NEWS(最新情報)
2014年11月13日
最初の一歩を速くする秘密
バスケットボールでもサッカーでもなんでも、スポーツにおいて「最初の一歩」はとても重要な意味を持ちます。
「最初の一歩」が0コンマ何秒でも速く、かつノーモーションであることが実現できれば、それはパフォーマンスにおいて大きなアドバンテージを持つということになります。
はじめまして。北海道で活動していますJARTAトレーナーの犬尾です。
以前JARTA代表の中野が、ブログでその速度についての「定義」「概念」を解説しています。まだご覧になっていなければ、まずそちらをご覧ください。
今回はその「一部」を代表中野とは違った表現で書いていきます。
この「最初の一歩」。実は、従来の欧米式では考えられないほどの身体技法が日本にはありました。
初速の動作が速くノーモーションを実現できる選手は、それを無意識に獲得しています。
しかし、我々スポーツトレーナーは、選手にそれを再現させなくてはいけません。それをしっかりと分解し、どのような要素が絡み合って実現したパフォーマンスなのかを理解しておく必要があります。
次に具体例をひとつご紹介します。
「膝を抜く」という技術
従来、足を一歩踏み出し前進するという人間の動作は、「重心を前に移動させ、地面をつま先で蹴り出す」という認識が一般的です。
いかにその動作を速くするか。
そのために、股関節を素早く曲げるだとか地面を強く蹴る筋力をつけるなど、さまざまな方法でトレーニングされてきました。
しかし、実は初速の動作が素早くノーモーションである超一流の選手の体の使い方は、全然違いました。
いかにノーモーションで、爆発的に動き出すか。
そのために重要な体の使い方は、古来より日本に存在したのです。
それは、殺し合いの中で発展してきた「武術」の中にある身体技法の1つで「膝を抜く」という技術です。
文章では説明しづらいですが、これは前に進むという動き方ではありません。
前に進むにあたって、重心を前に移動させて地面を蹴るのではなく、膝をカクンと力を抜く感じで、「崩れ落ちる」という感覚に近いと思います。
ただし、これは身体全体が緩んでいることが前提です。
そこから爆発的に前方に進むためには、体の「ある部分」を使い、その動作に必要なだけの力の量を出力させるという高度な技術が必要になります。
これは、JARTAでは「格定力(かくていりょく)」と呼んでいます。
もちろん、その他にも軸を操作する意識だとか色々な要素が複雑に関係し、超一流の「最初の一歩」を再現することが出来るのです。
まとめ
スポーツ選手に獲得させたいノーモーションで素早い「最初の一歩」。実はとても複雑で高度な技術がいくつも隠されているのですが、その中の1つに「膝を抜く」という技術が必要になります。
これは従来の「蹴り出す」ことよりもコンマ何秒も速く、しかも相手に動きを読まれづらいという特徴を持ちます。
JARTAで学べるトレーニングの中には、その「武術」の要素がたくさん含まれています。
頭で理解するよりも、感覚的に体感するのが一番速いと思われます。是非、皆さんも選手や自分の身体技法に注目して行ってみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。