往々にして専門種目の動きも重くなることが多いです。
常に歩きに重さを感じる選手に関しては、根本的な身体の意識や操作の仕方を見直すべきかもしれません。歩きが重いままに専門的な動きや走り込みをさせ、負荷を増やすことで怪我に繋がっては元も子もありません。
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基本的な動きを再度確認してみましょう!

上記は、基本的なトレーニングの一つで、JARTAのベーシックセミナーでお伝えしている立甲です。写真は立甲の習得トレーニングをした後に、立甲を実際どの程度使えて体幹を固めることなく連動的に使えているかを体感していただくために数分間四足歩行をして頂いたものです。イメージはチーターです(笑)
歩きは、原則二足歩行で上肢への荷重はかからないため、上部胸椎を中心とした肩甲帯周辺が拘束されやすく、緩みを感じないままの歩きが多くなります。また、メンタル面での落ち込みなども中丹田の動きを抑制することがあり、胸部の硬さに繋がるケースもあります。
歩きの状態を意識的に観察しておく事は、選手のニュートラルの状態や問題点の改善のヒントを知ることができると言えます。

最後に読んでいただいた皆様に伝えたい事

今回のお話しは、スポーツ選手に関わらず、すべての人に対して言えることです。JARTAのコンセプトはスポーツ選手のみに限定されるものではありません。私自身の活動している領域も、ダンサー、フィギュア、新体操等のスポーツ選手から難病や高齢者の訪問リハ等幅広く活動しています。なぜなら考えて行くプロセスはどの領域もなんら変わらないからです。むしろ、ある領域に縛られることは、自分の視野を狭める可能性があります。

お知らせ

12月6日(日)に東海地区では今年最後となるベーシックセミナーを開催致します。今回のセミナーは私が務めさせていただきます。JARTAのコンセプトやテクニックと共に現場での経験や活用方法等も合わせてお話ししたいと思います。興味のある方は、是非是非会いにきてください!
セミナー情報