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2015年06月02日
ズレた内的認識力の修正法
スポーツには好不調の波が必ず存在します。自分が担当しているチームや選手に痛みや違和感などのフィジカル的な問題がないにも関わらず不調を訴える選手がいる。
こんなときあなたならどうしますか?
JARTAトレーナーの岩渕翔一です。
スポーツパフォーマンスは大きく分けて3つの要素で構成されます。その3つがうまくバランスがとれている状態がいいパフォーマンスが発現する前堤条件になります。その3つの要素とは
- フィジカル
- スキル
- 認識力
このうち3番目の認識力には内的認識力と外的認識力という概念があります。
内的認識力とは
自身の身体や精神に対する認識力のこと。トレーニングやパフォーマンスの際に自身の身体や精神がどういった状態にあるのかを適切に認識する力を指します。意識下、無意識化それぞれ存在します。
外的認識力とは
内的認識力で認識されるもの意外を指します。試合当日の気候や対戦相手、試合の状況、チームメイトの状態、声、ボールやその他競技道具の状態などを認識する力です。
話を戻します。この認識力のうち内的認識力の“ズレ”はいわゆる調子の善し悪しに特に直結します。
内的認識力がズレた状態とは?
前述したように内的認識力とは自身の精神や身体に対する認識力です。これがズレた状態というのは実際に発現している動きと自分のイメージしている動き(感覚として捉えている動き)がズレている状態を言います。
実際に発現しているパフォーマンスと自身のイメージがズレているのですから当然思うようなプレーができないわけです。この動きやパフォーマンスのズレには2つのパターンがあります。
①イメージと実際の動きのズレを認識できていない
②ズレは認識しているが修正することができない
この2パターンのうちどちらのパターンなのかをまずは評価する必要があります。
①の場合は選手自身がズレを認識するためのアプローチが必要になります。
②の場合はズレを生み出している原因を選手自身が認識し、修正ポイントと修正法を提供するアプローチが必要になります。
いずれにしてもズレを選手自身が認識することがまず第一歩です。
ズレた内的認識力の修正法
内的認識力が高い状態というのは自身の身体や精神を適切かつ詳細に認識することができ(意識下、無意識下かはここでは置いておきます)、それがパフォーマンスに活かされていることが条件です。
つまり内的認識力の修正法とはそれ自身を高めることと同意になります。
まず基本的な内的認識力に重要なのはセンター(軸)の形成です。
センターが形成されることで適度に筋は緩みます。緩む事で筋紡錘がしっかり働く身体環境ができ体性感覚が高まります。
身体状態をフィードバックするには全身の体性感覚が活性化していることが必要です。そのためにはセンターが形成される必要があるということです。
JARTAではセンタリングトレーニングというセンター形成に有効なトレーニングを提供しています。
しかし、これだけで内的認識力を修正するに足りているかといわれればそんなことはありません。
例えば立位(JARTAでは一次姿勢と言います)でセンターが形成されている状態であっても実際のパフォーマンスでは力んでしまい内的認識力は発揮されないということは往々にしてあります。
そんなときに大事なのはやはり動作分析の能力と関係主義的にパフォーマンスを分析する力です。
- 外的認識力の影響
- 一次姿勢(立位)から三次姿勢(競技パフォーマンス)までを統合して捉える分析力
- 各競技の動作分析能力
- 競技パフォーマンスから一次姿勢までを関係主義的に捉え改善点を導きだす力
これらができて初めて内的認識力を修正するコンディショニングやトレーニングを適切に提供することができます。
重要な試合や大会に向けてコンディションや調子をピークに持っていくことをサポートするのもトレーナーの役割の一つです。
動作分析の質を高め関係主義的に捉えることでセンタリングトレーニングはいくらでも応用できます。
最後までお読みいただきありがとうございました。