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2015年06月12日

イタリアから見えた日本と自分

赤山 僚輔(香川県在住) / 理学療法士・(財)日本体育協会公認アスレティックトレーナー
(株)JARTAinternational 統括部長
JARTA認定スポーツトレーナー|SSランク
第2期イタリア研修参加|2014年9月

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Q1.なぜイタリア研修に参加しようと思いましたか?

日本人が世界で勝つために、我々がお伝えしていることがどこまでリアルであるのか自分の目で肌で確かめたかったため。
また海外に出ることで自分自身のこれからやるべきことを客観的に確認したかった。
 

Q2.イタリア研修に参加して得たもの、変化したことは?

参加して一番自分が感じて得られた思いとしては、中途半端な対象に対して目標設定や基準を設けていてはトレーナーも選手もいい方向性に成長しないと確認、確信できました。
サッカーに関わらず、日本にも素晴らしいアスリートやトレーナーはおられます。
しかし国内で素晴らしいと感じたアスリートが世界を舞台に活躍できるかと言われるとそうとは限りません。
国内でトップクラスのアスリートでも慢性障害に悩まされていたり、身体操作やコンディショニングにムラがあることも多々あります。
しかしその競技における世界基準で活躍し続けているアスリートは自分の身体の事を深く理解し最大限に活かせるようにプレイしていると強く感じました。
実際に練習をみたドイツ代表のクローゼ選手がまさにそのような感じでした。
クローゼ選手がヘディングをすると他の誰よりもボールが軽く感じるように飛んでいき、大柄な身体なのに競り合いの際のジャンプなどで重心のコントロールが非常に効率的でした。
逆にイタリアでも極々限られたプレイヤー以外は身体操作など、さほどすごいとは感じませんでした。
もっとこういう風に使えたらいいのになとか、こんな感じで練習繰り返していると足の怪我が多くなりそうだなと。
JARTAがお伝えしている概念や身体操作はまさにクローゼ選手のような効率的な身体操作であったり、今までセンスというひとくくりにされ上達の方法やパフォーマンスの向上方法が不明確であった部分へのメッセージとなります。
そしてそれが日本人が明治維新以降に科学化が進み、忘れ去られそうになっている武道・武術の精神や身体操作であります。
イタリアから日本をみることで自分達の持つアドバンテージを再確認できたこと。
それを伝えていく重要性を再認識しました。
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そしてもうひとつ。
私はイタリア語は話せません。
今回、自分たちの思いやトレーニングの方法を伝えるために一緒にプレゼンを何度も考え、練習し挑みました。
ただ肝心なところで我々がよく使う日本語表現を適当に転換したイタリア語がなかったり、それを別の言葉や表現で端的に説明するようにアドバイザーである吉田輝氏に言われた際、うまく伝えることができませんでした。
 
日本人はお人好しなのでわかっていなくてもわかったフリをします。
イタリア人や輝さんは絶対にわかったフリをしません。
その機会を通じて自分がいかに曖昧な表現や理解で指導・プレゼンをしていたかということを再認識させられました。
これは日本に帰ってきて、セミナーで指導したり選手に指導する際に非常に役にたっています。
そもそもわかったフリをするという前提でリアクションやこちらからの表現を考える事でどうすれば腑に落ちるまで関わる事ができるかと適時考える事ができるからです。
我々の伝えたい思いは上辺だけ理解したつもりではまったく機能しませんし、実際によいパフォーマンス発揮とはなりません。
心身ともに統合化され本当の意味で腑に落ちた時に選手は素晴らしいプレイをし、トレーナーであればよい選手との関わりができると信じています。
ひとつひとつの言葉の持つ記号的な意味合いを吟味し、体感をもった体験ができるように身体全体でプレゼンテーションを実施できるトレーナーになれるように自分が足りない部分、もっともっと研磨していかなければならない部分が感じられた事がイタリア研修での大きな財産です。
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今は日本で一人一人の選手と真剣に対峙し、また近い将来イタリアや海外で活躍する選手を育て、自分自身もこのような機会にまたチャレンジしたいと強く感じています。
 
 
赤山僚輔